釣りビジョン

蒲谷丸・神奈川県金沢漁港

2017.12.1号

神奈川県・八景沖のLT(ライトタックル)アジ、絶好調!!

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今秋は週末のたびに天気が荒れた。「お天道様には逆らえない」とは言うけれど、ここまで天気に見放されるとストレスが溜まる。気温も本格的に冬のそれとなりつつある11月下旬。飛び石連休にも関わらず天気予報は芳しくない。その合間を狙い、悪天候には滅法強い東京湾内のLT(ライトタックル)アジで、溜まった鬱憤を晴らそうと神奈川県・金沢漁港『蒲谷丸』に出掛けた。

東京湾が誇るブランド魚“金アジ”、“プラチナアジ”

金沢漁港に入るとすぐに『蒲谷丸』がある

東京湾内で釣れる居着きのアジ。一定の場所にとどまって豊富に餌を食べるためにタップリ脂が乗っている。その体色の違いによって“金アジ”とも“プラチナアジ”とも呼ばれるがその名に相応しい味から、すっかりブランド魚としての地位を確立した。海水温が低下し始めるこの時期は、冬に備えて更に脂肪を蓄えるので食味は大幅にアップする。

広々待合室で出船までのひととき
待合所の目の前に船が停泊されています
自分の乗る船を看板で確認

『蒲谷丸』のLTアジ船は午前便と午後便

この日乗船した「第二蒲谷丸」

『蒲谷丸』では、半日LTアジを出船している。この日乗船したのは午前7時半出船、11時沖上がりの午前船。正味3時間の釣りなので船に不安がある初心者や飽きやすい子供でも気軽に乗れる。しかし、侮るなかれ!3時間でも釣果はバッチリ。これで一日乗って釣り過ぎると下船後に捌くのが大変になる程だ。つまり半日船は丁度いい時間なのだ。勿論、LTの本当の意味は時間ではなく、タックルにある。深場だと130~150号のビシカゴを使う事もあるアジ釣りだが、比較的潮の流れが緩やかなこのエリアは糸の太さを細くして、使用するビシカゴを30号まで軽くする。これにより女性や子供でも気軽に楽しむことが出来るのだ。

桟橋から安全に乗り降り
貸し道具が充実
長靴やライフジャケットも無料で借りられるので初心者も安心

気持ちがLTなのが最高!

出船前の釣り方セミナーでしっかり勉強

私はこのLTには、もう一つ別に重要な意味があると思っている。それは前述の2つの目に見える軽さがもたらす恩恵としての「気軽さ」。「釣りはしてみたいけど道具を揃えるのが…」とか「子供と釣りに行きたいけど、中々ハードルが高くて…」とかを一気に解消してくれる。まさに気持ちまでがLTな釣りなのだ。実際、この日『蒲谷丸』から乗船したのは私含めて7人だったが、3人はお爺ちゃんからお孫さんまでの3世代の樋口さんファミリー。そしてもう3人は渡辺さん、寺西さん、森本さんの女性3人組の会社グループ。6人中3人はこの日が初めての船釣りだそうだ。初心者には蒲谷繁行船長が出船前に全員に親切に分かりやすい釣り方セミナーを行ってくれる。これで一気に色々なハードルが下がっていざ出船。

イワシミンチを30号のビシカゴに
付けエサは鉄板のアオイソメ
仕掛け図

教えを頭にいよいよ実践

朝日がきれいです

この日の釣り場は、港を出てほんの15分程のエリア。水深は18m程。この水深なら初めてでも着底が分からないということは無い。1回ビシカゴを底まで落として1m上げる。コマセを撒いてもう1m上げてそこでアタリを待つ。女性グループは渡辺さんが釣りの経験者で、あとの2人をサポート。港で教わったことを実践。樋口さんファミリーは経験者のお爺ちゃんがサポート。コマセも馴染んで、アジが来るのを今か今かと待つ。

『八景島シーパラダイス』の横を抜けて沖へ向かう
水深は18m程
“本命”は金色に輝く“金アジ”

初めての魚に大興奮!

初めてで釣れました!

最初にアタリが訪れたのは、樋口さんファミリーのお爺ちゃん。さすがのコマセワークでアジを一荷(2匹)で。そして次は反対側の女性3人組。ミヨシ(船首)で竿を出す寺西さんに小気味良い引きが。見ている方は魚がいるのがわかるのだが当の本人は、掛かっているかが分からなかったのは秘密です。私はまだ魚を釣ったことがない樋口寛汰君(9歳)をサポート。「糸が止まったら底だからね!」と言っていると竿先がブルブルッ!初めてのアタリに大興奮でリールを最速フル回転で上げてきた獲物は良型のシロギス。どうやら私の教えの「底」に素直に執着してしまった模様。“本命”ではないものの初めての魚に溢れる笑顔。良いものを見せてもらいました。

朝一に“本命”
さすがはベテランのお爺ちゃん
寛汰君の最初の1匹は良型シロギス

入れ食いタイム突入!

一荷で来ました

朝の内こそポツリポツリだったアタリも1時間も経つとコマセにアジが集まり、コンスタントにアタリが出るようになっていた。アタリが分からなかった寺西さん、森本さんもアジの小気味良いアタリがしっかりと分かるようになり数を伸ばす。寛太君も「底から2m」が分かり、アジを掛けられるようになって来た。時には一荷(2匹)も。1時間前までは右も左も分からない状態だった人たちが、すっかりと釣り方を自分のものにして魚との対峙に没頭している。

渡辺さんは流石の腕前で35匹
こちらも一荷で!
入れ食いタイム突入!

「また来たい!」が最高の言葉!!

ついに釣れた“本命”のアジ

僅か3時間と言う釣りだったが、皆がアッという間と思う程の“濃い時間”を過ごすことが出来た。船長の「あと5分で上がりますからねー」の声に一抹の寂しさを覚えながらこの日は終了。ベテランの渡辺さんはなんとこの短時間で35匹のアジを釣り上げてクーラー一杯。全員がツ抜け(10匹超え)を達成した。一様に「今日は楽しかったー!」、「また来たい!」と言う最高の言葉が聞けたので釣果以外にも大いなる癒しを貰えた。この日のライトな釣りの思い出が今後、ヘビーに釣りに嵌っていくことは間違いなさそうだ。

メバルの一荷もありました
初めてでも十分の釣果が
沖上がり後のあったかいうどん

(釣りビジョンAPC・丸岡直樹)

今回利用した釣船
神奈川県金沢漁港『蒲谷丸』
〒236-0013 神奈川県横浜市金沢区海の公園9
TEL:045-781-8552
定休日:不定休
詳細情報(釣りビジョン)
蒲谷丸ホームページ
出船データ
午前・午後LTアジ乗合船
料金:男性6,000円(ネット割あり) 女性・子供3,500円
(氷、コマセ・アオイソメ付き)
貸し竿500円
出船:午前船 午前7時半出船 午後船 午後12時半出船
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