釣りビジョン

神奈川県・茅ヶ崎沖のマルイカ、出足快調!

2018年04月01日公開

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誘って掛けるゲーム性の高さと食味の良さに定評のあるマルイカ。その人気から近年やや難しい釣り物となった傾向があった。ところがスルメイカやヤリイカも好調だった今期は、早くも水深100m以浅で例年に無く好調に釣れているとの情報を聞き付け、神奈川県・茅ヶ崎港『まごうの丸』に出掛けた。

天気図とにらめっこ

強風で出船出来ない日が度重なる今春。釣りに行ける日に限って暴風に見舞われ、爆発寸前の太公望も多いのではないだろうか。取材日は「午後から南西の風が強まる」という予報を知りながら、早上がり覚悟の釣行となった。『まごうの丸』は5時20分“開店”なので、それより前に到着した場合、釣り物の立て札の前にクーラーを置いて順番を取り、車を駐車場へ移動する。“開店”後、釣り座を確保する際にはこの順番になるので、“開店”数分前には店の前で待つのが得策だろう。乗船カードの記入と船代の支払いが済んだら、店の前に停車中のトラックにクーラーやバッカン、投入器などの重い荷物を載せ、釣り竿など壊れやすい物は手で持って船着場まで歩く。出船30分前には釣り人の全てが乗船しているのがこの船宿の常。不文律だが気持ちの良い習慣だ。定刻より少し早めの6時20分、釣り人6人の広々とした釣り座で「第二十一まごうの丸」は出船した。

1投目から乗る群れの濃さ!

ベタナギの海を走ること40分。茅ヶ崎沖水深80mの釣り場に到着。魚群探知機に映るイカの反応をしばらく探して、この日の釣りはスタートした。期待の第1投目。オモリの着底後、1m程リールを巻いてタナを取った途端、モタれるアタリを捕らえたのは藤原昌彦さん(横浜市)。直結仕掛けで手際良くマルイカを取り込み、間髪入れずに再投入。竿先を激しく揺する「タタキ」の後、挙動をピタっと止めてアタリに集中すると、直ぐさま竿先に現れるマルイカのアタリ。すかさず合わせて、淀みなく2杯目を確保した。これが釣り開始から僅か5分間の出来事。マルイカの微かなアタリを見極め、更にハリ掛かりさせられるか否かは腕次第だが、このエリアの群れの濃さは自ずと推し量られる。幸先の良いスタートに船中の期待は俄然高まった。

 

仲良きことは美しきかな

「餌を付ける釣りは母ちゃんが船酔いするから」と、イカ釣りの意外な利点を話してくれたのは小島博昭さん(相模原市)。奥さんの満由美さんと釣りを始めたのは今年の1月から。これまでにカワハギ、アマダイ、アジと様々な釣りに挑戦して、今はイカ釣りにどっぷり嵌っているとのこと。「船代が2人で1万円なのが良いよね」と言われて気付いたのだが、『まごうの丸』では“ペア割引き”というキャンペーンを実施中で、男・女ないし親子または女性のペアの乗船料は2人で1万円。1人で乗ったら9,000円(これも比較的安いが)なので、このお得感は特筆。これから釣りを始めようと思っているビギナーには持ってこいのサービスではないだろうか。『まごうの丸』は出船の随分前から船長が船に居るので、早めに乗船して釣り方を尋ねれば、気持ちよく教えてくれる。決して恥ずかしいことではないので、まずは初心者である旨を船長や周囲の釣り人に伝えることが肝心だ。

釣果と釣法の多彩さも魅力

水深80m前後の釣り場を巡ったこの日。釣れるのは“本命”のマルイカだけではなく、今期絶好調のヤリイカや、スルメイカの子供“ムギイカ”もかなりの割合で交じってくる。そのため、ブランコ仕掛け、直結ブランコ仕掛け、直結仕掛けと様々な仕掛けで楽しめ、更に“疑似バリ”を5cm前後のスッテにするか、11cmのイカヅノにするかと選択肢は様々。50~60号とイカ釣りにしては軽いオモリで充分に釣りが楽しめるので、体力的にも格段に楽な点も魅力のひとつ。知らなければ同じイカに見えるであろうムギイカ・ヤリイカ・マルイカの3種類を1回の釣行で釣り分け、それぞれの個性と美味しさを食べ比べられるのも、この乗合船の面白みと言えるだろう。ちなみにこのマルイカ、味に定評のある“ケンサキイカ(アカイカ)”の子供で、サイズこそ可愛いがその味は絶品。壺抜きにしたマルイカに大葉を混ぜ込んだ酢飯を詰め込む“変わり寿司”の作り方を女将に教わったのだが、これがまた格別!是非お試し頂きたい。

今期のマルイカは期待大!

今期のマルイカの傾向について、石黒由省船長に訊いた。「今年は例年より早く始まって、群れも濃いので楽しみです。これから釣れるタナもどんどん浅くなって行くので、初心者でも楽しめると思います」と嬉しい展望。初心者へのアドバイスを尋ねると「直ブラ(直結ブランコ仕掛け)が割と簡単でお薦めですね」とのこと。船宿でピッタリな仕掛けが安価で購入できるので、分からなければ釣り当日の受け付け時に購入するのが賢明だろう。
予報より早く吹き出した強風で早上がりとなり、釣れた数としては谷間となってしまった取材日。「昨日来れば良かったのに」と船長は苦笑いだったが、群れの濃さとライトタックルで楽しめる多彩な釣果の面白さは充分に体感できた。リベンジを目指して、天気図と釣果情報から目の離せない日々が続きそうだ。

今回利用した釣り船

神奈川県茅ヶ崎港『まごうの丸』
〒253-0061 神奈川県茅ヶ崎市南湖6-4-16
TEL:0467-85-9013
定休日:第1・3火曜日 釣果・施設情報 まごうの丸 ホームページ

出船データ

マルイカ乗合
乗船料金:9,000円(氷付き)※各種割引きあり
集合:船宿に6時15分まで/出船:6時30分(変動あり、予約時に要確認)
定休日:第1・第3火曜日
     
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この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込むツリキチ。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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