釣りビジョン

東京湾口のカワハギ、秋のシーズン好スタート!!

2018年09月15日公開

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剣崎沖の“解禁”でスタートした東京湾・秋シーズンのカワハギ釣り。強烈な台風が去って吹き返しの風が収まって来た9月9日、神奈川県・久比里港『山下丸』に出掛けた。海には高海水温(26℃)や濁りなど台風の“置き土産”が残っていた上にカワハギ釣りには、不向きな潮具合と風だったが30cmオーバーも数匹交じって、今シーズンも期待できそうな印象を受けた。

待ち焦がれたカワハギファンで一杯

秋に入ると、ターゲットをカワハギに絞る釣り人も多い。この日も『山下丸』の駐車場は、カワハギ釣りファンで一杯。この日は釣り具メーカーのカワハギ釣り大会もあり、その参加者も大勢いた。『山下丸』もカワハギ船は2隻出しとなった。船宿ではカワハギの絵の付いた暖簾の前で釣り人が何人も餌のアサリ剥きの真っ最中。「アサリ剥きが手早く出来るようにならなければ、カワハギ釣りは一人前とは言えない」の先輩の言葉を思い出す。しかし、怠け者の私はビニール袋に入っているむき身を購入、「第三十一 山下丸」に乗り込んだ。操船は山下克範船長。私は左舷ミヨシ(船首)2番、右舷に8人、左舷には9人が座った。

連チャンで竿先を引き込む

定刻の午前7時30分、桟橋を離れて平作川の河口へ向かう。途中低い橋桁を2つ潜ってフェリー発着所がある久里浜港に出た。すかさず帆柱が立てられスパンカーが張られた。左前方に房総半島、右手前に久里浜火力発電所、目の前には嘗てはアシカが甲羅干ししていたと言われるアシカ島が見える。波立つ南風に船首が向けられると「ここら辺でやってみましょう。用意してください。水深は15m位です」と山下船長、桟橋を離れて15分も経っていない。一斉に餌のアサリを丁寧にハリに付けて投入すると“集器”あり、蛍光色の中オモリあり、タイラバのようにオモリにヒラヒラやスカートを付けたもの等、各々が工夫を凝らした仕掛けが海中に消えていった。潮は濁り気味で上潮が速い。周囲の様子を見ると竿先を激しく振って誘う人、小さくコヅく人、ゆっくり竿先を上下させて誘いあげる人等、この日の食わせパターンを見つけようと真剣なまなざしで竿先に集中。投入して間もなく左舷4番の為田光昭さん(横浜市)の竿先が揺れて“本命”のカワハギが取り込まれた。右舷でも和竿で誘っていたミヨシから3番の岩間正晴さん(横浜市)が良型を釣り上げたが、「最初の強いアタリはハリを伸ばされちゃった。良い型だったと思うよ」と残念そうな顔を見せた。トモ(船尾)から2番の鈴木和明さん(足立区)はブラックバス釣りが好きでバストーナメントで連続優勝して賞金を貰ったと言う。良型を釣り上げニッコリ。4番目は釣りガールの長谷川さつきさん(大田区)。こちらも良型をゲット。カワハギ釣りは好きでなかったが、仲間のカワハギ大会に員数合わせで参加し26匹を釣って優勝してからカワハギ釣りに嵌ったと言う。

 

32cmと30.2cmのビックサイズ!!

開始早々良型が上がったが、その後は船中でポツリポツリ。船中を廻って聞いてみるとカワハギ釣りの好きな方はタチウオやマルイカ、湾内のフグ釣りが好きな方が多いようだ。食わせ方や繊細なアタリでの微妙なやり取りが共通の魅力らしい。席に戻って私も釣りの準備をしながら左隣の千野幸則さん(川崎市)に様子を聞くと、既に良型2匹釣り上げたと言う。クーラーボックスを開けて見せてもらうと2匹とも大きい。クーラーボックスの蓋に貼ってあるメジャーに当てると32cm、もう1匹も30cm超には驚いた。私も急いで竿を用意、水深が浅いので2mで竿先が軟調な物を選んだ。道糸1.5号で幹糸、ハリスとも3号のフロロカーボン、枝スの長さ6cm、ハリはハゲバリ5号、見せ餌を兼ねて3本バリ仕掛け、オモリは潮が濁り気味なので蛍光グリーンの25号にした。アサリの水管からハリ先を入れ、ベロに縫い刺しワタにハリ先を差し込んで小さく丸めてつけてから投入。小さくコヅキ続けてソーッと竿先を持ち上げる。何回か誘っているうちにガクッとアタリ。即竿先を鋭く合わせるとカンカンと金属的な引き込み。海面近くで潮に乗って横に走る灰褐色の姿が見えた。この日のレギュラーサイズ20cm強を無事取り込んだが、ビックサイズを見た後なので小さく感じる。

風が強く、直ぐにポイントを外れる

船中ポツリポツリと竿が上がる。私も誘っている竿先にまたガクッとアタリ。カンカンと小気味よい引きを感じながら慎重にリーリング。2匹目(25cm級)をゲット。だが、よいポイントも風で流されて直ぐに外れてしまう。途端に赤紫のオキトラギスやササノハベラが食ってくる。嬉しい“ゲスト”はハタ、カサゴ、ホウボウ、迷惑なのはアカメフグやサバフグ、ハリのチモトを食い千切ってしまう。そんな中で「来月のカワハギ釣り大会出場の予習中です。釣りパターンの引き出しを少しでも多く用意したいので」と言いながら、左舷トモの堤康貴さん(西東京市)がレギュラーサイズを釣り上げる。「先程、大好きなハタを釣りました」と笑顔で話してくれた。右舷トモでは鈴木さんと連れ立って釣りに行くと言う山本俊介さん(春日部市)も「バス釣りを少しお休みしてカワハギに通います」と言いながら良型を取り込んだ。

灘寄りで竿を絞り込む

10時過ぎ、潮が緩んできてアタリがなくなって来た。船長は竿上げの合図、千葉県側へ移動、水深は25mと深くなった。この時期は潮温も高くカワハギがまとまっていないのでカワハギの居そうな場所を探しての拾い釣りとなり1ヶ所でバタバタ釣れることはあまり期待出来ない。移動した時は、1投目を素早く投入することが大事。新しい場所はカワハギを自分の方に呼び込んでくるチャンス。モタモタしていると他の人に釣られてしまう(どのような釣りも同じですが)。ミヨシでトモで竿先が曲がったが、移動前よりは少し型が小さい。その分数がいるようだ。風は相変わらずで、船が流されてポイントを直ぐに外れてしまう。灘(岸)寄りに行ったところで右舷で左舷でミヨシでトモで「来たー」、「食った」、「バレたー」。右舷ミヨシの梶原章二さん(横浜市)も「やっと良型だよ」と麦わら帽子を脱いでニッコリ。隣の松浦太郎さん(調布市)も肝パンのカワハギを手にして笑顔。その直後、岩間さんの和竿がガクガクと絞り込まれた。中々上がって来ない。突っ込みを交わして取り込んだのは30cm級の大型。怒涛の右舷ミヨシ3人揃ってのゲットだった。トモの方で鈴木さんと長谷川さんが背ビレの伸びたオスのカワハギを手にしてかざしてくれた。コンスタントに釣っていたのが為田さん。取り残されていたのは左舷トモ3番の釣りガール、角井麗恵さん(品川区)。マダイ記録は4.2kgだとか。「今日は終盤にやっと1匹釣れました」と苦笑い。
「今日は出だしと終盤に良い型が釣れましたが、この時期は拾い釣りが中心で数が大幅に伸びないのは致し方がない事。潮温が下がって来ればカワハギも集まってきて数も望めます。今シーズンも楽しめそうですよ」と船長。

今回利用した釣り船

神奈川県久比里港『山下丸』
〒239-0828 神奈川県横須賀市久比里1-3-3
TEL:046-842-8856
定休日:第2・4・5水曜日(定休日が祝日の場合、変更して営業) 釣果・施設情報 山下丸 ホームページ

出船データ

乗船料金:8,700円(餌付き※アサリ殻付き)、9,500円(餌付き※アサリむき身)
氷別料金:150円
出船時間:7時30分
沖上がり:14時30分
     
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