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千葉県・富浦沖のアオリイカ、ティップランで攻略!

2018年11月01日公開

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春に産卵するアオリイカ。浅場で釣れるイカとしては大型になる部類だが、成長は非常に早く、ひと潮(約半月)毎に大きくなり、秋から初冬にかけて釣り人を楽しませてくれる。獰猛な性格でその釣り味の強烈さに嵌る釣り人も多い。千葉県・南房、富浦沖は好釣り場として知られた所。富浦港『共栄丸』では連日好釣果が続いており、2桁釣果も珍しくはないと聞き、20日(土)に出掛けた。

『共栄丸』と言えば大型マダイ!?

富浦港『共栄丸』と言えば、“大ダイ”を釣らせる船宿の印象が強い。今年の春の乗っ込みシーズンにも連日のように釣れる“大ダイ”に沸いた。秋もマダイ、“青物”を始めとした釣り物で人気を集める。それでは、「アオリイカの入り込む隙がないのでは?」と思うだろうが、実はアオリイカの乗合船が出船しているのはマダイが終わった後の午後船。集合も13時とゆっくりだ。

“ティップラン”にも早くから取り組む

『共栄丸』は、マダイだけでなくアオリイカの実績も高い船宿だ。西日本で人気の「ティップラン」釣法を関東で早々と取り入れた船宿でもある。関東では、まだまだ一般的とは言えないが、釣具店ではティップラン専用のエギコーナーを設けているところも出始めている。取材日の船も1週間以上前から満船という人気ぶり。笹子宏宣船長も「週末は、お陰様で満船になることが多いですね」とニンマリ。

ドテラ流しの釣り
ティップランは潮と風を利用して船を横に流していく「ドテラ流し」という独特な釣り方をする。ヒラメの横流しを連想して頂くと分かりやすいが、エギをシャクるアオリイカの場合は、船下に糸が入ってしまう潮上側は釣りにならない。糸が払い出す潮下側に全員が並んでの釣りとなる。横に流していくので広いエリアを探る事が可能。また、オモリを重くして深い場所も攻める事が出来るのが特徴。

 

エギカラーは迷ったら“パープル”

最近は、エギング用ロッドのコーナーに“ティップラン専用ロッド”も加わった。竿先で微妙なアタリを拾っていく釣りなので専用ロッドがあればいいのだが、ない場合はひとつテンヤ用のロッドなどでも代用可能だ。繊細なアタリを拾うには道糸は細い方がよく、PE0.6号位がベスト。リーダーも2号以下が好ましい。気になるエギは…今は釣具店で多くの“ティップラン専用エギ”が販売されている。迷うのはその色。潮の色や流れによって当たりの色が変わってくるので幅広く持つに越したことはないが、迷ったら“パープル”。船長もお勧めで、この日も数を釣っていた人はパープルを使っていた。

底をキチンと取ることが基本!
アオリイカのポイントは、富浦港を出てほんの10分程の大房岬周り一帯。水深12~30mエリアを幅広く探る。船長の「水深12mの処から始めます。だんだん深くなるからねー」の掛け声でスタート。この釣りの最初のキモは「底をキチンと取ること」。糸を出しながら着底時の竿先の微妙な変化に集中。着底を確認したら素早く数回シャクる。潮が速い場合は3回位、緩い場合は7回位を目安に。ここで竿先に集中。アオリイカの僅な触りを待つ。2回ほどやってアタリがなければエギを見切られている可能性もあるので入れ直したほうがいい。

竿先=ティップが走る

「ティップラン」の名前の由来は、「竿先=ティップ」がアオリイカの乗りで「走る=ラン」事から来ているそうだ。開始早々の第1投で船尾の吉野浩之さんのティップが早速走った。やり取りの最中にグインと強い引きを見せながら上がってきた“本命”。幸先のいいスタートを切った。次の流しではミヨシ(船首)の村山智彦さんのティップにも。アオリイカは群れでおり、1杯が掛かると連続してかかることが多いが、この日は単発のみ。

村山さんと吉野さんがデッドヒート
その後も船を流し直す度に型を見るものの単発止まり。トモ(船尾)の吉野さんと船首の村山さん2人が順調に数を伸ばす。この2人に見られた特徴は「しっかりと強いシャクリを入れていた」事と「エギはパープル」の2点。なかなか厳しい中で次に“本命”を仕留めたのは、この日が初のティップランと言う藤田直樹さん。初とは思えぬメリハリの利いたシャクリを続けていた結果、待望の“本命”を手にした。

夕マヅメがゴールデンタイム

午後船の納竿時間は17時45分。17時を過ぎると日も落ち始めてゴールデンタイムに突入する。ここで状況が変化。それまでの渋りが一変、アオリイカが急に元気になり、連続ヒットが続いた。都合5連続。締めは吉野さんの同行者、黒澤一徳さん。納竿1分前にこの日最大の“本命”を取り込んで終了。連日好釣果が続いていたが、この日は“悪い日”に当たってしまったようだ。それでも船首の村山さんは6杯、船尾の吉野さんも5杯を釣り上げていた。

いよいよ今後最盛期に突入
アオリイカは秋の深まりとともに徐々に深場へと移動していく。同時にひと潮毎にサイズも大きくなっていく。間もなくシーズン最盛期を迎える。視界は良好だ。出掛ける時には、幅広い重さ及びカラーのエギを準備して頂きたい。

今回利用した釣り船

千葉県富浦港『共栄丸』
〒299-2404 千葉県南房総市富浦町多田良880
TEL:090-7244-0460
定休日:なし 釣果・施設情報 共栄丸 ホームページ

出船データ

アオリイカ ティップラン乗合
料金:7,000円(氷付き)※午後船のみ
女性・子供割引あり
集合時間:13時00分(船着き場)
出船時間:13時30分頃、沖上がり:18時頃
※季節により変動あり(予約時確認のこと)
     
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