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大阪湾のタチウオが絶好調!船宿記録更新!

2018年12月01日公開

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今シーズン、不安定な釣果が続いていた大阪湾のタチウオ。最近になってようやく“良い声”が聞こえてきたとの情報が!「これはタチウオの乱舞が見れるかも!」。期待を胸に、泉佐野市・北中通漁港『上(かみ)丸』に向かった。

活気あふれる港!

午前5時30分集合、6時出船。定刻より少し前に到着すると『上丸』の駐車スペースに停めてある車の数に驚いた。出船場所では佳世船長が受け付けをしている。この受け付け時に乗船代金を支払い、乗船名簿へ記入、釣り座を決めていく。この日は平日にも拘らず21人が乗船した。そして村上利行船長が煌々と輝く「上丸」を乗船場所へ接岸。まだ夜が明けきらぬ6時、定刻通りに出船した。

いきなりのヒット連発!
ポイントの淡路沖までは小1時間。綺麗な朝日を拝みながらのクルージング。水深100m、タチウオの反応は60~70m付近に出ている。着底したテンヤを30~40m程巻き上げながらアタリを取っていくのだが、電動リールでも手巻きでもデッドスローの“ただ巻き”が基本。間もなく船中のあちらこちらでヒット!好調な滑り出しにホッとしたが、アタリが止まる雰囲気は無い。サイズは1mクラスを中心に、大きくて115cm(指5本)といったところ。ドラゴン級の姿は見えない。とはいえ食べ頃サイズのタチウオが入れ食いというのは見てて気持ちが良い。いきなり妄想していたタチウオの乱舞に遭遇できたわけだ。

タチウオへの探究心とテンヤ

「上丸」では、テンヤは40号・シングルフックのみ、ワイヤーリーダーは禁止、16号くらいであればナイロン・フロロのどちらでも良い。また、道糸はPE3号を150m以上巻いておかないと、深いポイントでは対応出来ない。そしてタチウオの他にもサワラ・サゴシ等も回遊しており、高切れの可能性もあるので予備は必要だ。また、「上丸」が監修しているテンヤがあるのだが、少し変わった形のテンヤは食わせ重視という事でやや小振り。餌となるイワシの頭を落としてテンヤにセットするのだが、この日はメーカーの方もテスト釣行で乗船していた。“猛追テンヤ”と呼ばれるそのテンヤ、合わせ方も独特だ。通常のテンヤだと“合わせ”をいかに決めるか―という事を重点的に、フォール中、食い上げなど、その時の環境にどうアジャストさせられるか、という事になるのだが、このテンヤは読んで字の如く“追わせるテンヤ”。そしてアタリがあると“巻合わせ”でタチウオに掛けていくというスタイル。そのような説明をしてくださったのはメーカーの櫻井亮太さん。そして至る所で竿が曲がる中、櫻井さんも説明通りの“巻合わせ”でタチウオを掛けていくのだが、そのペースが他の釣り人に比べて倍ほどのペース。ちなみに通常のテンヤだと「疑わしきは全て合わせて巻け!」となるので、合わせを入れた後は餌のチェックも含め、ひとまず回収した方が良い。意外と掛かっている事も多く、回収途中で暴れ出すこともあるので侮れない。

少し食いが落ちてきた。そんな時は!
タチウオは、アタリがいつ止まるか分からないターゲット、そのため村上船長は手返しを良くするようにとアナウンスしていた。そして1時間半程経った頃、アタリがやや遠のいてきたのだが、ここで船長のアドバイスが聞こえた。「アタリが減ってくればデッドスローの“タダ巻き”はそのままで、その中で2、3回シェイクするようにアクションを付けると効果的ですよ」。更にアクションは2、3回のシェイクだけにとどまらず色々やった方が良いそうだが、出来る出来ないは釣り人のスキルにも左右される為、巻き上げスピードも変化させつつ色々試せば、誘いのバリエーションも増えるだろう。そしてアクションを加えた“タダ巻きデッドスロー”に変えた釣り人たちの竿は再び曲がり出し、テクニックを駆使した釣りも相まって、難しくも面白い釣りへとシフトしていった。

 

ターゲットはドラゴン級へ!

ここまで釣れれば良型を夢見ていく事になるが、どちらかというと数を釣り、その中から良型を引っ張り出した方が良さそう。アタリやヒットは多いが、その分バラシも多発していた。そして日は昇り、通常ならアタリが遠のいてもおかしくない時間帯に差しかかるが、時折、船長も竿を出し、タチウオの動きを読んでいく。その間は佳世船長が操船しており、抜け目が無い。しかし状況が少し変わったのか、テンヤのロストが目立ち出した。船長曰く「ドラゴン級のタチウオは必然的に食う勢いも大きくなり、食い上げ的なアタリになる事もしばしば。そのような時に躊躇していると、いとも簡単にラインを切られる」そうだ。

ドラゴンパワー恐るべし!

ここで私も竿を出した。早速テンヤ仕掛けを落としたが、この頃から二枚潮がキツくなり、船長から「テンヤを投げてオマツリを回避して」と指示が出された。私がデッドスローのタダ巻きでヒットしたのはアベレージより小振りのタチウオ。周りから見ればさほどでもないサイズであるが、私にとっては嬉しい1匹目である。そして次の1匹を見るべく、今度は誘いのアクションを入れながら釣ってみた。すると誘いの直後にテンヤの重みが無くなる“食い上げ”のようなアタリが出たのだが、合わせのタイミングが遅く、気付けばテンヤをロストしていた。テンヤをロストしつつも、3匹目、4匹目と釣れる中、今度は合わせが決まったと思った瞬間に感じる結構な重量感。「デカイぞ!」という声を聞いた矢先、強烈な締込みにラインブレイク。バラしたショックよりも、強烈な締込みを味わえた喜びの方が大きかった。

束釣り達成!

ヒートアップしっ放しの船内だったが、数釣りの方でヒートアップしている釣り人がいた。櫻井さんだ。この日は1日釣りで、沖上がり予定は午後3時。時計は1時半。この時点で櫻井さんの釣果は85匹程。「上丸」でも束釣り(100匹以上)は未だ出ておらず、周囲の注目を浴びていた。周りでも40~50匹の釣果が出ており、次々とクーラーボックスが満タンになっていく中、釣りを終了する人もチラホラ。そして最後のひと流しで101匹目のタチウオを釣り上げた櫻井さんも安堵の表情。船全体でも10束(1000匹)を超える釣果となり、達成感に満ち溢れながらウミネコに見送られて沖上がりした。

食べて美味しいタチウオ!
そして帰り際、櫻井さんと船長にお気に入りの調理方法を聞いてみたところ、櫻井さんは炙り、村上船長は塩焼きだった。帰宅した私は、刺し身、炙り、塩焼きと、タチウオを堪能した。また、小型のタチウオや良型の尾に近い部分を3枚におろし、しゃぶしゃぶにしてみた。これが思いのほか絶品で、塩焼きにするには細い部分がしゃぶしゃぶには丁度良く、口の中でとろける食感は病みつきになった。また余った刺し身は、残った身と一緒に弱火で炒り、マイブームであるフレークを作ってみた。味付けは塩少々に醤油をお好みの味になるまで足すという簡単なものだが、混ぜご飯やおにぎり、食べる際にもう一度炒ればお茶漬けにも良く、大量消費しやすい一品。釣って楽しく、食べて美味しい大阪湾のタチウオ。今まさに旬である。

今回利用した釣り船

大阪府北中通漁港『上丸』
〒598-0061大阪府泉佐野市住吉町(食品コンビナート内)
TEL:090-8383-6633
定休日:元日と海の日 釣果・施設情報 上丸 ホームページ

出船データ

完全予約制 乗合船タチウオ1日便
料金:1万円(餌・氷付き)※女性・子供は2,000円引き
ポイントカードあり
レンタルタックルあり
無料駐車スペースあり
チャーター便もあり※要問い合わせ
<交通>
車は阪神高速4号湾岸線泉佐野北IC降りて、住吉町の信号を右折、すぐの信号を左折。右手に「おさかなはうす」を越してすぐに乗船場入口がある。 電車は南海本線「井原里駅」より泉佐野食品コンビナートに向かい、突きあたりを左折。右手に「おさかなはうす」を越してすぐに乗船場入口がある。
     
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