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茨城県・日立沖に“抱卵沖メバル”の春が来た!

2019年03月15日公開

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当て字で「春告魚」とも書く春を代表する対象魚・メバル。中でも水深50~70mの沖合で釣れる沖メバル(ウスメバル、トゴットメバル等)は、体長30cm前後と型が良く、特にこの時期は産卵を控えた豊満な個体が、サビキ仕掛けでゾロゾロ釣れるのが魅力だ。「最大37cm、竿頭42匹」との釣果情報に心躍らせ、茨城県・日立久慈港『明進丸』に出掛けた。

意外と近い日立久慈港

「明進丸」が停泊する日立久慈港は、都心から車で1時間40~50分。渋滞が少なく、道幅も広くて走り易い常磐自動車道・日立南太田ICから10分とアクセス良好。走行距離の割には近く感じられる筈だ。船着場まで車で入って荷物を降ろし、港入り口にある広い駐車場へ車を移動する。集合は午前5時。船に灯りが点き、船長が乗船人数分の釣り座を準備してくれる。この間に釣り人たちは乗船名簿の記入。その後、トラックの荷台でクーラーに氷を詰めて、船長の指示に従って予約順の乗船となる。早春の夜明け前は寒さも和らぎ、暖冬の影響も手伝って随分楽になった。のんびりムードだが手際良く出船準備は整い、定刻の5時30分に「明進丸」は出船した。

いきなり4点掛けからスタート!

取材日は前夜の風でウネリが残り、1時間ほど掛かって日立沖のポイントに到着。暫く魚群探知機で群れを捜し、船長の「ハイやってください。56m(水深)」の合図でこの日の釣りはスタートした。程なくして左舷トモ(船尾)の倉内さん(さいたま市)に船中初ヒット。取り込まれたのは抱卵中の良型で、しかも4点掛け。サビキ仕掛けの一番下にイワシを1匹掛けしていた倉内さん。その餌に食った魚は惜しくもハリス切れで逃したが、この海域のポテンシャルを推し量るには充分な滑り出し。この後もあちらこちらの釣り座でアタリが出て、2点掛け、3点掛けで抱卵した良型が取り込まれた。メバル以外の“ゲスト”を狙ってイソメやイカなど“特餌”を持ち込む釣り人も多く、仕掛けの一番下に付けたり、船で配られるサバの切身と交互に付けたりして釣果を挙げていた。

 

仕掛けを安定させると、魚信が…!

この日は潮が速く、ウネリも高いため追い食いさせるのが殊のほか難しかった。仕掛けを出来得る限り安定させて、魚群の中に留める工夫が釣果アップへと繋がったようだ。なお『明進丸』では「ハリ数は7本まで」というレギュレーションを設けている。サバの群れに掴まるとハリ数全てに魚が付く(しかも大型の“寒サバ”が来る)ので、これ以上は手に負えなくなる。資源保護としては勿論、オマツリ防止や手返しアップのためにも遵守したい。仕掛けについてはチモトの加工と言い、絡み難さと言い、船宿オリジナル仕掛け(700円)がとにかくバランス良く完成しているので、船でこれを購入することをお薦めしたい。

船長に訊く、沖メバル釣りのコツ

沖メバル釣りのコツについて、関裕二船長に訊いた。「沖メバルは口が弱いから、あんまり早く上げ過ぎないようにね。アタリが出てから1分から2分くらい追い食いを待つ。メバルは上を向いてるから、1匹掛かったらちょっとリールを巻いて暴れさせると、他のハリが動いて誘いになる。今日みたいに潮が速い時は、追い食いを待たず手返しを良くしてやった方が良いですね」とのこと。この見極めは2流しほど見ていると分かるので、数釣りの基本として覚えておきたい。釣れてくる沖メバルは押し並べて30cm以上と型が良く、“ゲスト”も1kg以上ある大型のマサバやホウボウ、イナダやソイが釣れるので、道糸や竿はある程度パワーのある物を選びたい。長竿派はマダイ竿やワラサ竿、手持ち派は昨今流行りの軽量なヒラメ竿が好適だ。

“抱卵沖メバル”の春は来た!

この日の竿頭は沖メバル23匹を釣った永井さん(那珂市)。奥さんは18匹を釣って2番手とワンツーフィニッシュを飾った。「ウネリ」、「速い潮」、「食いが浅い」と三拍子揃った日の取材となったが、2人の釣果で50リットルのクーラーボックスは満タン。型の良さと魚影の濃さをご理解頂けるだろうか。この日見た多点掛けの最高は6点。数珠つなぎにズラズラと釣れる光景をカメラに収めることは出来なかったが、このお楽しみは是非、みなさんの釣行で。今年は入りが遅れ、4月後半まで楽しめる模様の沖メバル。定番の“煮付け”や“塩焼き”は勿論、“清蒸”や“カルパッチョ”も乙な味。沢山釣って、早春の慶びを存分にご賞味頂きたい。

今回利用した釣り船

茨城県日立久慈港『明進丸』
〒319-1222 茨城県日立市久慈町1-2-2
TEL:090-2276-8806
定休日:第3月曜日 釣果・施設情報 明進丸 ホームページ

出船データ

沖メバル乗合(予約制)
集合時間:午前5時
出船時間:午前5時30分
乗船料金:10,000円(餌・氷・昼食付き)
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込むツリキチ。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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