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千葉県・銚子外川沖のヤリイカ、“パラソル級”交じりで好調!

2019年04月01日公開

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千葉県・銚子沖でヤリイカが好調に釣れている。通常、水深150~200mを狙う事が多いヤリイカだが、ここでは比較的浅場で大型が上がり、人気のエリアになっている。銚子外川港『福田丸』に出掛け、大型ヤリイカを狙った。

【この記事を書いたライター】山口 充

外川港まではアクセス様々

銚子外川港と言えばヒラメや根魚、近年では一つテンヤマダイなどでも有名な港。近くには昨年末オープンした名産品やお土産を買える複合商業施設『犬吠テラステラス』等の施設もあり、地域一帯で街や漁業を応援しているエリアである。東京方面からは東関東自動車道を経由する方法と京葉道路を使う方法がある。夜中はどちらもスムーズに走行できるが、帰路は時間や日並によって京葉道路の渋滞が激しい事が多いので注意。
午前4時出船なので午前3時前に外川港に到着。既に数人の釣り人が車で待機していた。予想以上に風が強く心配になるが、何とか出船して美味しい大型ヤリイカを手にしたいと目論んでいた。出発前夜にご近所さんと遭遇してしまい「ヤリイカ良いですね、美味しそう」と言われれば、お届けせざるを得まい。時間になり福田稔船長と女将さんが到着。「山口さん、お願いしますね」と確りと握手して頂き朝から嬉しい限り。

夜明けと共にスタート

定刻の午前4時に出船、銚子沖の釣り場までゆっくり船を進め、夜明けと共にスタートとなった。前日も良い釣果だったので、スタートから一気にスパートかと思いきや、「あれっ、触ったんだけどね」と、触りはあるものの乗ってくれない様子。そんな中、左舷で吉澤さんが良型ヤリイカを上げた。流石に銚子沖、いきなり“パラソル級”の大型だ。船中ポツリポツリと上がる展開。右舷大ドモ(船尾)の大久保さん、左舷のベテラン渡辺さんに聞いてみると「何杯も大きいの掛からないとね」と言っていたが、流石にベテラン、細かい触りを掴んで単発ながらもヤリイカを上げていた。暫くこの展開が続いたが、潮回り毎に少しずつバケツに良型ヤリイカが溜まっていった。釣り人達も「いい絵が撮れるといいね」と協力してくれて、渋いながらも楽しい雰囲気。今回は『福田丸』の女将、るみ子さんも乗船。見ていると流石と思わせる誘いでヤリイカを乗せていた。そして左舷の渡辺さんが良型のダブル。この頃から一瞬乗りが活発になり、あちらこちらで大型ヤリイカの強力な水鉄砲が上がり始めた。しかし、間もなく活性がダウンして船長はポイント変更を決断。「本当なら朝マヅメで沢山釣れちゃう予定だったんだけど」と船長。しかし、大型ヤリイカを見ただけで大興奮。次のポイントから私も竿を出した。

 

ダブルカンナかシングルカンナか?

ここで気になっていたのがイカヅノの「カンナ」の種類。「シングルカンナ」なのか「ダブルカンナ」なのかだ。この日、私は状況に合わせる為に様々な種類とシングル、ダブル2種類のカンナ、スッテを用意。常連さんを参考に組んでみる事にしていた。「ソフトに誘う」のがヤリイカの基本。東京湾、相模湾のヤリイカはシングルカンナがメインで、微妙な乗りに対応して渋い状況にも合わせるセットになっているが、愛知県や駿河湾、今回の銚子沖は活性が上がるとスルメイカ並みの乗りになる事も有り、ダブルカンナを使う場合も多い。一般的にはシングルカンナの動きが良く「乗りはシングル」、確実な1杯は「ダブル」と言う感じだが、ダブルで「触りが少ない物の確率が上がる」時と、シングルで「触りは多いもののバラシがある」と言った時に迷いが出る。しっかりと乗る様なら逆にシングルというパターンも考えられる。ここが楽しく勉強になる部分。当然最新のタックルだとその辺りの汎用性も高く引き出しが多い。一つ、このエリアのヤリイカは大型と言う点。胴長で45~50cmクラス、それ以上が上がる。このイカ、大きくなっても足の弱さは小型と余り変わらない。ここが勘所となる。

後半復活!!

私はシングルカンナをセット。大久保さんもダブルを一旦試したものの再びシングルに変更したのを見ていたので安心出来た。7本ツノに中オモリ10号と言うセットで投入。水深は約90m。少し斜めにラインが向きサミングしながら着底させる。一旦底を切って3m上げ、ソフトに再度着底。中オモリを使い2m仕掛け上部を一瞬沈めてゆっくり仕掛けを張って行くと“クンクン”と竿先にアタリ。巻き合わせしながら電動で巻き上げる。「乗った!」。慎重に巻き上げる。シングルカンナなので慎重に船の揺れにも合わせて竿をコントロール。無事ヤリイカを上げる事が出来た。再投入して同じパターンでヒット。ほぼ底付近にツノが這う様な感じにすると乗ってきて、2杯目を上げる。その後、バラシもあり「やっぱり渋いのかな」と思っていた後半戦。しかもラスト1時間でその時が来た。誘い上げてソフトに落とす基本的な操作でヒット。しかも誘いに反応するようになったのだ。「何が起こるかわかりませんね」と、皆さんダブル、トリプルで上げて来る。隣にいた佐々木さんも5点掛け、渡辺さんは6点掛け、大久保さんも3点、4点と多点掛けラッシュ。しかも型が良過ぎる。こうなると皆さん手返しが早く流石。ペースが上がった所で残念ながら時間切れとなってしまった。取材日の前日までの1週間で56~96杯というトップの釣果が続いていて、取材の後も50、60杯の釣果が続いている。船長は、「今年はヤリイカ多いです。まだまだ楽しめそうですよ」との事。是非外川銚子沖の大型ヤリイカに癒されてみては如何だろう。

今回利用した釣り船

千葉県外川港『福田丸』
〒288-0014 千葉県銚子市外川町1-10829
TEL:0479-22-5741
定休日:毎月第4木曜日 釣果・施設情報

出船データ

予約乗合(電話予約)
集合:3時
出船:4時00分
沖上がり:11時30分
料金:1万2,000円(氷付き)、女性・子供(小学生以下) 6,000円
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

山口 充
プロアングラーとしてテレビ出演、企画、撮影、雑誌執筆やカメラマンをこなしながら「旅と釣り」をテーマに日本中を釣り歩く。公益財団法人日本釣振興会神奈川県支部長・普及振興委員会。2016年JGFA・MVPアングラーズアワード受賞。伝統の和竿「横浜竿」を使い、2020年IGFAタチウオ世界記録を獲得。
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