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静岡県・清水港発のタイラバ、乗っ込みマダイ本番!今がチャンス!

2019年05月15日公開

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「乗っ込み」。本来は魚が産卵のために浅場へと群れで移動することを指す“釣り用語”だが、沖釣りファンにとってこの言葉の枕詞と言えば、その対象はマダイに他ならない。令和最初の“乗っ込みマダイ”の模様を、静岡県・清水港『ZEST号』からレポートしよう。

意外と近いぞ、清水港!

静岡県・清水港へは、都心からでも車で2時間半掛からずに到着出来る。「ZEST号」が停泊するのは、東名高速道路・清水ICから20分程の新折戸係留所。船宿HPに写真付きの丁寧な道案内があるので、方向音痴な小生でも難なく到着。集合場所の駐車スペースで乗船料を支払い、氷をクーラーに詰める。船長の案内で乗船し、乗船名簿を記入して、準備が整い次第の出船となる。3月から「ZEST2」という2回り大きな新造船がお目見えし、2隻体制となった『ZEST号』。AからDまであるバース(停泊場)のうち、これまでの「ZEST号(1号)」はCバースに係留されていたが、新艇はDバースに係留されていて、取材日はこちらから出船。常連さん4人、ビギナー4人の計8人を乗せて、「ZEST2」は午前6時10分に出船した。

開始10分後には良型が!

ウネリはやや高いものの、たくさんの海鳥や明確な潮目など、釣り人としては気分の盛り上がる光景に出くわしたが、この日は残念ながら有望な魚群に出会えず、キャスティングゲームは断念。30分ほど走って水深85~90mの釣り場でのタイラバからスタートした。開始後間もなく、着底から巻上げ直後にマダイ特有の魚信をモノにしたのは小川さん(横浜市)。オレンジ色の150gヘッドに赤ラバー&ネクタイのベーシックな組み合わせが見事的中。海面を割ったのは2kg後半の良型。幸先の良い魚に船中のボルテージはあがったが、実はこのグッドサイズが、まだまだ序の口だったとは誰が想像できただろうか。

「ZEST2」はゴキゲン装備満載!
今回乗船した新艇の「ZEST2」は、タイラバの定員8人が片舷に並んでもスペースゆったり。あれこれと道具を持ち込みたくなるボートゲームにあって、竿立ても充分数あってすこぶる快適。操船室の前方には横になれるキャビン(船室)も有るので万一の船酔いも安心だ。トイレも独立型の水洗式で、真水の出る手洗い水栓まで付いている充実振り。女性アングラーにもお勧め出来る親切設計と言えるだろう。またミヨシ(船首)のキャスティングデッキも充分なスペースがあって、取材日の海上は高めのウネリがあったものの安定感抜群。これまでルアー船で「こういうものだ」、「仕方ない」と我慢していた一つひとつが解消されているのは嬉しい。釣れた魚は船長が血抜きしてクーラーへ入れてくれるので、釣りに集中できるのも特筆。さらに、希望者には釣り人としてもエキスパートの船長が個別にレクチャーしてくれるので「これから沖釣りを始めたい」、「海のルアーフィッシングは初めて」という釣り人にも安心だ。ビギナーであることは決して恥ずかしいことではないので、予約時と乗船時に申告することをお薦めしたい。

 

4kg級が2人のアングラーに!

海はラフだが魚の反応は良く、上がるマダイは2~3kg級が当たり前に感じられるほど型が良かったこの日。10時近くなって海は穏やかになり、アタリも取りやすくなった頃、「タイラバは2回目、マダイはまだ獲ったことがない」と言う松本さん(焼津市)に待望のヒット。重量感のある引き込みに期待の目が注がれる中、取り込まれたのは70cmジャスト、4kgの大ダイ。ほどなくして、160gのメタルジグをシャクっていた安沢さん(八王子市)にも猛烈な走りを見せる魚が。道糸を巻いては引き出されるスリリングなファイトの末に浮かび上がったのは、またしても70cm級、婚姻色で黒ずんだナイスフィッシュ。魚の反応を見て、タイラバからフォール主体のジギングにタックルを持ち替えた安沢さん。自己記録を塗り替えた魚に喜びも一入だ。

船長お薦めの4タックルはコレ!

「ZEST号」では、タックルさえ持ち込めば様々な釣法で様々な魚種を釣ることが出来る。取材後日にはサワラが活発化。キャスティングゲームが盛り上がったとのこと。杉山彰浩大船長と代悟船長お薦めのタックル(4セット)を訊いて来たので、釣行の参考にして頂きたい。
まずはメインとなる「タイラバ用タックル」。90mより深場を攻めたり、潮の速い時もあるので150gを中心に200gも持っておきたい。また、水深30m前後の浅場用に「キャスティングタイラバ用タックル」。サワラや本ガツオを対象魚とした「キャスティングタックル」。そして、今回大ダイを仕留めた「ジギングタックル」。これで一通りの釣りをすることができるのだが、細かい事を言い出せばいずれも幅のあるジャンルなので、判断しかねる場合は手持ちのタックルを全て持参して、乗船前に船長と相談するのが得策だろう。

乗っ込み本番、今がチャンス!

かくして、船酔いをした釣り人が多く、船中12匹と全体数は伸びなかったものの、上がる魚は良型揃いだったこの日。竿頭はマダイ4匹に加え、アマダイなど多彩な釣果を上げた大島さん(静岡市)。やはり経験者には分がある物の、ビギナーにも充分大物のチャンスがある駿河湾のタイラバゲーム。魚影が濃いのでアタリも多く、練習には持って来いのフィールドだ。待ちに待った乗っ込みの好機。マダイの自己記録更新を目指すなら、ちょっと遠出をしても清水港『ZEST号』が近道になるかも知れない。

今回利用した釣り船

静岡県 清水港(新折戸係留所) 『ZEST号』
〒424-0902 静岡県静岡市清水区折戸314-19Cバース
TEL:090-1621-3948
定休日:なし 釣果・施設情報 ZEST号 ホームページ

出船データ

タイラバ乗合(予約制)
集合時間:午前5時30分~6時まで(出船前日、18時までに電話確認を)
出船時間:集まり次第出船
乗船料金:1万円(氷付き)
レンタルタックル:2,000円(ルアーは各自用意のこと)
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込むツリキチ。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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