オフショアマガジン

2019年6月15日号

静岡県・御前崎沖のタイラバ最盛期突入!竿頭10匹!!

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「“タイラバ”が苦手」と口にする釣り人は意外と多い。実は小生も数あるマダイ釣法の中で唯一、掴み所の無い印象を持っていたタイラバの釣り。その苦手意識が過去のモノとなった、御前崎港『華丸(はなまる)』での釣りをレポートしよう。

御前崎へ“プチ遠征”の武者修行!

静岡県・御前崎港は、東名高速・相良牧之原ICからバイパスで20分少々。車なら都心から3時間ほどで到着するのだが、道程のほとんどが自動車専用道なので、走行距離の割に近く感じられる筈だ。通常の船着場は、カツオのモニュメントが目印の『御前崎魚市場』と、海上保安庁の巡視船との丁度中間辺り(詳しくは情報ページの「アクセス」参照)。取材日は風が強かったため、風裏となる市場寄りに着岸した。当日は予約で満席となっていたが、海が荒れる予報が出ていたため船酔いを危惧した5人がキャンセル。大型船に釣り人3人と言うゆとりの釣り座で5時30分、「華丸」は女将と愛犬マロンに見送られて遠州灘へと出船した。

集合時間になると駐車場近くに着岸する
荷物を積み込み、乗船名簿に記入
曇天の時化模様、期待を胸に出船!

開始早々、大物がヒット!

やや高いウネリの波間を走ること30分弱で尾高沖に到着。潮はさほど速くなく、笹濁りのような水色。雲が低く垂れ込み、釣れそうな雰囲気は満点。最初に竿を曲げたのは常連の杉本さん(掛川市)。ハリ掛かりすると猛烈にドラグを鳴らして走り出した魚は、遂に止まること無くラインブレイク。根に走ったか、背ビレで擦れたか、ささくれ立ったリーダーが海面下の激闘を物語っていた。取材前日に77cm、79cmの大物が上がっていただけに、悔しくも目の覚める一幕だった。それから間もなく、船中最初のマダイを上げたのは、紅一点の上村さん(浜松市)。この後も派手さは無いがアタリは多く、“ゲスト”フィッシュも交じりながら釣果は伸びていった。

船中一番手は紅一点の上村さん!
杉本さんも気を取り直して本命GET
産卵から回復し、体色の美しい個体

アタリが多い=色々試せる、理解が深まる!

午前8時。船長は岸近くへと舳先を向けた。水深20m前後で鳥が多いこの海域、兎に角アタリが多いポイント。タイラバを落とせば何らかの反応が必ずある。釣れてくる魚はチャリコだったり1kgアップだったり、良型だったりと様々だが、例えば食い込まないアタリが続く時、思い切って合わせてみるのが得策なのか、ネクタイやトレーラーの色を変えるとどうなのか、巻きスピードを速くするとどうなのか…と、様々なことが試せるのが面白い。これまで何年費やしても見えてこなかった事象が、魚影が濃く、魚が健全(スレてない)というだけで、こんなに明確にパターンを絞り込めるようになるのは驚きだった。

海鳥の乱舞にテンションUP!
【動画】最盛期突入!タイラバゲーム

何から何まで船長がサポート

この日、大いに活躍した常連の上村さん。『華丸』の魅力を尋ねると「シケでも船を出してくれるところと、船長が優しく面倒見てくれるところ」とのこと。取材日も海が荒れる予報で少人数にはなったが果敢に出船。結果的には予報が外れてナギ模様となり、釣果にも恵まれた。また、タモのアシストやオマツリ解きは勿論、血抜きや神経締めもやってくれる。またリリース時には、お腹の膨らんだ魚のガス抜きまで船長がしてくれる。頼めばドラグ調整やタイラバのセレクトまで相談に乗ってくれるので、これからタイラバを始めたい方々も安心だ。上級者アングラーには上級者向けの手引きやアドバイスがあるのも、周年マダイを追いかけてきたキャリアの為せる技。釣り座が空いていれば船長も竿を出して海中の様子を見ているので、リトリーブスピード(リールを巻く速さ)やレンジ(タイラバを巻き上げ、落とす水深や泳層)を見て、この釣りの勘所を習得するのもお薦めだ。

船長が一対一で手引きする
血抜きや神経締めも非常に丁寧
小さな個体は海へ返す不文律が自然に

美味しい“ゲスト・フィッシュ”たち

「タイラバ」と言うだけに本来の対象魚はマダイなのだが、その他に釣れてくる魚たちも美味しい高級魚ばかり。体色も美しいが煮付けたり唐揚げにすると食味も麗しいアヤメカサゴ。浅場でタイラバの軟調竿に掛かると、そのファイトも圧巻のヒラメ。これから釣り物としての旬を迎えるイサキも、ジャンボサイズがお目見えした。西日本では「冬のフグに夏のアコウ」という旨いもの談義があるが、トラフグとキジハタの両方が釣れたのは、この海域の豊かさを物語るには充分だろう。同じタックル、同じ釣り場で、これだけ多彩な釣果を得られるのはタイラバならでは。帰りの道中「あの魚はこう食べよう、あの魚はどう食べようか」とあれこれ考えるのも楽しみのひとつだ。

放射状の模様が特徴的なアヤメカサゴ
タイラバで釣ると釣味も素晴らしいヒラメ
こんな良型のイサキも!
なんとトラフグまで!
ちょうど今が旬のキジハタ
タイラバでクーラーが高級魚の宝石箱に!

船長に訊いてみた

遠州灘のタイラバで押さえておくべきポイントを植田卓巳船長に訊いた。「ネクタイはイワシが居たら黒、ベイトが甲殻類ならオレンジが面白いと思います。これからの季節はマダイがシャローに入ってくるのでヘッドは60gから80g。100gまであれば対応出来るかな。リーダーは4号だと細い。御前崎には大きいのが居るでしょ。リーダーを太くしても(食いには)全然関係ない。世間よりワンランク太い糸でやって欲しい」とのこと。水深の浅い釣り場ほど根(海底の障害物)が厳しいので、太糸で強気のファイトを心掛けたい。またスカートの色については、基本の“赤”や“オレンジ”に加えて“黒”は本当に必携。取材日は“透明感のあるピンク”や“スカッパノン”“グリーンパンプキン”のように微妙な色合いとの組み合わせが功を奏したが、このような“ご当地カラー”は2度目以降の釣行で意識するのが得策と見受けられた。まずは使い慣れたいつものタックルに、糸だけは太めに巻き替えてのチャレンジがお薦めだ。

親切でフレンドリーな女将と植田船長
“基本色+微妙な色合い”に好反応だった
仕掛け図

最盛期突入、タイラバをやるなら今!

「今年はいい感じ」と船長も太鼓判を押す御前崎のタイラバゲーム。この日の竿頭は65cmを頭にマダイ10尾を釣って見事“ツ抜け”を達成した杉本さん。「シャロー(浅場)は魚が走るから面白い」と元気なマダイたちとのファイトを満喫していた。「潮さえ動いて、風が吹けば魚をキャッチ出来る。御前崎では何よりシケが良い」と船長。必要以上に潮回りを気にしたり、荒天に怯むことなく、遠州灘のダイナミックでスリリングな釣りをお楽しみ頂きたい。産卵後の疲れから回復して、浅場でバクバクの好釣も夢ではないこの季節。タイラバの入門者には勿論、自己記録更新を目指すエキスパートアングラーにも、遠州御前崎港の『華丸』をお薦めしたい。

竿頭の杉本さんは“ツ抜け”達成!
取材前日に出た79cm(船長撮影)
取材後日に出た73cm(船長撮影)
探見丸スマート対応
エアコン付きで快適なキャビン
タイラバの面白さと奥深さを実感した

釣りビジョンAPC・川添法臣

今回利用した釣り船

静岡県 御前崎港 『華丸』
〒437-1621 静岡県御前崎市御前崎3431
TEL:090-3553-1208
定休日:なし
釣果・施設情報 華丸 ホームページ

出船データ

タイラバ乗合(予約制)
集合時間:午前5時(季節により変動アリ、予約時に確認を)
出船時間:午前5時30分(同上)
乗船料金:1万1,000円(氷付き)
レンタルタックル:2,000円(予約時に確認を)

その他の記事

※料金等は取材当時のものとなります。出船時間や料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては釣り船までお問い合わせください。