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相模湾で手軽に深場の高級魚、今期は良型キンメダイで大興奮!

2020年03月15日公開

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近年タックルの小型化軽量化で深場釣りの人気が急上昇。何と言っても手軽に乗合船から高級魚が狙えるのは嬉しい。“根魚五目”という釣り物名でキンメダイを始めクロムツ、アカムツ、メダイなど様々な魚が釣れて来るのも魅力的だ。今回は葉山あぶずり港『愛正丸』から人気の“深場五目船”の模様をレポート。

【この記事を書いたライター】山口 充

アクセス

横浜横須賀道路・逗子ICから逗葉新道経由でR134号の「長柄交差点」を直進、「渚橋交差点」を左折「鐙摺葉山港入口」の信号を右折すれば葉山港に着く。駐車場で、乗船する『愛正丸』と、釣り物を伝えると停める場所を案内してくれる。今回は受け付け場所が『愛正丸』の隣にある『まさみ丸』で受け付けになっていた。

タックル

竿は2.1m前後の深場用。様々なタイプが有るが、グラス総巻きなど6対4か5対5の調子が主流。リールはPE8号600m以上巻ける大型電動リール、仕掛けは幹糸16~18号フロロカーボン、枝間隔160~170cm。枝バリ10~12号フロロカーボン、長さ60~70cm。ハリ・ムツ17号を5~10本バリ、オモリ300~400号。仕掛けや替えバリのストックは多めに持参した方が良い。船宿でも貸し竿、仕掛けは販売している。(船宿仕掛けの料金は下欄の「出船データ」参照)。

 

常連さんの様々なアイテム

午前5時30分集合で乗船の受け付けが始まる。船長の佐伯鶴三さんに状況を聞いて見ると「潮次第ですね。速いと苦戦する事もありますが。魚は多いです」との事。常連さん達も準備を開始。見ていると様々なパターンで餌を付けているのが印象的。ハリ数も様々。サバの切り身が基本的な餌になるが鈴木さんは餌に色を付けて光によるアピールを落としていた。「サバが多くて落下の途中で掛かってしまうんです。少しアピールを落としてサバ除けにしています」との事。また中には、ワーム状のカットベイトをハリ間に入れていたりと思い思いのセッティングになって居た。竿には道糸が絡まない様に洗濯バサミを付けて落下の勢いで外れる様になって居たり、マグネットを船縁に付けてハリを止めたりと、深場ならではのアイテムも面白く、参考になる部分だ。「潮次第なんだけど、大きいキンメも出てるからね」と、左舷トモ(船尾)に座った滝沢さん。楽しみにしながら午前6時30分、朝焼けの富士山を見ながら出船した。

潮が速い

航程1時間程で沖の瀬のポイントに到着。「餌を付けて準備していてください」と船長からアナウンス。魚探反応を見てから仕掛け投入ポイントを決めるのがこの釣り独特の操船で、仕掛けが反応の上に来るようにする。水深が深く潮も速いので仕掛けが斜めに入るが、船長の計算で船の位置をずらしてから投入のアナウンスが出る。「ミヨシ(船首)の人、入れてください」のアナウンスに、左舷の川島さん、右舷の加藤さんが投入。暫くして隣の鈴木さんが投入と順番に仕掛けが入れられていく。水深は420m。その後、浅くなるポイントの様だ。糸フケが出るので底立ちを取る時には480m前後道糸が出されるが注意して底立ちを取り直す。すると右舷トモの竹内さんにアタリ。「来たね。多分これは“本命”だよ。でも、付いてないハリに上げて来る時サバが掛かっちゃうんだ」と心配そう。合図が有って巻き取り開始。100m巻いた時点では「キンメの引き」。そこから引きが強くなって来た。巻き取りから数分上げて来ると「タモ!」という声が掛かり、見事に船中1匹目のキンメダイが上がった。他の人達は見事なサイズのサバを上げる。今期のサバは丸々太ったモノが多く、これはこれで良い“ゲスト”。「深い所のサバは脂が乗ってて本当に美味しいですよ」と船長が話してくれた。

ダブルでヒット

数回潮周し。投入しながらポイントを探ると、再び竹内さんにヒット、右舷ミヨシ2番目の鈴木さんにもアタリ、3番目大堀さん、4番目滝沢さんとアタリが続いた。いよいよ合図が出て巻き取り開始。「いい引きだ」と鈴木さん。巻き取り時もラインの向きに注意してコントロールをする。まずは鈴木さん。海面を見ていると青白い光。「キンメ付いてるよ」と上がって来たのはキンメダイのダブル、更に良型クロムツがついていた。隣の大堀さんもキンメダイダブル、滝沢さんもキンメダイを上げる事が出来た。「潮さえ良くてサバが邪魔しないと居るんですよ」と鈴木さん。潮周りで再投入したが“サバラッシュ”でポイント移動。その際に皆さんサバを下処理したりしていた。暫く移動して、今度は340mから深く落ちて行くポイント。潮の流れで仕掛けの向きを調整する。深いポイントを熟知している船長。投入から5分程でオモリが底に。すると加藤さんにアタリ。川島さんにもアタリが来た。面白いのは前半浅くなって行くポイントと、後半深くなるポイントでは最初に当たる釣り座が変わる事。仕掛けが上がってくると、加藤さんはキンメダイダブル、そして川島さんにはクロムツがついていた。ポツリポツリとキンメダイが上がる。上げて来る時、仕掛けがアクションしてしまいサバの猛攻を受ける。最後に城ヶ島沖に変更して再スタート。アカムツも出るらしく常連さんの中には一番下のハリのハリスを長くしている人も。アタリが出て「何かな」と巻き取り開始。すると、オキギス、メダイ、クロムツ、ユメカサゴと何とも賑やかだ。数回投入した所で午後2時30分の沖上がりの時間を迎えた。キンメダイのトップは7匹だったが、「1.6kgと言うのも先日出たんです。良い時は30匹位上がるんですよ」と常連の鈴木さん。様々な魚が釣れて来る“深場五目”は楽しい釣り。「美味しい高級魚」を狙ってみては如何だろうか。

今回利用した釣り船

神奈川県 葉山あぶずり港 『愛正丸』
〒240-0112 神奈川県三浦郡葉山町堀内50 鐙摺港内
TEL:090-3683-0914
定休日:第1・3・5木曜日 釣果・施設情報 愛正丸 ホームページ

出船データ

■根魚五目乗合船
乗合料金:1万2,000円(予約制)
レンタルタックル1,000円、(竿、電動リール、マグネット、ロッドキーパーのセット)、錘 300号900円、仕掛け5本バリ800円、7本バリ1,000円
(ネット割り、女性割り、子供割、各種優待券利用可。LINEお友達登録でクーポン利用可。3人より出船。)各種割引あり
集合:午前5時30分 出船:午前6時30分 午後3時頃帰港
駐車場:無料 貸し道具:あり(1,000円)
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

山口 充
プロアングラーとしてテレビ出演、企画、撮影、雑誌執筆やカメラマンをこなしながら「旅と釣り」をテーマに日本中を釣り歩く。公益財団法人日本釣振興会神奈川県支部長・普及振興委員会。2016年JGFA・MVPアングラーズアワード受賞。伝統の和竿「横浜竿」を使い、2020年IGFAタチウオ世界記録を獲得。
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