釣りビジョン

東京湾口付近でワラサ・イナダが入れ食いモード!!

2020年11月16日公開

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ブリは、“出世魚”の代表格、関東地区では、ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリと呼び名が変わる。晩秋を迎え、東京湾付近イナダ級中心にワラサ交じりで絶好調になって来た。神奈川県逗子市・小坪港の『太郎丸』の乗合船でも連日入れ食いモードが続いている。

【この記事を書いたライター】山口 充

アクセス

小坪港は観光地の雰囲気満点で横浜からのアクセスも容易。東京方面からだと第三京浜又は首都高速横羽線から横浜新道に入り横浜横須賀道路を横須賀方面へ。朝比奈IC降り、一般道を約30分だ。又は逗子ICから約25分。駐車場も広くて便利。駐車ポイントが決まって居るので確認して駐車しよう。

タックル

『太郎丸』では状況によって「落とし込み」と「ウィリー」の2つの釣り方で狙っている。イワシ、小アジ等の“ベイトフィッシュ”が多い場合は、落とし込みサビキ仕掛けで狙う。少ない場合は、コマセを使ったウィリー仕掛けを使うと言うわけだ。中型電動リールに道糸PE4号前後。竿は2.4~2.7m。オモリは100号が基準。天ビンの場合はアーム40cmで太さは“青物”用。ゴムクッション2.5~3㎜、30cm。2本バリで1本がカラバリ。ハリスはフロロカーボン4号、2.5~3m。餌は細目のイカの短冊。貸し道具も完備しているので迷ったら借りるのも手だ。

 

ビギナーでも安心

5時半頃、船が着いて受け付けが開始された。午前6時には集合、集まり次第出船となる。この時期、日の出を見るのも楽しみで、空の色が変化して行くのは幻想的だ。釣り座やバケツ、タオル等が釣り座に用意されていて、釣り人にとってはバタバタする時間帯だけに嬉しい。高橋良至船長から「山口さんも釣りして下さいよ」と嬉しいお誘い。撮影の合間に楽しんでみる事に。とは言え、道具は全く用意していなかったので、貸し道具一式を利用した。「これならクーラーだけで大丈夫!」と言う位、電動リール付き貸し道具は完璧で、友人を誘いグループでの釣行や、ファミリーでも「チャレンジしたいけれど道具が…」と言う人にも安心だ。ルアーで狙うアングラーも乗船可能と言う事で左舷ミヨシ(船首)に野村さん。左舷大ドモ(船尾)には餌釣りの島埼さん、胴の間(中央)に上乗りさん2人と私という釣り座。仕掛けの準備をしていると今回は天ビン仕掛けで狙う様子。「ベイトの反応が少ないので、今回は天ビンで狙いますね」と船長。午前6時過ぎ、朝焼けの中、出船した。

今回はウィリーで狙ったが、落とし込みも楽しみ

船はゆっくり進んで航程15分でポイントに到着。ウィリー仕掛けの2本バリに細く切った長目のイカタンを装着。コマセを詰めて船長の合図を待つ。反応が見つかりスタート。「水深は30m、17m位迄誘い上げて来てください」とアナウンス。コマセの撒き方は、一旦ビシを着底させ、3m上げてから、テンポ良く1,2m竿を振り上げてコマセを撒く。これを2、3回行い一旦停止。最後にリールを1、2回巻いて仕掛けとコマセを同調させる。色々なパターンが有り当日のコンデションに合わせるのが釣果を上げるコツ。暫くすると島埼さんにヒット。島埼さんは上限のタナまでコマセワークを繰り返す釣り方で、誘い上げてダイレクトヒット。ルアーでヒットさせた様な感じだ。思いのほかパワーがあり楽しそう。上がったのは50cm級の太ったイナダ。コマセが効いて来たのか上乗りさんも次々にイナダをヒットさせた。しっかりとコマセワークを行わないとヒットに繋がらない場面もありそうなので、コマセをマメに入れ替え再投入が必要だ。一旦パターンを掴んでしまうと連続ヒットの場面が見られ好調と言うのも頷ける展開になった。ルアーで狙っていた野村さんにもイナダ級がヒット。「落とし込みの時はベイトも多く、ルアーでも連続でヒットする事も多いんですよ」と話す。前回はワラサ級も多くヒットしたとの事。「落とし込み」はサビキを入れてイワシ等のベイトが掛かったらそのまま沈めて行く釣りで、エリアによっては盛んな釣り方。こちらも機会が有れば楽しんでみたい。

【動画】ルアー相乗りOK!イナダ五目釣り

イナダラッシュ、ヒラソウダも登場

イナダの活性は上がり続け、私も参戦。コマセを詰めて一旦底へ。ハリス分上げてから1m間隔で竿を振りコマセを出す。3回行った所で、竿を上げ撒いたコマセの中に仕掛けを通すイメージで狙う。アタリが無ければ、更に繰り返して15m付近まで探る。2回目のコマセワークで誘い上げている時にヒット。「決まった!」と思う位に狙い通りにヒット。力のある引き。走ったかと思えば、ハリを外そうと時折体を暴れさせ抵抗する“青物”独特の引きだ。上がって来たのは、型の良いイナダ。「太っている」。厚みも増して晩秋ならではの美味しそうな体型だ。タナもスタート直後から少し上がって22m付近で必ずヒット。そこで実験をしてみる事にした。26mで待ってみたが全く当たらない。コマセを詰め直して再投入。25mでも当たらない。この様な感じで探ってみたが、結局、23mレンジでヒットして来た。今度は逆に上の方で狙ってみる。コマセカゴを20mで停止。そこから17mで待つと、ヒット。かなり上の方まで魚があがって来ている。注意したいのがタモ入れ。ハリスを持った時、魚が走ると切れてしまう事がある。同じイナダでも50cm以上の物も交じるので、上手くコントロールしてタモ入れして貰おう。ここで実験は終わらず、更に上、10mで狙うと、なんとヒラソウダガツオラッシュ!これは面白い。美味しいヒラソウダが狙って釣れる。しかも良型。時折こぼれたコマセに寄ってくるヒラソウダが海面からでも見える。この状態が長く続き後半1時間は潮が緩むとサバフグラッシュ。船長がマメにポイントを変えてくれて深場へ移動。イナダ数匹が上がり、午後1時30分に沖上がりとなった。気が付くと皆さんクーラー満タン。イナダのトップは40~50cmオーバーが30匹、それにヒラソウダ。大満足の釣果。船長から「今の時期、イナダを酢で絞めて、大葉を入れて押し寿司が最高ですよ」との事。晩秋、小坪沖の美味しいイナダは絶対のお勧めだ。

今回利用した釣り船

神奈川県小坪港 『太郎丸』
〒249-0008 神奈川県逗子市小坪5-23-3-3611
TEL:0467-22-7662
定休日:毎週月曜日 ※祝祭日除く 釣果・施設情報 太郎丸 ホームページ

出船データ

イナダ・ワラサ・落とし込み
料金:1万円(コマセ・エサ・氷付き)
出船:6時集合、出船午前6時30分 揃い次第出船
定休日:月曜日
※詳細はお問い合わせください
○氷・コマセ・仕掛け付きです ※深場仕掛け:1,000円
○貸し竿・貸しタオル・カッパ・ロッドキーパー無料
○電動リール付き貸し竿:1,000円  深場電動リール:2,000円
     
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この記事を書いたライター

山口 充
プロアングラーとしてテレビ出演、企画、撮影、雑誌執筆やカメラマンをこなしながら「旅と釣り」をテーマに日本中を釣り歩く。公益財団法人日本釣振興会神奈川県支部長・普及振興委員会。2016年JGFA・MVPアングラーズアワード受賞。伝統の和竿「横浜竿」を使い、2020年IGFAタチウオ世界記録を獲得。
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