釣りビジョン

東京湾のLT(ライトタックル)アジ、安定の好釣果!!

2021年02月16日公開

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“春一番”が吹いて、日に日に春の気配を感じる今日この頃。東京湾のアジが束(100匹)に迫る釣果を上げているとの噂を聴き付け、千葉県・浦安の『吉野屋』を訪ねた。

電車釣行派にも嬉しい便の良さ

『吉野屋』が店を構える猫実(ねこざね)は、古くは静かな漁師町。地下鉄東西線・浦安駅から徒歩7、8分と地の利も良く、電車釣行も楽々。首都高速道路湾岸線・浦安出口からは15分ほど。店前に着いたら、船宿スタッフに釣り物を伝え、駐車場所を案内して貰う。車を降りたら座席札ボードから乗りたい釣り物の“席札”を取って釣り座を確保。この札は船で回収されるので、どこに仕舞ったか分からなくならないようご注意を。続いて店内のカウンターで仕掛けや氷の購入、貸し道具の申請をして、乗船料と共に支払いを済ませる。ここで乗船券と乗船カードが渡されるので、カードは記入して回収箱へ。乗船カードも出船前に船で回収されるので、席札と共に分かり易いところに保管しておこう。防寒着を着込んだり、釣り具を運ぶのはこの後で大丈夫。乗船場所は店前の土手を越えた旧江戸川に浮かぶ浮桟橋。A・B・Cどの桟橋だったか忘れてしまっても、船縁に釣り物の看板が掲げてあるので直ぐに分かる。座席札と乗船券の回収後、コマセと付け餌が配布され、午前7時丁度に「第6吉野屋丸」は出船した。

まさかの強風と食い渋り、からの…!

予想外の風で波気のある東京湾を走ること1時間。木更津沖、水深13mの釣り場に到着。風は強まる一方で、複雑な波が船を大きく揺らした。船長の「ハイどーぞ!やってみてくださーい!」のアナウンスで釣り開始。風による手前マツリや大きく船を揺らす波の影響で困難な釣況だったが、開始20分後に待望のヒット。船中1匹目を取り込んだのは右舷ミヨシ(船首)の横尾さん(新宿区)。この後もバリバリ食うような派手さは無いものの、イシモチ(シログチ)などの“ゲストフィッシュ”も交じりながらポツリポツリと上がった。やがて風は治まりつつあったが魚信は遠く、「魚は居るがアタリが少ない」そんな膠着状態が暫く続いた。

 

潮が変わり、入れ掛かりの好機到来!

風と波に阻まれて、釣り人たちに疲れが見え始めた10時過ぎ、パタパタッと複数の釣り座で竿が曲がるシーンが散見された。当初は散発的で後が続かず、船中のボルテージも上がり掛けては停滞するを繰り返すこと幾たび。潮の流れが変わり、水色も白っぽい濁りが抜けてきたタイミングで待望の“時合”が訪れた。ビシカゴが着底したら1m底を切ってコマセを振る。そこからまた1m巻いてアタリを出す-というパターンが各釣り座で的中し、これまで船酔いや疲れで竿を置いていた釣り人たちも、1匹、また1匹と魚を取り込むにつれ、コマセが効いて魚が上を向く好循環の歯車が回り始めた。この“好釣”は沖上がりまで続き、クーラー満タンとまでは行かないものの、右肩上がりの釣り模様に、みなさん笑顔での帰港となった。

船長に訊くLT(ライトタックル)アジ釣りのコツ

「今日ぉ~は渋かった!」と苦笑いの「第6吉野屋丸」の神野祐一船長に、この時期沈黙したアジを釣るためのコツを訊いた。「やっぱ、もうハリスを細くしてやるしか無いですよね。水温下がって魚が元気なくなってるから、餌が目の前に来るのを待ってる。ハリスを細くすればアタリ数が多くなるし、夏場ほど元気ないからフロロの1号でも切られず獲れる」と言う。確かにこの朝、受け付けで船宿推奨仕掛けを見ると3本バリ仕掛けはハリス1.5号、2本バリ仕掛けは1号と巷でなかなか見掛けない繊細な仕掛けが売られていて驚いた。しかし、これが食い渋り時に強い味方となることは今回の取材で立証された。「夏場のアジってハリス2号でやってるでしょう。そのイメージでいつでも2号で釣れるかって言うと、そうは行かない。季節や水温によってハリス(の号数を)落としてやると全然違う」──1年を通じてLTアジを見つめ続けてきた神野船長の言葉には重みがある。船長は朝の早い時間から船に居るので、餌の付け方や基本的な釣り方など、初心者は勿論、スランプに陥っている中級者も、分からないことや疑問点は船長に質問してみるのがお薦めだ。

【動画】手軽に楽しむ!LTアジ釣り

やっぱり東京湾のLTアジは裏切らない!

人工的な障害物周りや地形変化など、様々なポイントを巡ったこの日。「海が悪い」、「食いが渋い」とは言いながら、竿頭の岩崎さん(浦安市)は58匹と大健闘。取材日が釣果の谷間に当たってしまったが、通常竿頭70匹は当たり前。釣ったその日はアジフライや“なめろう”に、一晩寝かせれば刺し身やタタキが美味しい早春のアジ。“ゲストフィッシュ”のイシモチも、釣って直ぐ血抜きをしてクーラーに仕舞って帰れば、釣ったその日から刺し身で絶品なので是非お試しを。このご時世、食事会や桜を見る会が出来なくても、釣り竿やライフジャケットは勿論、長靴の貸し出しもしている浦安『吉野屋』で、三密とは無縁の息抜きを提案したい。

今回利用した釣り船

千葉県浦安 『吉野屋』
〒279-0004 千葉県浦安市猫実5-7-10
TEL:047-351-2544
定休日:毎週火曜日 釣果・施設情報 吉野屋 ホームページ

出船データ

ライトタックルアジ乗合
集合時間:午前6時30分までに乗船
出船時間:午前7時
乗合船料金:1万円(コマセ・餌付き)
※女性9,000円/小学生以下6,500円
貸し竿・貸し道具あり
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込むツリキチ。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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