釣りビジョン

千葉県・房総のフリップレイクで気持ち良すぎた優勝レポート

2022年10月29日公開

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釣行記コラムの初回から自慢させてください! 先日、千葉県片倉ダムで開催された千葉市中央区にあるショップ『フィッシングガレージブラック(以下、FGB)』の平日大会で優勝しました。苦手意識の強いフィールドですが、大好きなヘビーカバーゲームでの結果だけに嬉しさもひとしおでございます。

キーパー28cmのデカバス1本勝負

釣具はもちろん、エレキや魚探等のレンタルボート用具にも強いプロショップ『FGB』のオープントーナメントが、10月26日に千葉県の片倉ダムで開催されました。平日大会にもかかわらず、常連さんをはじめ同湖の猛者48名が参加。数日前から続く急激な冷え込みに苦戦が予想されましたが、そこは房総一の魚影を誇る片倉ダム、30名が計測対象魚をキャッチ。なかにはキーパーサイズよりも大きいルアーばかりをぶら下げた参加者もいました。
片倉ダムは亀山湖の上流に位置する小櫃川水系のリザーバーです。各所に見られる幻想的な立木群が有名で、しばしばテレビの撮影やCMにも登場します。亀山湖とは同水系ではありますが、似て非なる湖です。ロクマル級のビッグフィッシュなら亀山、サイズを問わず数が釣れるのが片倉。片倉はカバーも豊富で、関東では数少ない「ウィードが繁茂するフィールド」なんです。カバー好きの僕は8月にウィードフリップを目的に訪れた際、例年よりは繁茂状況が乏しい印象を受けました。
そして大会前日には、水位、水の色、カバーの種類と状態、バスのレンジを把握するため全域を周ってみました。冷たい雨混じりで水温は16℃。率直な感想は「相変わらず反応がいい」「人間の体感的には12月くらいの寒さではあるけど、バスはまだまだ活発に動いている」といった印象。前日にキャッチできたのは4本で、とりわけウィードがらみのカバーに好感触を得ることができました。

長さ勝負ならこっち、重さ勝負ならあっち

前述したように今大会は28cm以上の1本の全長勝負。重量勝負ならばメインレイク、インターセクションの沖目、あるいは切り立った岩盤の中層リアクションでギャンブルするところですが、長さとなればシャローカバーが現実的。『ギャンブルフィッシュを当てられたら勝ち目はないけど、シャローカバーなら43~44cmまでは釣れるかも』
なんの根拠もないけど、前日の水温が16℃だったので、さらに冷え込むことも想定して影響を受けにくいカバー、さらにはノーマークと思われることからウィードフリップを軸にすることに決定しました。

 

50mのストレッチで1オンステキサスに3連発!

大会当日の朝は気温8℃台まで冷え込み、予想通り水温も1℃下降。6時のスタートコールと同時に48名の参加者が笹川ボートの桟橋から散っていきます。僕のメインパターンのウィードエリアは桟橋から出て右にも左にもあるため、参加者の動向をうかがいます。対岸から釣りを始めたのが5艇、25艇くらいがダム方面(桟橋から右方向)に向かうのを見て、僕は田代方面へ。途中のめぼしいカバーを撃ちつつ、ちょうしぐちで参加者Wさんが早々に32cmをキャッチする場面に遭遇。聞けばスピニングで表層系の釣り。僕の目的地手前で再度会った際には「34cmに入れ替えできました!」と教えてくれました。つまり、この時点で34cm以下は計測する意味もないことになります。
左方面のメインエリアに入ったのは7時30分過ぎ。プール状に広がる最上流域で前日よりも濁っている感じ。狙いのストレッチには南風がビュンビュン吹き付けています。そのためウィードが押されて凝縮し、厚みもマシマシ!このようの場合は、ウィードがフィルターとなって、その下は水がいいはずです。撃つところは北面50m、東面20mほどしかありませんが、沖にもパラパラウィードが点在します。一周目はウィードの内側にブルフラット3.8インチを撃っていきます。20mほど進みウィードラインが細くなったところで最初のバイト。
「さすがにここまで浅いところには入ってないよな」と油断していたこともあり、抜き上げた瞬間に外れてしまいワンバウンドしてドボン。
「うわ、やっちまった~」
ウィードカバーによく見られる真っ黒な個体は40cmくらい。もったいないことしたなと思いつつも、勝負できるバスがいることを確信! 5mほど進んだところで再びバイト。34cmはなさそうだけど、撮影の練習も兼ねてメジャーに乗せてみます。目測では28~30cmと踏んでいたのが33cmある。ということは前日に釣った最大魚は40cmくらいあったのか? そんなことを思いつつ釣り続けると同クラス、35~36cmが立て続けにヒット。50mのストレッチで一番深いところ(といっても50cmくらい)の分厚いマットの下にいました。自宅から30分のところでパンチングフィッシュがいることに嬉しくなり、アドレナリンが大放出。

勝敗はそっち抜け、純粋に楽しい!

2周目はウィードエッジをチェックするためリーダーレスダウンショットに持ち替えます。濁りが強いこととウィードを揺らさずに落としたかったこともあり、この日はバルビュータの代わりに、細身かつ波動の強いクローワームをセット。強風のため操船もアプローチもままならず、4バイトあった50mの北面ではノーバイト。角を曲がり、東面のストレッチは風上に向かってバウを向けられるため、操船もピッチングも断然約楽。アシ原に吹き寄せられたウィードはマットアップし、外側にもウィードが点在します。1投に7~8秒かけて前日よりも丁寧に探ります。直径20cmほどのウィードのポケットにクローワームを落とし3~4回ジギングすると、コツッと岩にでも触れたような感触が伝わってきました。距離が近いため7割くらいの力で合せると、ズシンとした重み。ウィードに絡まれないように、高速で巻き上げ抜き上げます。
「うっひょ~!やっと40cmアップが釣れた」
これまた体色の黒いかっこいいバス!計測してみると43cm。順当な優勝ラインが44~45cmと読んでいたから微妙ではありましたが、この時点で「片倉満喫では優勝!」です。
3周目は外側をウェイクベイトとチャターベイトで巻き、4周目はみたびカバーをチェックしますが、その後はバイトがなくなりました。13時の帰着までは3時間半。沖のギャンブルフィッシュにも手を出してみますが、やっぱりカバーの方が楽しい!星の広場方面も3ヶ所あるウィードマットで35~36cmを追加し、大満喫して大会を終えました。主催者の高山さんに釣況を聞いてみると「思ったより釣れてますね」と。まあ、いいとこ3位くらいかなと思っていたら、なんと優勝してしまいました。これまでにもショップやボート店が主催する大会での優勝は何度も経験していますが、今回の勝ちは過去一番うれしかったかもしれません。
ウィードが枯れる前にもう2~3回は行きたいな!これを読んでトライされる方に忠告させていただきます。中毒性のある釣りなので、くれぐれもご注意ください、と。

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この記事を書いたライター

大場 未知
東京・麻布十番育ち。大学時代は留学先のテキサスでバスフィッシングの腕を磨き、日本の出版社勤務を経て再び渡米。B.A.S.S. およびFLWにコアングラーで参戦。FLWではチャンピオンシップで2位に入るなど、アマチュア賞金稼ぎとして数々の爪痕を残した。
現在は、千葉県君津市在住のフィッシングライター&エディター。
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