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北海道・十勝地方、猿別川のニジマスで“有秋の美”を飾る!

2022年11月01日公開

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10月下旬、北海道・十勝地方の猿別(さるべつ)川へ。北海道の秋はアッという間に過ぎ、山間部では朝には気温0℃、近くの山は雪で白くなっている。晴れた日の朝、低水温の中、ニジマスを引き出したいと思い立ち、車を走らせた。

北海道屈指の人気河川、猿別川

猿別川は十勝地方を流れる一級河川。大河川・十勝川の支流であり、水量は豊富でニジマスがメインターゲットだ。因みに、6月頃になると橋の上からサクラマスの遡上が見られる他、少し上流に上ると、エメラルドグリーンに輝くカワセミが観察できる生態系豊かな川だ。
流れは全体的にフラット。しかし、隣を流れる途別(とべつ)川のようにゆったり流れるというよりはそれなりに速く、押しが強い。実はこの猿別川、結構人気の川で、休日は勿論、平日でも釣り人が入っている。レンタカーやほかの地区のナンバーの車も多く、十勝地方ではプレッシャーの高いフィールドといえるだろう。
水量が豊富で押しが強いため、ルアーが受ける水の抵抗も大きい。そして、そんな環境で育つニジマスは、ヒット後、水流を味方につけてかなりパワフル。ロッドの強さはML位ほしいところだ。
川幅は下流に行けば20m程度、中流域でも流れが速い所では立ち込めず、遠めのポイントを狙う必要もあるので、ロッドは6ft前後がいいように思う。以前40cmを超えるニジマスに出会ったことがあるので、期待も込めて少しヘビーな装備で。

この時期のニジマスはスローリトリーブで喰わせる!!

最初のエントリーポイントは、軍岡という地区にある水門付近。帯広市からは車で50分程。国道38号線から道道15号線に入れば走りやすい。未舗装だが駐車スペースもあり、草が生い茂っておらず、比較的入りやすいポイントになっている。
水辺はオープンなエリアになっていて、ルアーも投げやすい。ポイントに入ってすぐの所に、流れが集まる場所があり、そこでロッドを振った。ルアーが流れに負けないように、重めの6gのスピナーを選択。秋には効果的なレッドカラーだ。しかし、反応はありつつも、喰いついてこないのでルアーチェンジすることに。
この日は水温7.9℃と低かった。そこで、前より軽い5gのブレードが大きくて水の抵抗でゆっくりと泳がせることのできるシルバー系スピナーに替えた。魚が喰いやすいようにスローリトリーブに徹し、できる限りボトムを狙う。そして2投目、流心を少し過ぎた辺りでヒット! 34cmのニジマスだった。流れを味方につけたニジマスは引きが強く、50cm級の大物かと思うくらいだった。

 

水辺の木々が水面を覆い隠すようなオーバーハングにキャスト!

3km位下流に移動した。ここは両岸に木が生い茂り、ルアーロストの緊張感がある場所。しかし、その木々がよいオーバーハングを作ってくれている。周りより木が張り出して、倒木によって若干流れが緩んだ所に投げると、20cm級のニジマスがヒット!先程と同じくスローリトリーブを心掛けた。ネットに入ったニジマスは、くっきりとピンクのラインが出た綺麗な個体だった。
その他のオーバーハングでもニジマスが1匹釣れた。しかし、流れの中央を何度か狙ってみたものの反応はなし。やはり木々が生い茂る所では、法則通りオーバーハング狙いがいいようだ。出来れば普段は躊躇してしまうような所でもチャレンジしたい。

ビギナーには猿別水門付近もお勧め

少し下流に猿別水門という大きな水門がある。ここは運動公園と近く、川岸が舗装されているし、草も生い茂っていない。水に入らず岸から狙うことも可能なので、水量が多い時や、ウェーディングに自信のないビギナーの方にお勧めの場所だ。「こんな入りやすい所…」と思うが、これまた意外と釣れる。ほぼ毎回といっていい程釣れる場所で、ヤマメやウグイも釣れたことがある。水門付近の流れが緩んだ所や、岸近くの草陰を狙おう。

晩秋の猿別川はスローに楽しむ

この時期ともなると、北海道は気温の上下が激しく、昨日0℃まで下がったかと思えば、次の日の日中は20℃に達することもある。この時期は魚たちの活性が下がっていることも考えられるので、スローリトリーブで狙うと、より多くの魚に出会えるのではないかと感じた。どんどんと日が短くなり、次第に寒くなる。それに伴って釣りを楽しめる時間が少なくなって来ている。紅葉をゆっくりと眺めながら、スローな釣りで魚たちと戯れ、短い北海道の秋を堪能したい。

施設等情報

猿別川
北海道十勝地方

施設等関連情報

帯広市からは車で南東に約50分。
国道38号線から道道15号線に入るとアクセスしやすい。
遊漁券は特になし。
1年を通してニジマス・ヤマメ・ウグイが狙える。
春にサクラマスの遡上がみられるが、禁漁なので注意。(北海道の河川でサクラマスは禁漁となっている)
上流で運が良ければカワセミと出会える。
     
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この記事を書いたライター

田村 壮太郎
7歳から渓流釣りを始め、北海道・道東をメインフィールドに釣り歩く。年間釣行日数は100日以上。スピナーを使った釣りが好みだが、ビッグミノーで大物に出会ってしまい、最近は浮気心を抱き始めている。ジョギングで鍛えた自慢の体力で、休日には12時間も川の中にいることも。
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