釣りビジョン

2012.9.1号

三好丸・静岡県伊東
静岡県・初島沖で早くも4.9kgのワラサ浮上!

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夏秋はイナダやワラサ、冬は10kg超えのブリが回遊する青物の宝庫、静岡県・伊東沖“初島”。例年なら9月上旬からワラサが回遊し始めるのだが、今年は8月半ばから釣れ出し、しかも竿頭10尾超えは当たり前という釣れっぷり。24日の午後船では3人で21、22、26尾の“大爆釣”。28日、伊東港『三好丸』へ出掛けた。

好調の初島沖、東側からスタート!

午前4時半、『三好丸』船着き場へ到着。うっすらと水平線が明るくなり、船上は煌々と明かりが灯っていた。釣り人は私を含め5人、舵を握る三好研吾船長に釣り場を尋ねると、今日は“作戦”がある様子。「初島沖ですが、神奈川県の釣り船は申し合わせによって午前6時から竿入れと決まっています。静岡県は午前5時半から出来るので、それまでの30分間、初島の東側を狙いましょう」。船長によれば通常、静岡県の船は魚影の濃い西側を狙うのだが、3~4kg級の良型が狙えるのは東側との事。午前5時に出船、航程20分程で初島東沖へ到着。定刻の午前5時半、投入の合図が出た。

『三好丸』
研吾船長&伴則大船長
初島の後ろに見える富士山

底からハリス(6m)+3mが指示ダナ

仕掛け図
『三好丸』でのタナ取りの基本は底から。最初の釣り場の水深は46m。喰いの良い朝一、良型でも確実に獲れるようにハリスは8号6mと太仕掛けでスタートした。底からハリス分(6m)+3mコマセを撒きながらシャクリ上げてタナを切る。「シャクリ上げる際には、大きく頭上まで誘いあげた方がいい」と、上乗り役の三好伴則大船長。クッションゴムはφ2.5mm×1m、コマセカゴはL型100号、ハリはヒラマサ12号orグレ11号を使う。餌は船宿で配られる沖アミ以外にスルメイカのタンザクを持っていこう。仕掛けは船宿でも購入できるが、マメな号数チェンジをしたい人はフロロカーボン4~8号を用意しておけば万全だ。

1投目から4kg級が3人同時ヒット

魚群探知機を覗き込むと真っ赤な大きな魚群が映っている。「いい反応が出ていますね」と船長が興奮気味に指差したその時だった。「おう、来たぞー!」。大きな声で叫んだのは“様子見”のために左舷大ドモ(船尾)から竿を出していた大船長。胴から弓なりに竿が曲がり、ギュンギュンと竿先が海面へ突き刺さる。間もなく海面に4kg級の“本命”が顔を出した。そして、間髪入れずに左舷ミヨシ(船首)、右舷胴の間(中央)でもヒット。4kg級の同サイズを取り込んだ。朝一のフィーバータイムはその後30分継続。次の投入では左舷大ドモ、ミヨシが同サイズを追釣。他にバラシもあり午前6時半にはパタリと喰いが止まったため初島の西側へと移動した。

底から3m付近に反応が!
大船長に4kg級
嬉しいサイズ!

比嘉さんも4kg級
2尾目♪
太田さんもグッドサイズ

西側へ移動も喰いがパッタリ…

西側へ到着すると、20隻近い大船団が形成されていた。ここからはアベレージサイズの2~3kgクラスの数釣りを…と船長は考えていたが、周りの船では1尾も上がっていない様子。無線で状況を聞くと、東側と同じ状況で投入から30分くらいは喰いが立って全員1~3尾ずつ釣り上げたが、その後はバッタリ喰いが止まったそうだ。右舷ミヨシの青物釣り歴40年と言う太田行雄さんは、ここでハリスを6号へとチェンジ。「先週の火曜日は良く喰いましたよ。一人で15尾獲って最後にはイカタンだけでも喰って来たくらいですから。仕掛けを細くしたからこれで来てくれるといいね」と次の時合前に万全の態勢を整えた。

西には大船団が形成
コマセは7分目で十分
オキアミの間にイカを付ける

潮変わり前に時合到来!入れ喰いタイム突入!

「干潮時刻は午前8時56分。その前後で潮が変わるのでまた喰い出すでしょう」(船長)。すると、午前8時半、右舷胴の間の比嘉芳則さんの竿が大きく曲がった。「前アタリで、竿先がモゾモゾッと動き、ドーンと竿先が入る。この瞬間が良いですよね」と笑顔で竿を立てながら軽快にリールを巻き上げていく。まずは3kg級をゲット。それを皮切りに入れ喰いタイムが始まった。次の投入では誘いをかけてキーパーにセットした途端、ヒット。次の投入でも連発し比嘉さんは3連続ヒット。すると、「裏でも喰ったよ」と船長。人生初のワラサ釣りだと言う左舷胴の間の有村清信さん。大船長に教わりながら3kgのワラサを釣り上げた。「群れが船に着きましたね」と船長もニッコリ。その直後、大船長の竿が大きく曲がり、今度は2.6kgのマダイが浮上した。

来たよ3尾目!
準備が甲を制した太田さん
3kg超級

3連発中の2本!
やりました人生初ワラサ!
マダイ2.6kg!

4.9kgの丸々太ったワラサをゲット!

撮影を終えたラスト1時間、私も右舷大ドモから竿を出した。ハリスは6号6m、水深は40m、コマセを7分目まで入れて底まで沈め3m切り、1.5mずつ大きく4回に分けて誘い上げ、置き竿にしてアタリを待った。1尾くらいは釣りたいと思いながら竿先を見つめる事10数秒。竿先に前アタリが出た。ググン、グングン。「キタッ!」。心の中でそう叫び、慌てて竿を手で持って大きく合わせを入れた。その瞬間、ドラグが一気に滑り出した。ギュイーン、ギュンギュン。想像しているよりもかなり引きが強い。慌ててドラグをきつめに調整し直すがトルクのある鋭い引きでドラグの滑りが止まらない。「3kg級のワラサってこんなに引くのかな?」と、疑問に思いながら左手で必死に竿を立て巻き上げる。残り25mまで上げてきた所でようやく魚が上を向いた。慎重にハリスを手繰り寄せ、海面下を見ると一目で今日一番の大物とわかる魚体が円を描いて上がってきた。「よっしゃ~!」取材を忘れて私は思わずガッツポーズ。「こりゃ~ブリに近いぞ」。手早く網入れした大船長も興奮気味。4.9kg、ブリと言っても良いほどのグッドサイズの丸々太ったワラサだった。

2度目の3連発!
私が手にした4.9kg

9月一杯までは期待十分♪

絶品♪ブリの照り焼き
竿頭は3連発を2回達成した比嘉芳則さんの8尾、人生初めてのワラサ釣りの有村さんも見事4尾釣り上げた。
帰宅後、ワラサを“照り焼き”にしたが脂の乗りも抜群でその味は絶品だった。現在は2~3kg級中心に時折イナダ級も交じるが、今後は4~5kg級が中心となり、初島沖は益々熱気を帯びて来る。是非出掛けてみて頂きたい。

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
静岡県伊東港『三好丸』
〒414-0043 静岡県伊東市新井1-16-48
TEL:0557-37-1152
詳細情報(釣りビジョン)
出船データ
(料金)ワラサ船=12,000円コマセ・餌1パック・氷付(予約乗合)
    (午前船)午前4時半集合、揃い次第出船、午前10時半沖上がり
    (午後船)午後0時半集合、揃い次第出船、午後5時沖上がり
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