釣りビジョン

2013.1.1号

伊藤遊船・千葉県江戸川放水路・行徳
東京湾・中ノ瀬の“落ちギス”束釣り狙える!!

04_main.jpg
東京湾のシロギスが、厳冬期になろうとしているのに絶好調だ。昨年春先から竿頭は当たり前のように束釣り(100尾以上)を記録し続けている。例年、“落ちギス”の時期になれば水深30~40mの深場に落ちるが、潮温低下が遅れたためか未だに水深20~25mで釣れている。この時期のシロギスは、脂が乗って一層美味しくなる。刺し身、炙り、握り寿司、天ぷらと何にしても美味しい。特に正月のお節料理の後は、サッパリ味のシロギスの“シャブシャブ”はどうだろう!千葉県・行徳『伊藤遊船』に出掛けた。

落ちギス釣りの“戦場”は中ノ瀬

カーナビの道案内で湾岸道路を千鳥町ICで降り、江戸川放水路沿いの『伊藤遊船』に午前6時半頃着いた。先客は2人、先着順に船形ボードの釣り座に名前を書くシステム。早速、空いていた右側ミヨシ(船首)に記入した。東の空が薄っすらと赤く染まり、今にも太陽が昇ろうとしている。川面には海鳥が羽根を休めている。風も無く絶好の釣り日和だ。しかし、寒い。気温は4度だ。桟橋にうっすら霜が降りていた。滑らないよう慎重に桟橋を渡り、艀で“本船”に乗り移った。乗船者は全部で6人。定刻の7時30分に出船した。

中ノ瀬から見る雪を被った富士山
三島 修船長
アベレージサイズは15cm前後

いきなり入れ喰いタイム!

富士山は真っ白に雪を被り、『八景島シーパラダイス』の真っ白な三角屋根が目の前に見える頃、エンジンがスローになりスカンパが張られた。舵を握る三島修船長から「ハイ!準備が出来たらやって下さい。水深は25m」とアナウンス。厳冬期としては浅い。
釣りの準備もそこそこに、先ずはカメラを持って同乗者の様子を見て回る。左舷胴の間(中央)に座った千葉県・市川市の加藤さんは、第1投からシロギスを掛け、気持ちよさそうにリールを巻き20cm級の良型を取り込んだ。飲み込まれたハリを手際よく外し、素早く投入。手慣れた手つきだ。左舷大ドモ(船尾)の千葉県・船橋市から来た鈴木さんは“1本バリ・2本竿”を巧みに操り、マイペースで釣っていた。竿の曲り具合から、「一荷(2尾)ですか?」と聞くと、「私は1本バリだから一荷は無いよ!」と笑顔で返って来たのだ。右舷トモに座った世田谷区の白松さんは、「今日は内緒で釣りに来ているんで顔は映さないでよ!」とお断りされてしまったが、こちらは、“2本バリ・2本竿”で黙々と釣っていた。

良型の一荷
会社には内緒!

船下でも“ガンガン”釣れる

一通りの写真と、動画を撮ったところで私も釣りの仲間入り。2本竿を用意した。1本には“同突き仕掛け”をセット。青イソメを通し刺し垂らしを3cm程にして船下に投入。2本目の竿には“天ビン仕掛けの2本バリ”(『伊藤遊船』オリジナル仕掛け)をセットしていると、隣の釣り人から「来ているよ」と大きな声。置き竿の竿先にククッ、ククッと小気味よいアタリ。慌ててリールを巻くと17、18cm級のまずまずサイズ。餌を付け直して船下に投入。2本目の仕掛けの餌付けに手間取っていると、又も先に投入した置き竿にアタリ。2本目の仕掛けをなかなか投入出来ない。20分もしない内に8尾をゲットした。いきなり入れ喰いタイムに突入だ。誰も無口になる。黙々と嬉しい忙しさだ。しかし、10時36分の満潮時刻に近付くと潮の流れが緩み、アタリはポツリポツリと間遠くなって来た。

餌の青イソメ
伊藤遊船オリジナル仕掛け
仕掛け図

潮が動き出した途端、良型交じりの“一荷釣り”

正午近くになると、潮がトモ寄りに流れ出し、道糸が斜めになって来た。その途端、シロギスのアタリが戻って来た。あちらこちらで一荷釣りが始まった。カメラを持って行ったり来たりで忙しい。右舷トモの白松さんにビッグサイズが上がった。早速メジャーで計測すると、24cmジャスト。丸々太っていて美味しそう。再び入れ喰いタイムに突入だ。私は2本竿では忙しくなって来たので、1本竿の手持ちで“チョイ投げ”して誘う釣り方に変えた。オモリが着底し、スーッと仕掛けを手前に引くとククッと小気味いいアタリが竿先に伝わってくる。2本竿で狙うのもいいが、1尾ずつアタリを取って合わせる釣りも楽しい。船長から、「後30分で上がります」とのアナウンス。右舷ミヨシでは2本竿を巧みに操り、追い上げてくる。「釣れ過ぎて忙しいのは大歓迎」とばかりにラストスパート。

午後2時30分、心残りの納竿時間となった。気が付けば昼飯を食べるのも忘れ、夢中になって釣っていた。道具入れの中のおむすびを見て気が付いた。急に空腹を感じた。

この日最大は24cmジャスト
前半は入れ喰い状態!

竿頭は73歳の鈴木さんの101尾!

最初は飛ばしていた加藤さんだったが、途中からエギでスミイカを狙って遊んだ為46尾止まり。68歳の白松さんは87尾。1本バリで通した御年73歳の鈴木さんが竿頭で101尾。「一日中良く釣れた。少し釣れ過ぎだよ。後で捌くのが大変だ」と、鈴木さんは嬉しそうに話してくれた。私を含めた残る3人は54尾、64尾、73尾の成績。しかも釣れたシロギスの大半は20cm前後の良型だったのだから大満足の好釣果。

シロギスの魚影は間違いなく濃い!

1月一杯は狙える!

船着き場に到着すると、『伊藤遊船』の女将さんが温かい味噌汁で迎えてくれた。三島船長は「1月一杯はシロギス船を出します。数・型共に期待出来ますよ。是非遊びに来て下さい」とアピールしていた。
正月のお節料理に飽きたら、シロギスの“シャブシャブ”をポン酢に紅葉おろしで召し上がってみては如何だろう。病み付きになる事請け合いだ。

(釣りビジョンAPC:飯妻武夫)

今回利用した釣り船
千葉県江戸川放水路・行徳『伊藤遊船』
〒272-0111 千葉県市川市妙典2-2-14
TEL:047-358-5774
詳細情報(釣りビジョン)
伊藤遊船ホームページ
出船データ
出船時間 7時30分 納竿時間2時30分
乗合料金 8500円
貸し道具 貸し竿500円
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。
プレミアムメンバー