オフショアマガジン
2013.1.1号

南伊豆忠兵衛丸・静岡県南伊豆手石港
伊豆“新島合わせ”で超高級魚“地キンメ”&クロムツを狙う!

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「“地キンメ”の値段?そりゃぁ、年末年始は一番高い時期だもんよ~。漁協直売所でも1kg5000円になる事もあるくれぇよ」。静岡県・南伊豆手石港『南伊豆忠兵衛丸』浅沼幹雄船長は、正月前の“ご祝儀相場”を説明してくれた。「あんにぃ(私の事)、今日は活きの良いサバ餌が手に入ったで、明日はクロムツも狙える“新島合わせ”に行くぞ~」と威勢の良い船長の言葉に胸躍らせて船に乗った。

超高級魚クロムツとは?

今回のターゲットクロムツ
家庭の食卓にはまず並ぶ事がない超高級魚クロムツ。水深200~700mの深海に生息し、ムツよりも色が黒い事からクロムツと名付けられた。ムツ、クロムツは共に脂が乗っていて両者とも美味しいため間違えやすいのだが、クロムツの方が、ムツよりも更に味が良く煮付けにすると絶品とか。“デパ地下”の鮮魚コーナーでも目が飛び出るほどの高値で陳列されている。クロムツは個体数も少なく“幻の超高級魚”とも言われるほど。1尾釣れれば“御の字”と言われる非常に価値のある魚なのだ。今回は、そのクロムツと“地キンメ”がメインターゲットだ。

『南伊豆忠兵衛丸』仕掛け図
2kgの鉄筋棒はサービス♪
クロムツの特効餌のサバの短冊

航程1時間30分、大島沖からスタート!

午前4時前、『南伊豆忠兵衛丸』待合所では常連さんと船長が盛り上がっていた。「今日はね、前半大島沖でキンメを狙い、後半は“新島合わせ”で良型キンメ&クロムツを狙いますよ」。船長は、この日のために釣りたてのサバを短冊にして仕込んでおいた。「クロムツはね、これが好物なのよ。今日は釣れますよ」と船長。午前5時前、釣り人4人と上乗りの佐野政巳さん&安保正明さん計6人が乗って出船した。大島沖までの航程は約1時間30分、備え付けの毛布を被りベッドで横になった。午前6時、大島沖に到着。船は幾度となく旋回し、6時20分に投入合図が出た。「1番いいよ」。右舷ミヨシ(船首)の小林周一さんは素早く鉄筋棒を投入。20本バリはまだ薄暗い海中へと吸い込まれていった。

浅沼幹雄船長
初心者に便利なワンタッチ投入器は貸出無料♪

1投目から“地キンメ”が鈴なりで10尾浮上!

水深は380m、魚探には底から少し上に丸くはっきりとした反応が出ていた。カウンターは360m表示で着底。大型電動リールのレバーを絞り、しばらく“オモリトントン”の状態でアタリを待つ。すると、右舷ミヨシから2番目の釣り人が叫んだ。「来た、来た、来たよ~」。竿先を見つめるとクン、クン、ククン。と大きくお辞儀している。「お、こっちにも来た」。「よし、こっちもだ」。気が付けば船中全員の竿でアタリを確認。アタリが来てからは少しずつ道糸を送り追い食いを待つ。10分程経った所で巻き上げの合図が出た。「はい、前から上げて~」(※『南伊豆忠兵衛丸』では、流し方や潮の向きによって巻き上げの順番を後ろからにする事もある)。期待を込めて海面下を覗くと、多少小ぶりではあるが色鮮やかなキンメが1尾、2尾、3尾…ずらずらと朝日に照らされ連凧のように浮上した。胴の間(中央)の原田さんは、「ちょっと小さいな~」と言いながらも10尾をゲット。バケツの中でキンメの胸ビレがパタパタと揺れ動く。最初の1投目で船中37尾!実に幸先の良いスタートである。

水深は360mから深くなっていく

1投目で5尾!

原田さんは10尾&メダイをゲット!
底付近のハリには良型が掛かった

何者かに喰われたオキカサゴ

“新島合わせ”、良型狙いへシフト!

「もっと反応が出てきたよ~。底付近にビッシリだ」。次の投入の仕度をしている最中、船長もビックリするような反応が出た。しかし、次の投入の準備が間に合わない。10m近い強風をかわし何度か船を同じ場所へと回したが、二度とその反応が出る事は無かった。「キンメは、朝まづめだけスッと反応が出てそれっきり消えてしまう事もよくあるんだよ」。そう言いながら船長は大島沖に見切りを付け“新島合わせ”に舳先を向けた。20分後再び投入の合図。「はい、1番目からやって-水深は380m。400m前後までのカケ下がりだからマメに底取りして少しずつ伸ばしていって」と、船長。潮は東から西へ1ノット、丁度良い具合で流れている。なにやら“大物”の予感がする。すると、胴の間(中央)の原田さんが叫んだ「おう!喰ったよぅ」。船長もまだアタリの無い釣り人へ向けてマイクでアドバイス。「どんどん糸を伸ばしていって、この場所は落ちて行く場所だから地べたにキンメが寝てるつもりで釣って下さい」。すると、そのアドバイスが効いたのか船中5本の竿にアタリ、1kg前後の食べ頃サイズを2、3尾ずつ釣り上げた。その中で、一人横っ走りした糸があった。ミヨシの小林さんだ。大ドモ(船尾)まで一直線にハリスが引っ張られる。「いかん、これはメカジキだ!」。船長も咄嗟の判断で、ハリスを手繰り寄せた。しかし…「あ~」。落胆の声とともに痛恨のハリス切れ。姿こそ見えなかったがそれは間違いなく“大物”だった。

他のキンメも喰われてしまった

2投目も3尾ゲット!

原田さんも良型主体で4尾!

上乗り佐野さんもダブル

時にはグッドサイズのメダイも掛かる!

超高級魚2.5kgのクロムツ浮上!

3投目もポツリポツリと1、2尾ずつ数を伸ばしたが、常連さん達は少し不満な様子。どうやらより大物が潜む“丸秘釣り場“へと移動したいらしいのだ。船長も6人の意見を聞き移動を決意。船を走らせる事1時間30分。大移動したにもかかわらず元の場所へ帰って来てしまった(笑)。船長に聞くと、「全く反応が無かったんだよ。反応さえ出れば他では狙えない3kg級が狙える場所なんだどね」。釣り人達も「反応が無いんじゃ仕方ないね」と苦笑い。気を取り直して5投目、再びアタリが出たのは小林さんの竿だった。竿先を指して満面の笑みを見せた小林さんだが、アタリが出たのは最初の数回だけ。半信半疑で仕掛けを手繰り寄せる。するとポコンとお腹の膨れた真っ黒な魚体が海面に姿を現した。ゴールドに輝く鋭い歯、グリッとした大きな目に黒光りした魚体。超高級魚、クロムツ(2.5kg)の登場である。小林さんも満面の笑みでハイポーズ。

堂々2.5kgのクロムツをゲット!
鋭い歯には注意が必要だ
帰宅前には無料で温泉にも入れる

“地キンメ”狙いは3月末まで

この日の釣果は6投でキンメ0.5~1.1kgが6~15尾。残念ながら良型は少なかったが“本命”のクロムツも狙い通り姿を拝め、十分お土産になった。年始は4日から出船し3月末まで狙える『南伊豆忠兵衛丸』の“地キンメ”&クロムツ。超高級魚で新年の食卓を彩れば目出たさ倍増、間違いなし!

(吉田 洋一郎)

今回利用した釣り船
静岡県南伊豆手石港・南伊豆忠兵衛丸
〒415-0153 静岡県賀茂郡南伊豆町手石434
TEL:0558-62-1273
詳細情報(釣りビジョン)
南伊豆忠兵衛丸ホームページ
出船データ
キンメ船=19,000円(氷・鉄筋オモリ付)
仕掛け1組=1,200円
オールレンタル=30,000円
午前4時半集合5時出船、13時沖上がり
※料金等は取材当時のものとなります。出船時間や料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては釣り船までお問い合わせください。
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