今期のフグについて、山本幸夫船長に訊いた。「いつもは11月くらいで止まっちゃったりするけど、今年は12月入ってからも良かったんで、まだまだ良い所もあると思います。根の中に入ってますけどね」──ビギナーの方へのアドバイスやコツは?「空合わせはした方がイイ。アタリ待ってても良いから、空合わせはする。それで常に糸は張って置いて、糸を弛ませない。しゃくった時もあんまり大きくしゃくらずに、しゃくった後、糸を弛ませない」──空合わせのタイミング、見つけ方は?「周りを見てて“いっぱい釣れてきたな”と思ったらちょくちょく空合わせする。“釣れてないなぁ”と思ったら、ちょっと置いておいてみたり」フグ釣りの基本にして一生モノのテクニック、これは覚えて置きたい。加えて、乗船中は船長が海底の様子と釣り方のアドバイスを釣り場毎にアナウンスしてくれるので聴き逃さないよう心掛けたい。また、外房のフグ釣りと言えばエサにアオヤギを使用するのが定番だったが、近年は品薄で冷凍エビが用いられている。餌バリへの付け方を船長に見せて貰ったので、画像とキャプションをご覧頂きたい。釣って楽しく、食べて美味しい!かくして、この日の竿頭は合計18匹のフグを釣った大久保さん。みなさんおおよそ10匹前後を取り込んでいて、型も良いので“足るを知る”には充分な釣果。ヒラメやカサゴ、ニベにスミイカなどのゲストフィッシュもクーラーを賑やかせ、笑顔の沖上がりとなった。釣れたフグは“ふぐ処理師免許”を持つ船宿スタッフによって可食部分のみの棒身(身欠き)にして貰えるので、帰宅後の調理もカンタン。刺し身は勿論、鍋ダネにしても、一夜干しにして焼いても、唐揚げ、天ぷら、雑炊にしてもその美味しさは折り紙付き。テクニカルな釣りの楽しみと、食べて美味しい食卓での楽しみ。この好機に大原のフグ釣りを是非お楽しみ頂きたい。※ヒガンフグを“アカメフグ”、“アカメ”、“メアカ”などと呼ぶ地域がありますが、標準和名でアカメフグとヒガンフグは別種です。