翌朝、知床のウトロ港に集合してから判断をしてもらうよう船長に無理なお願いをした我々。その甲斐あってか、早朝のうちはギリギリ出船可能な風、どうにか出船に漕ぎつけることができた。船長「はい、いいよ~」水深100mほどの沖まで出て、釣り開始。仕掛けをボトムまで落とし、ロッドをしゃくる。底を叩きながら、根に沿って流していく。けん「底の方の潮が速いみたいです。底潮が速いと魚が根から出てこないので何も食わなくなります」オモリを150号から200号に変えてみることに。どんどん風が強くなり、万事休すか…と思ったら、けんちゃんのロッドのティップがわずかにクンクンと動いているような?けん「アタってます」一気に巻き合わせすると…。けん「よし、掛かった! オオカミだろこれは!」ファイトの末、100mのボトムから上がってきた巨体は水面でヌラヌラと身をくねらせていた。船に上げられると、観念したのか、切腹前の武将のように潔く落ち着いている。一見、怪獣っぽくてグロテスクに映るが、よく見るとかわいい顔をしているじゃないか。主食は貝。哀しきモンスターは深い海へと帰された。