船宿記録となる143cmを釣り上げた常連の方に、テンヤ釣りのコツについて聞いてみたところ、まず指示棚まで落としたら、細かく竿を叩くいわゆる“ノンストップバイブレーション”を行いながらリールをゆっくり巻くそうだ。〝叩く〟というより〝小突き〟に近いイメージと言っていた。そのままリールを巻いていくそうだが、リールの巻き抵抗に変化があったらそこが〝潮境〟になるそうで、その場所でリールから手を離し竿を叩き続けるという。これを〝定点バイブレーション〟と表現していた。この〝定点バイブレーション〟に移行した後、なんと3分間ほど叩き続けるそうだ。その後叩くのをやめて、数十秒間アタリを見る。そこでアタリがなければ再度棚まで落として同じ方法を繰り返すとのこと。この話を実演と共に聞いていたところ、定点バイブレーションのあとに止めを入れた瞬間、なんと話の通りに121cmのドラゴンサイズをヒットさせた!3分間叩くというとかなり長く感じるが、これが大物を引き寄せる秘訣なのだろう。また、どの釣り方にも言えることだが潮の変化する〝潮境〟を見つけられるかどうかも重要な要素になりそうだ。前半は夏タチサイズの数から中盤から後半は型狙いで、竿頭は31匹、次頭30匹、ドラゴンサイズも複数釣り上げられ、今季のタチウオの好調さが伺えた。アタリがあってもなかなか掛けられない場面もあったがこれもまたタチウオ釣りの楽しさの一つだろう。テンビン、ルアー、テンヤどの釣り方でもそれぞれにゲーム性がある。一つの釣り方を突き詰めるのも良し、別の釣り方にチャレンジしてみるのもまた良し。様々に楽しめる東京湾のタチウオ釣り、好調な今を逃さずぜひチャレンジしていただきたい!