場所を移動してからのひと流し目。「トントントーン!」と目印が気持ちよく引き込まれたかと思うと、強烈な「ギューン!」。海産らしい何段も続く立て引き。「デカイ!」。寄せる場所もなく引き抜くしかない!竿のシナリを最大限に生かし、なんとかタモインに成功した!手にした鮎は先程とは別物で、プリップリの良型メス鮎だった。瀬の中で掛かったこともあり、やりとりもスリリングだった。ここからなんと5連チャン!ポイントさえしっかり抑えれば、入れ掛かりが始まる。流す筋を少しずつ変え反応のない所では粘らず、見切りを早くすることがキモだ。反応のある所ではしつこく何度でも追ってくるので、粘るべし!さらに上流の瀬に入った相方も良いペースで掛けている。言葉を交わさずとも「サイコーだね」の言葉が聞こえてくるようであった。 掛かっては強烈な引きにパニックを繰り返す私。バタバタと釣りをしていると、ここで痛恨のミスが発生!竿を担いだ時に、木にラインを引っ掛けてしまったのだ。無事回収できたものの水中糸に傷が入っている…。「切れるほどではないか…!」と、そのラインをそのまま使ったのがまずかった。こういう時に限って、というヤツである。直後に、今日イチのアタリがあったのだ!竿は大きく曲がり、オトリ鮎が顔を見せた瞬間のことだった。「プッチーン!」。どんぶり~思わず切れた~と叫んでしまった(泣)。ラインを張り替えることを怠った結果である。改めて丁寧に釣りを進めていくことの大切さを感じた瞬間であった。夕方になると少し風が吹くこともあったが、これは許容範囲。されど寒い!でも寒いけど釣れる…やめられない(笑)。心頭滅却!釣れた瞬間は寒さも忘れるというものだ。そして、いよいよ目印も見えなくなってきたタイミングでも、井田鮎たちの活性は最後の最後まで落ちることなく激しく追ってくる。最後に手にした1尾は、今シーズンの富山釣行を締め括るに相応しい体高のある美しい良型鮎であった。 強風の中、神通川へ向かった方々も素晴らしい釣果を出していた今日。まだまだ元気な鮎たちで溢れる富山河川。でも、終わりは目前。灼熱の暑さの日も、荒れた嵐の日にも負けずに最後の最後まで私たちを楽しませてくれた。帰り道、茜色の夕日は綺麗でちょっぴり切ない… 別れを告げるのは名残惜しいが、次の世代へとしっかりと命を繋いでもらい、また来シーズン力強い富山の鮎たちに会えることを楽しみにしよう!