船長は「大きく移動します」と城ヶ島西沖に船を向けた。僚船が10隻程固まっていた。「ハイ、70~80m」。今度は浅い。右舷ミヨシの佐藤さん(さいたま市)は2、3回とシャクった所で「乗った」と言い、そのままリーリングに入る。数えると4点。時折、ブッシューと爽快に水鉄砲を噴いて上がって来る。「これがイカ釣りだ」と言って、直ぐに仕掛けを再投入する。そして次も4点掛け。急に乗りが良くなってきた。水深も70~90m。イカは先ほどより小型になった感じだ。左舷側を離れていたので、目黒さんに状況を聞くと、「6点掛けが有りました」。イカが固まっているのか、誰かが釣れば、他の人も乗せている。濃い群れに当たった証拠だ。右舷の佐藤さんが又も6点掛けを取り込んだ。右舷トモの半沢正吉さん(大和市)も3点掛けを達成。その後は又静寂な時間が戻り、ポツリ、ポツリの拾い釣りに逆戻り。最後に、日和田さんが単発で釣り上げたところで沖上りになった。7点掛け、6点掛け、5点掛け!最初に行った城ヶ島沖では苦戦したが、城ヶ島西沖に戻って、多点掛けを連発。7点掛け、6点掛け、5点掛けと「これがイカ釣り」と言う光景も目に出来た。何と言っても、多点掛けがイカ釣りの醍醐味。釣果はトップ27杯、20杯と続いた。「今日は、潮が濁り過ぎ。潮次第で状況は一変するよ。ツノのサイズは14cmと18cmを持って来て、状況で使い分ければ良い。これからは水深が深くなって行くので、18cmで良いかも知れない。直結仕掛けは“サワリ”を感じたら静かに巻くだけ。多点掛けをしようとして竿を揺するのはダメ。“サワリ”が分からないとイカを捕るのは難しい」と、船長はスルメイカ釣りの“勘どころ”を教えてくれた。夏の風物詩、“イカ暖簾”、これからがシーズン本番、是非出掛けて頂きたい。