その後、タナは徐々に浅くなった。タチウオがさらなる移動を開始したのだ。頃合いを見計らって船長は岸寄りの水深50m前後に船を移動してアンカーを入れた。このエリアのタチウオは海底の溝を通って深場から浅場へ向かうという。したがって溝の位置を把握し、その真上に船を持ってくることが出来るかどうかで釣果に大きな差が出る。アタリが乏しいのか付近を迷走する船も見える中、『第八幸松丸』は順調に釣果をのばしていった。タナも更に上がり、最終的には海面下30mでアタリが出るようになった。午後10時に沖上がり。トップは37匹、以下35匹、31匹と続き船中トータル285匹の好釣果。ただし、調子がよかったのは餌釣りで、ルアーはトップが17匹と苦戦した。ところが、翌日は餌のトップ27匹に対しルアーは40匹と完全に逆転。その日の条件次第で状況は大きく変わる。万全を期するならば1つのスタイルにこだわらず、臨機応変な対応を心掛けたい。