右舷ミヨシ(船首)で竿を出したが、1時間余りは餌さえ取られない絶不調な状況。それに反して、左舷ミヨシの上乗りさんは、この1時間で6、7匹のフグを上げている。たまにある(よくある?)、構築してきた自分の釣技の崩壊の瞬間だが、今回初めて訪れた“湾フグ”釣りの老舗、『野毛屋釣船店』で、このままでは、自分が許せない。オモリを重くして向かい風にキャストしたり、はたまた軽くしてアタリを出そうと攻めるも、上がってくるのは付けたままの餌だけ。そんな状況を打破しようと、過去の“湾フグ”釣りの経験の引き出しを引っ張り出し冷静に分析、その中の誘いのバリエーションの一つに反応があり、餌が空になって上がってきた。その誘いをヒントに展開し、それからの2時間足らずで“ツ抜け”を果たすことが出来た。最高の白子率と凄腕船長フグを捌いているところを見せて頂くと、8割近くのフグが白子を持っており驚かされた。そしてこの日、船長は1度もポイント移動をすることなく、トップは30匹を超えるフグを釣り上げていた。噂に違わぬ凄腕、そして今季の好調振り、大貫沖のポテンシャルの高さを窺わせた。周年狙える“湾フグ”だが、白子は今が真っ盛り、7月初旬位までは十分に楽しめるとの事。是非、出掛けて頂きたい。