かくして、この日の竿頭は3杯を手にした櫻井さん。今季6回目の釣行で、最高は1日7杯。「例年より数は多い気がします」と今季の釣況を振り返った。長竿釣法はもともと釣り座による釣果差を軽減するために考案された野毛屋発祥のスタイル。この日も胴の間の櫻井さんが竿頭だったことが、その効果を裏付けている。取材日は船中14杯と釣果の谷間だったものの、翌日は船中23杯・釣果1~5杯オデコなしとしっかり復調。今後も賑わいが期待できる。野毛屋のアオリイカ乗合は例年5月まで楽しめる。釣り場が比較的浅場で仕掛けの上げ下げやエギ操作がしやすい今の時期は、まさに入門に絶好のタイミング。貸し竿は長竿よりやや短めで、初心者でも扱いやすい仕様。まずはこれで感覚を掴み、慣れてきたら長竿へ移行するのもいいだろう。“シャクってズドン”の高揚感と、イカ界最高級と折り紙付きの味覚──アオリイカの中毒性は、実際にやってみないことには伝え切れない。ぜひ、この好機にチャレンジしてほしい東京湾が誇る魅惑のターゲットだ。