「夕立になると、葉についた虫が落ちやすくなる。アントが多くて、大きいフライへの反応が悪くなる。だんだん小さなアントを食う。スレもあるが。」渓の状況を包括的に捉え、冷静にアセスメントする杉坂らしい視点だ。視聴者の中には「フライフィッシングに興味はあるが、何から始めればいいかわからない」という人もいるだろう。かつての私もそうだった。画一的な“正解”ではなく、季節と流下物の関係を感じ取り、それを模したフライを使うことで、より深く日本の源流域に入り込む──それこそがこの釣りの魅力だ。「今年のように早く渓流へ入れると、5月中にいい思いをした人が翌週も翌週も来る。有り得ないくらい入渓者が多く、魚が抜かれ、スレてしまう。過去7〜8年で一番ひどい。」何気なく語られる冷徹な分析は秀逸だ。源流域のフライフィッシングの在り方だけでなく、釣り人としてどのようにサステナビリティを体現すべきか──その示唆の重さに、感謝の念すら覚える。来たる“大源流時代”に備え、知識と技術の醸成を怠ってはいけない。