今シーズンは10月からと、例年よりかなり早くからアマダイを追いかけてきた『庄治郎丸』の世古勇次郎船長。この釣りのコツを尋ねると「マメにタナを取ることと、アタリがあったら面倒くさがらずに餌のチェックをすること」。この日も徐々に水深が浅くなる“カケ上がり”の流しや、徐々に深くなる“カケ下り”の流しなど、様々な地形を多彩な流しで攻める船長のアプローチを活かすには、20~30秒に1回はオモリで底を確認することが、タナボケ防止とアマダイへのアピールにつながるようだ。また、餌のオキアミの頭を取られると“本命”の釣れる確率が下がるので、電動リールの機動性を活用して、マメに仕掛けの入れ替えをすること。これが魚への誘いや道糸の出し過ぎ、オマツリを防ぐ好循環へと繋がるようだ。この日の竿頭は、船中1匹目を釣り上げた近藤さん。40cmオーバーの良型を頭に“本命”7匹と大健闘。取材日後にも、53cmというトロフィーサイズの大物が上がっている『庄治郎丸』のLTアマダイ。寒さが厳しさを増すこれからの季節、常にあれこれ考えながら身体を動かすこの釣りに、冬の釣りを敬遠する釣り人もきっと寒さを忘れることだろう。抜群な食味!!繊細なアタリを取るゲーム性に加え、この釣りの魅力は何と言ってもその“食味”にある。京料理では「グジ」と呼ばれる最高級魚。酒蒸しや昆布締め、小振りな個体はウロコを引かずに姿揚げにしてもオツだ。カワハギやマルイカなどテクニカルな釣りのファンは勿論、虫餌が苦手な女性アングラーにもとっつきやすいアマダイ釣り。この釣り味と食味を覚えてしまったら、冬の釣りがもっと楽しくなること請け合いだ。