5時間の釣りで海面から60m前後の反応と30m前後の反応の2群れを攻略したこの日。常連さん曰く「いつもより渋い」とのことだが、竿頭は餌釣りの室崎さんで33匹。ルアーのトップは18匹の小林さん、ルアーとテンヤの駒形さんは25匹とお土産には充分。餌釣りの室崎さんに数釣りのコツを尋ねると、深い釣り場では2本バリの仕掛けで追い食いを狙い、浅場では1本バリで手返し良く釣るとのこと。加えて、餌を更に削いで薄くする。釣りバリを「フリーノット」と呼ばれる“首振り結び”にする。潮が濁った時には夜光のパイプをチモトに入れるのも室崎さんの一工夫。東京湾では食い渋りの原因にもなるチモトの保護パイプだが、高活性な駿河湾の夜タチウオには不可欠なアイテムと言えるだろう。食いの立った時は勝負の早いジギング、食い渋ったらじっくり餌釣りという両刀遣いも、『第八幸松丸』の混合乗り合いなら思いのままだ。夜タチウオ、本格シーズンはこれから!「ここ1ヶ月前から良くなってきた」と今シーズンを語る松坂孝憲船長。「太いハリスの方がイイですよ、絶対!」とフロロカーボンの14号を薦める船長は、漁の時には30号まで使うと言う。「夜のタチウオは、ある程度レンジ(タナ)が決まれば、誘うというより仕掛けをフワフワさせればグーっと勝手に引っ掛かって来るんで、餌釣りではとにかく軟らかい竿を使うこと。サンマ(餌)の時はアタリが1回あって合わせたら餌は無いと思って間違いないから、常に餌を確認することですね」(船長)。この“静の釣り”から見えてくる何種類かのアタリや触りから、“本アタリ”の出し方や、ハリ掛かりへ持ち込む合わせのタイミングなど、夜タチウオでは実釣の中で色々なことを試すことが出来る。小生にとってはこれまで何年も費やしてようやく見えてきたことが、この“早夜船”では一晩で総ざらいできたイメージすらある。釣り味は勿論、下ごしらえもカンタンで様々な料理が楽しめる冬のタチウオ。『第八幸松丸』では例年2月一杯まで楽しめるそうなので、東海エリアの方々はもちろん、首都圏のタチウオファンにも、東名高速の空いているこの時期に是非ともチャレンジして頂きたい。ちなみに船長も被っている「DG」マークの“幸松丸オリジナルキャップ”は、1kg以上のタチウオを釣るとプレゼントされる。腕に覚えのあるみなさん、お見逃しなく!