困難から入れ掛かりへと、ドラマチックなイカ釣りの展開を堪能したこの日。ヤリイカ釣りのコツを艫居正悟船長に訊いた。「まずは“仕掛け”。ヘンなのを使わなければ良いと思います。次に“誘い”。誘って止める。止めて、乗るのを感じることです。ヤリイカはシャクるんじゃなくて、誘う」。気さくで賑やかな常連さん達とは対照的に、言葉少なだが重みのある船長の指南。覚えておきたい。「土、日は初心者の方も多いです。上乗りも乗るのでご安心ください」(船長)とのことなので、これからイカ釣りにチャレンジしてみたいビギナーにも最適だ。今回健闘した稲村さんご一家。実はイカ釣りを始めて1年半だそうだが、仕掛け捌きも誘いも上級の域。本人の努力は勿論だが、これも陰日向に釣り人を支える船宿の賜物と言えるだろう。5月頃までロングランで楽しめる南房総のイカ釣り。抱卵して味覚も釣り味も真っ盛りのこの時期、釣り物候補に是非お薦めしたい。