この日の竿頭は本ガツオ8匹、キメジ4匹、ヒレナガカンパチ1匹の音喜多さん。釣行と言えば主に「銭洲」か「イナンバ」に通っていると言う音喜多さんが持ち込んだタックルは、キャスティングとジギングの2セットのみ。ジグは「シルバー1色あれば良くなってきた」と至ってシンプルだ。「遠征船に乗ってる釣り人はマナーが良い。せっかくの休日だから気持ちよく楽しみたい」と語る音喜多さん。言われてみればこの日の船中も肌感として“譲り合い”のムードがそこかしこに感じられた。“遠征=憧れ(めったに行けない)”という印象を小生は抱いていたが、気負わず過剰を削ぎ落とせば、決して夢見るだけの嗜みではないのかも知れない。『勉強しない子どもより、遊びを忘れた大人の方が心配』と言われる現代。夜に家を出て、帰宅するまでの24時間。携帯電話の電波も届かない紺碧の海に夢を追いかける“大人の休日”をご提案したい。