例年に比べ水量が少ないためか、魚からの反応は薄い。しかし、ここからが本番である。「二川合流」に到着し、逸る気持ちを抑えながら水深のある淵の底波に餌のマグロを送り込んでいく。そして数投目、アタリがあり合わせると重量感が伝わってきた。竿は弧を描き、糸鳴りが聞こえてくる。数分の格闘の末、タモ入れできたのは51cmのニジマスだった。狙い通りの魚に感動したが、まだこのポイントには大型いるはず。気を引き締め、サイズアップを目指し下流の淵尻に仕掛けを流していった。待望のアタリはすぐに訪れた。目印が止まった。合わせるとハリ掛かりした魚が水中で大暴れする。竿を絞った次の瞬間仕掛けが宙に舞った。確認するとラインがスパッと切れていた。魚にハリス部まで飲み込まれたのか、又は暴れた際に歯で切られたか。とにかく「悔しい!」のひと言。風も強くなり心が折れかけたが、経験上犀川の魚はバレても2度目までは同じ餌に喰いついてくる。「今日は釣れるまで帰らないぞ」と心に決め、ハリス部を二重撚りにした仕掛けを流し続けた。途中30cm級のニジマスを追加、先程の大物の反応を待つこと40分。ついにアタリが来た!!合わせると魚は大暴れを始める。間違いなく先程の魚だ。暴力的な引きを何とかいなして、無事にタモ入れに成功したのは、55cmのニジマス。しゃくれた下顎には先ほど切られた私の仕掛けが刺さっていた。