クロムツもオニカサゴも、100m以浅の比較的浅場での釣りを展開した取材日。この釣りのコツを渡辺英雄船長に訊いた。「クロムツって基本的に暗い内は90m位まで餌獲りに上がってくるんですよ。で、明るくなると段々深場へ落ちていく。暗い内はまずタナを探るんですよ。極端な事言うと、海底から20m位まで浮くこともある。そんな時に底を釣っててもタナが違う。だからデッドスローで誘いを入れながら巻き上げて、アタったら『この辺の水深だな』って、誘いを止めてゆっくりハンドルで巻き上げる。誘うと魚の歯でハリスや幹糸を切っちゃう。掛かった魚の動きでフラッシャーは動いてるんで、ゆっくりゆっくり巻くだけで追い食いする確率が上がります」との事。一方、オニカサゴについては「まずは餌でしょうね。餌の造り方。巧い人ほど泳ぐように(薄く)綺麗に造ります。もうひとつは出来れば本当は(竿を)手持ちで誘って貰った方が喰うよね。自分の誘いに反応して喰わせた方が面白いんじゃないかな」。この他にも船長は知識豊富な上に説明が非常に分かり易いので、分からない事や船上で手詰まりになったらアドバイスを求めるのが得策だ。かくして、この日の竿頭は見事オニカサゴを仕留めた遠藤さん。クロムツ17匹と大きなカンコやアジでクーラーは賑やか。この釣果でも渋めの日並みとの事で益々楽しみだ。比較的“浅場”で楽しめ、使い慣れたタックルで挑めるお手頃な中深場釣り。獲物は味に定評のある魚たちばかりなので、是非とも寒さ対策と新型コロナ感染予防対策を万全のうえチャレンジ頂きたい。