毎年、この“渓流バトル”では、アユの放流イベントも行なわれる。『那珂川北部漁業協同組合』では、アユの定着率や釣れ具合などを調査するために放流前の小さなアユのアブラビレをカットして放流すると言う取り組みをしている。選手やスタッフ、河原に遊びに来ていた人達が皆で協力して、小さなアユのアブラビレをカットするという地道な作業を行なった。こうした川を愛する皆さんの努力によって、那珂川は全国に名を轟かせるアユ釣り河川となっているのだ。釣り人自身がこのような“川作り”に直接参加出来ることはとても稀だ。今回のような取り組みは、釣り人にとっても「遊ばせてもらっているフィールドを守っていく」ということを、改めて考えるとても有意義な時間となったことだろう。山、川、魚の美しきフィールドをいつまでも守っていきたいものだ。是非、今シーズン那珂川に釣行の際は“アブラビレのチェックを!”。カットされたアユなら、この日放流されたアユが無事成長したことが確認出来たわけだ。因みに、今シーズンは近年稀に見る天然アユの遡上数が確認されているという。帰り道、とうとうと流れる夕暮れの那珂川を横目に、これからの釣りシーズンに期待せずにはいられなかった。