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神奈川県・相模湾のキハダマグロ&本ガツオ、コマセ釣りで大興奮

2019年09月01日公開

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神奈川県・相模湾のコマセで狙うキハダマグロ&本ガツオの釣果が安定して来た。8月上旬迄は活イワシのフカセで狙うスタイルやトップで狙うルアー釣りが圧倒的で、8月1日のコマセ釣り解禁当初はコマセに見向きもしない状況だったが、後半に入り釣果が出始め、本ガツオも好調になり、キハダマグロは大型が多いという。小坪港『太郎丸』に出掛けた。

【この記事を書いたライター】山口 充

この釣りを手軽にしたタックルの進化

神奈川県逗子市にある小坪港は歴史も有り、綺麗に整備された港である。アクセスは横浜横須賀道路・逗子ICから一般道のルートと、朝比奈ICを降りての一般道ルートも有る。
この釣りの人気が出た要因は何と言ってもタックルの進化。自分達が「マグロ」を狙っていた昔に比べるとまるで別物。竿は大幅に軽量化、ショート化が進み、細身でグリップ部分まで軽量化されている。ただ、必要以上に短いとヒット時の取り回しが厳しくなる事もある。我々の時代は、長い物が基本だったが現在は様々なタイプが発売されているので、「体力的な部分か、操作性か」で自分に合った長さを選ぶと良い。リールは大型電動リールが主流。数年前まで、大型電動リールと言えば巻き取りパワー重視でローギアの為に、マグロ&カツオのスピードに対応出来ずに竿のテンションが抜けてしまう事も多かったが、最近ではマグロに対応するパワーとスピードを両立したタイプが発売される様になった。道糸はPE8号。強度が出ているので、負担は結び目やスナップサルカン、ハリス、ハリに掛かる事になる。クッションゴムは使わないので竿とハリのマッチングが勘所になる。マグロ用片テンビンにオキアミ用ビシ80~100号、船宿に確認。ハリスはカツオ狙いの場合は14~18号フロロ、マグロは22~26号、フロロとナイロンラインが有るがナイロンなら1ランク上でも大丈夫。ハリの締め込みが肝心なので使うハリと組合わせて考えたい。長さは3~4.5m。

楽しみ方が変わって来た!?

この日は、偶然にも大手釣具店の研修会で右舷側の釣り座が店員さん、左舷側が一般の釣り人で満船。賑やかな船上となった。港に船が着くと舵を握る高橋良至船長が釣り座、コマセの準備をしてくれる。支度が終わると船上レクチャー。毎日沖に出て状況から傾向、釣り方までレクチャーしてくれるのだから有りがたい。経験者でも話を聞くとその日の勘所が見えて来るはず。大きいのは、手軽にキハダマグロ&本ガツオを狙える状況になった事。一昔前は、「経験者、玄人」の釣りだったが、こう言ったレクチャーなどが功を奏し、仲間同士でワイワイと楽しく支度をしている姿を見ると時代は変わったなと感じた。準備が終わり午前6時に出船、ポイントまで40、50分との事。

 

まずは本ガツオがヒット

航程は案内よりも短く30分程で準備のアナウンスが入る。各港から出船して来た各船が集結し始めた。「水深30m前後、カツオの反応です」を合図に投入。ミヨシ(船首)にはルアー組がメタルジグ、エビングでスタート。足が速いので当たらなければ直ぐに潮周り。数回目にヒット。右舷、コマセ釣りの釣具店店員の浜口さんにヒットした。「初めてなんですよ」と言いながらビッグファイト。経験者の仲間が色々とレクチャーしながら無事ネットイン。2㎏の本ガツオ。更に同じく初チャレンジの女性スタッフ岩田さんにもヒットした。サポートも有って無事キャッチ。満面の笑みで嬉しそう。数回潮周りして再び本ガツオがあちらこちらでヒット。エビングチームにもヒットした。「アタリは多いんですけどバラシが多くて」と苦戦していた様だがワームの位置など見直してヒットに繋げた様だ。ヒットしたタナは25mレンジで、船長の指示ダナも30~20mとの事。1投目で上手くコマセワークがその位置に合うとヒットに繋がりやすい。右舷側にヒットが多い様で数匹の本ガツオが取り込まれた。しかし、バラシも多くタイミングによってフッキングが甘くなる感じに見えた。それでも本ガツオの活性は高くベテランはハリの形状やハリス等を変更してヒットに繋げていた。

後半は左舷側にアタリ連発!

中盤からは良い反応に当たると左舷側でもヒットが多くなり大型カツオも上がった。岩田さんに「エビングでアタリが多いという事は、餌のボリュームにヒントがあるかも」と伝えると、付け餌の大きめのオキアミを数匹ハリに付ける。するとヒット。数回のバラシが有ったが本ガツオを再びキャッチ。サポートしていた裕さん、高木さんにも本ガツオがヒット。太って美味しそう。暫くすると「20~30がカツオの反応、40~50がキハダの反応です」とアナウンスが有り、裕さん、高木さんは仕掛けを変更。アングラーがどちらかを選択して勝負となる。嬉しい事だがマグロの仕掛けにもカツオがヒットして来た。左舷側コマセ釣りでキハダがヒットしたがハリが伸ばされて残念。そして後半、メタルジグで狙っていた井上さんにキハダがヒット。ロッドが曲がり、リールから勢いよくラインが出されて行く。船の回転灯が回り「キハダヒット!」のサインが出される。井上さんはミヨシから取り込みやすい胴の間(中央)に移動。上がって来たのは27kgのキハダマグロだった。
午後1時半、沖上がりとなった。本ガツオは0~5匹、キハダマグロは27kgが1匹。ここに来てすっかり安定した感のある相模湾のキハダマグロ&本ガツオ。是非楽しんで頂きたい。

今回利用した釣り船

神奈川県 小坪港 『太郎丸』
〒249-0008 神奈川県逗子市小坪5-23-3-3611
TEL:0467-22-7662
定休日:毎週月曜日 ※祝祭日除く 釣果・施設情報 太郎丸 ホームページ

出船データ

予約乗合・キハダマグロ&本ガツオ
料金:1万2,500円(オキアミ餌付き)
出船:5時30分集合、揃い次第6時頃出船
定休日:月曜日
※詳細はお問い合わせください
・氷・コマセ・仕掛け付きです※深場仕掛け:1,000円
・貸し竿、貸しタオル、カッパ、ロッドキーパー無料
・電動リール付き貸し竿:1,000円、深場電動リール:2,000円
・弁当おにぎり:300円
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

山口 充
プロアングラーとしてテレビ出演、企画、撮影、雑誌執筆やカメラマンをこなしながら「旅と釣り」をテーマに日本中を釣り歩く。公益財団法人日本釣振興会神奈川県支部長・普及振興委員会。2016年JGFA・MVPアングラーズアワード受賞。伝統の和竿「横浜竿」を使い、2020年IGFAタチウオ世界記録を獲得。
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