釣りビジョン

2015.5.15号

かめだや・東京都羽田
東京湾奥・LTアジ。春の濁り潮に乗って、絶好調!!

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大田区・羽田『かめだや』は、LT(ライトタックル)アジの“一日乗合船”(7時30分~15時)を出している数少ない船宿だ。半日釣りでは物足りないと言う人にとって有り難い。春の濁り潮が入って来て、海水温も上がり始め、水深も20m前後の浅場で釣れる様になって来た。良型が釣れているとの情報で5月8日(金)に出掛けた。

アジの旬は、年2回!

5月。関東では桜も散り、色とりどりのツツジに主役が入れ替わった。海の魚も、春から夏の釣り物に変わる端境期。しかし、『かめだや』ではアジ船を周年出している。アジの旬は一般的に5~6月の“産卵期”と、10~11月の“脂の乗る時期”を言う。LTアジは、細いラインと軽量な道具立てでアジのパワーをダイレクトに感じ、スリリングなファイトが楽しめる事でファンも多い。ゴールデンウィーク明けの8日(金)、平日にもかかわらず、私を含め12人が乗船した。定刻の7時30分、羽田空港を左手に見ながら、ベタナギの海を滑る様に釣り場へ向かった。

船宿『かめだや』
「第12号」がLTアジ船
船宿の目の前が港

出だしから好調!

航程40分程で横浜沖。「ハイ着きました。始めて下さい。水深は20.5mです。下から2m前後でやって下さい」と、舵を握る野口勝弘船長からアナウンス。ベイブリッジ、ランドマークタワーが近くに見える。右舷胴の間(中央)の小森谷聡さん(久喜市)が、奥さんのしげみさんにコマセの撒き方などを丁寧に教えている。聞けば「LTアジは今回で3回目」との事。船中第1号は、左舷ミヨシ(船首)で、スポーツ新聞のAPCでもある小菅義弘さん(横浜市)が18cm前後のアジを取り込んだ。船長はすかさず「型が出ましたよ」とマイクで告げる。左舷トモ(船尾)寄りでもリールを巻き出した。勢いよく「エイッ」と抜き上げると、アジはハリから外れ、足元に転がった。次の投入でもアジを掛け、早くも2匹目が桶の中で泳いでいる。「連休中は余りパットしなかったが、今日は出だしから好調」と船長もホッと胸を撫で下ろす。小振り中心ながら、最初の流しから船内のあちらこちらで取り込んでいく。

40号ビシと船宿特注仕掛け
青イソメと赤タン
イワシのミンチ

口の横に掛かると、バレ易い

船長は食いが渋くなると、場所移動を繰り返す。水深は21m。右舷トモから2番目で22cmを取り込んだ。先ほどより型が良くなった。見渡すと、コマセが効いて来たのか、ポツリポツリと良型が上がり出した。右舷ミヨシ(船首)でアジを抜き上げた人が船縁でバレてしまった。他の人も、時々バラしている。アジは口周りが弱く、掛かりどころによってバレ易い。一定のテンションで巻き上げる事が重要だ。左舷胴の間の人は、慎重にタモを使って取り込んでいる。

この時期では、良型の部類
女性でも手軽に楽しめます!
仕掛け図

9時を回る頃、入れ食いタイム!

9時を回る頃、25cm前後の中型が入れ食いになった。左舷の小菅さんが23cmと25cmの良型を一荷(2点掛け)で取り込んだ。タタキ、塩焼きに丁度良いサイズだ。俄然、コマセを撒く腕に力が入る。右舷の小森谷隆さんに“ゲスト”のシログチ(イシモチ)が上がった。この魚はアタリが明確に出るので、どんな大きなアジかと脅かされる。身は淡白で血抜きをして持ち帰れば、カルパッチョや昆布〆、フライ等で美味。奥さんのしげみさんは26cmの良型アジを釣り上げた。コマセが効き、群れが固まったのだろう。小菅さんも25cm級を取り込んだ。左舷胴の間でも取り込んでいる。同じ所で釣っていると、段々アタリが遠くなるため、船長は小まめに移動を繰り返す。

「ヨッシャー!」一荷だ!
中間報告です。25、26cmが良く釣れました
コマセを皆で撒けば、良く釣れる!

コマセは軽めに!

ベテランの小菅さんにアジ釣りのポイントを聞くと、「コマセをあまり詰め過ぎると、出が悪くなるので軽めに入れる方が良い。餌付けは、アオイソメの場合、全部のハリに付けると、仕掛けが絡み易くなるので、先バリだけにした方が良い。ハリにチョン掛けし、2cm程度垂らせば充分」との話。竿捌きを見ていると、底から50cmでコマセを撒き始め、タナ1.5mでアタリを待っている。独自のアタリダナを見つけた様だ。

バラさないようタモで掬いました!
シログチ。嬉しいゲスト
塩焼き?刺し身?食べ頃サイズです

移動直後は小振り、段々良型が釣れ出すパターン

“魚釣らせ隊長”。野口勝弘船長
10時半頃、水深は19m。最初に18cm前後が数匹釣れたと思ったら、いつの間にか25、26cmの良型が中心になり、又々入れ食いになって来た。一荷釣りも増えてきた。小菅さんが取り込んだアジを実測したところ28cm。ライト竿で、このサイズがハリ掛かりすると、取り込むまでのスリルは満点。竿は胴から曲がり、キュンキュンと竿先は海面に刺さり、何度もリールを巻く手が止められる。小森谷聡さんも一荷で抜き上げた。左舷でもアジを一荷で取り込んだ。全体を見ると、25cm前後の良型が中心に釣れている。型は選べないが、数を釣るには、コマセワークと、手返しが釣果を左右する。午後2時を回る頃、干潮の潮止りで、アタリが間遠くなり、15時の沖上りの時間となった。

釣果は16~52匹!

“春潮”に乗り、濁り潮が入って来た。船長は「今の海水温は19.5度。もう少し潮温が上がり、安定すればコンスタントな釣果が期待できる」と太鼓判を押す。皆さんが釣ったアジは、総じて、25、26cmの肉厚アジが中心で、小型は2割程。湾奥の脂の乗った絶品マアジ。是非出かけてみては如何だろう。

(釣りビジョンAPC・飯妻武夫)

今回利用した釣り船
東京都羽田『かめだや』
〒144-0043
東京都大田区羽田2-31-13
TEL:03-3741-1258
定休日:毎週火曜日(祝日は営業)
詳細情報(釣りビジョン)
かめだやホームページ
出船データ
LTアジ乗合(当日受付)
出船時間:午前7時30分 沖上り:15時
乗合料金:9.500円 割引制度:女性・中学生以下割引有り
仕掛け:150円/個(2組入り)
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