釣りビジョン

2015.11.1号

弘漁丸・茨城県日立久慈港
茨城県・日立久慈沖の一つテンヤ・マダイ、絶好調!

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都心から2時間弱、思いの外アクセスが良いのが、茨城県・日立市にある久慈港。その久慈港の『弘漁丸』は、4月から11月まで一つテンヤマダイに専念している。大船長、若船長、女将さんの3人で切り盛りしているアットホームな船宿だ。春と並ぶ好シーズンの秋真っ盛りの10月18日(日)に出掛けた。

『弘漁丸』名物「花札くじ引き」で釣り座を決める

まだ薄暗い午前5時。久慈港の一角に集まった釣り人たちの前に登場するのは『弘漁丸』の女将さん。20人以上の受け付けをテキパキと済ませると、始まったのは花札?と思いきや、めくった札の裏には番号が書かれている。釣り人はその番号順に好みの釣り座を指定していくという仕組み。これなら釣り座を巡るトラブルもない。

受付
くじ引き
釣り座

19tの「大さん弘漁丸」は、満船でもゆったり

当日は乗合船(船名「大さん弘漁丸」)20人、仕立て船10人の満船。私が乗船した乗合船は19tの大型船とあって、20人の満船でも狭さは感じない。数日前まで10mを超える強風予報だったが、風は比較的弱く、天気も晴れ。1.5mほどのウネリはあるものの、予測していたよりもはるかにいい。5時30分に出船、20分ほど走ってパラシュートアンカーが投入される。水深は28m、潮の流れは0.3ノット。船長から「根掛かりに注意して下さいね」というアナウンスが入り、午前6時にスタートした。

弘漁丸
朝の投入

ショウサイフグ連発から抜け出して“本命”へ

スタートして間もなくアタリが出始めるが、ほとんどがショウサイフグ。「朝一番から“税金”徴収だね」とベテラン勢は苦笑い。しかし、右トモ(船尾)で小ぶりながら“本命”が上がると、船の後部を中心に釣れ出して来た。潮はさほど速くないので6号テンヤでも底を取ることは難しくない状況。『弘漁丸』のレンタルロッドを使い、一つテンヤに初挑戦という飛田さん(ひたちなか市)も“本命”を釣り上げた。レンタルロッドがしっかり用意されているので、気軽に一つテンヤを楽しむことができる。

右トモで船中1枚目
当日のアベレージサイズ
飛田さん1枚目

ミヨシでもマダイ連発!

朝は北寄りの風、およそ5m。潮の流れも相まって、船は南西方向へと流れる。つまりトモから入っていく状態なので、当然のごとくトモ有利の状況。しかし、いぜんとしてショウサイフグが多く、“本命”は時々顔を見せる程度。そんな中、いくらか流れが変わったのか、それとも後ろの人がショウサイフグを釣って“邪魔者”を片付けてくれたのか、ようやくミヨシ(船首)でもマダイが顔を見せるようになり、左ミヨシ2番目の鈴木さん(福島県石川郡)も“本命”連発!

広々としたミヨシ
鈴木さんは連発
ミヨシの三森さんにもマダイ

エビ餌は料金に含まれている
テンヤは8号中心に5~12号
嬉しいコーヒーサービスも

大さんの“さん”は“三本の矢”!

久慈港で一際目立つ19tの「大さん弘漁丸」は、つい先頃山形の船宿から購入したもの。「大さんの“さん”には、三本の矢って意味があってね、ウチは自分と智ちゃん(女将さんの智子さん)と、息子の大輔の3人でやってるから“三本の矢”なんだよ」と小泉秀彦船長。「パラシュートアンカーは大、中、小の3つあって、程々に流れる大きさを選んで入れてくんだけど、今日はあんまり流れないねぇ。今日みたいに釣りやすい日は良くないんだよぉ」という正直な言葉に船長の人柄が伺える。そして、出来るだけ快適・安心に釣りを楽しんでもらいたい、という船長の気持ちは、20本あるレンタルロッドや探見丸(スマートも装備)、そして釣り船では珍しいA.E.D装備などからも窺い知れる。

小泉秀彦船長(左)と仲乗りの鈴木孝彦さん(右)
大さん弘漁丸
片舷10人でも狭さを感じない

釣り船では珍しいA.E.D装備
初めてでも安心、レンタルロッドも充実
探見丸スマートも使用可能

美味しい“外道”は一つテンヤの楽しみ

午前8時30分、マダイのアタリが遠のいたと見た船長は、この日最初の流し替えをする。スローで北へ走り、8時50分に再びパラシュートアンカーを投入。ショウサイフグの邪魔が少なくなったがマダイも上がらない。しかし、左トモの飯島さん(土浦市)の竿がしなる。中々の引き。上がって来たのは、なんと立派な“尺メバル”。その前の釣り座にいた栗原さん(栃木県下都賀郡)にも“尺メバル”、さらにその前でも“尺メバル“と3連発!嬉しい“外道”だ。

飯島大助さん “尺メバル”
栗原健治さんも尺メバル
“尺メバル”3連発

最後の流しは連発モードも

“尺メバル”フィーバーなどもあったが、中盤を過ぎてもマダイはポツリポツリといった感じ。天気はさらに良くなり、潮の流れも遅くなってしまった11時、3回目の流し替えとなる。これが功を奏して、クジ引きでラストを引いてしまった大金さん(宇都宮市)が、何と胴の間(中央)で“本命”3連チャン!それまでは底ベタ狙いが良かったのだが、大金さんは誘いを少し変えようと底から3m程まで大きく上げたとのこと。他でも連発する人がいたり、ヒラマサと思われる魚をバラす人がいたりと、最後の流しは賑やかになり、12時半の沖上がりとなった。

鈴木さんは最後に3連発!
胴の間で連発中
最後の流しで飯島さんにマダイ

グッドサイズのアカメフグ
アイナメも姿を見せた
船上で集合写真

まだまだ秋の数釣りシーズン。潮が変われば期待できる

今回は、潮の流れが緩かったせいか、竿頭は4匹が4人と釣果が散らばった感じだったが、何と言っても秋は数釣りシーズン。潮が変わればまだまだ期待が出来る。20人乗りの「大さん弘漁丸」なら、4、5人グループでも並びで釣り座を確保しやすく、別船の仕立ても可能だ。秋のひとつテンヤを楽しみに、ゆったりした雰囲気の久慈まで、ちょっとだけ足を伸ばしてみるのも悪くない。帰港した後のそば(うどん)を食べながらの釣り談義も楽しいですよ。

11月いっぱいまではひとつテンヤに出船
港では美味しいそば&うどんが待っている
仕掛け図

(釣りビジョンAPC・柳澤輝夫)

今回利用した釣り船
茨城県日立市久慈港『弘漁丸』
〒319-1222
茨城県日立市久慈町1-2-16
TEL:0294-52-3504
携帯(船長)TEL:090-3211-1767
詳細情報(釣りビジョン)
弘漁丸ホームページ
出船データ
ひとつテンヤ乗合船=1万円
午前5時集合   沖上り:12時30分
※餌&氷&昼食付き
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