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<南房・洲崎のイサキ>浅場で良型!クーラー満タン!千葉県洲崎港『佐衛美丸』

2025年05月21日公開

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2025年初夏。今、とりわけ注目したいターゲットが「イサキ」だ。各地の釣果情報に「規定数達成」の声が連日並び、アングラーの間でも盛り上がりを見せている。さらに「港のすぐ前で釣れ始めた!」との情報も入り、房総半島の先端・洲崎港「佐衛美丸」へと急行した!

アクセス良好、洲崎港!

『佐衛美丸』が停泊する洲崎港は、富津館山道路の「富浦IC」から車で約25分。カーナビ利用の場合は「千葉県館山市洲崎1392」と入力すれば迷わない。房総フラワーライン(県道257号)で洲崎灯台の入口を通過して少し走ると、右手に洲崎港の入口がある。旅館や洲崎神社の看板が目印だ。

この時期の集合時間は午前4時20分。受付は港にある『佐衛美丸』のコンテナで行われ、その周辺に車を停めて乗船料の支払いと名簿の記入を済ませる。受付後は氷を受け取り、徒歩1分もかからない乗船場所へ道具を運ぶ。あとは乗船準備が整うのを待つだけだ。

出船時刻が近づくと、船長から予約順に名前を呼ばれる。名前を呼ばれた順に乗船し、空いている釣り座を選んで荷物を積み込む。各釣り座にはコマセ桶や魚を入れる桶、付けエサ一式が理想的な配置でセットされており、初心者でも安心。こうして出船準備は滞りなく整い、『第12佐衛美丸』は4時45分に出船した。

出船からわずか5分、好釣の一日が始まった!

洲崎港を出てほんの5分足らず。洲崎灯台や港の風景を背に、港前のポイントに船が止まった。船長のアナウンスを合図に期待の第1投。

最初に竿を曲げたのは、右舷ミヨシから2番目の渡辺さん。上がってきたのは27cmの良型イサキだった。これを皮切りに、船中のあちこちで30cm超えを含む良型が次々と取り込まれていく。

その後、潮が速まりアタリが遠のいたため、船は沖合の水深30m前後のポイントへ移動。ここでは25cm前後の“塩焼きサイズ”を中心に追い喰いが活発で、ダブルヒットやトリプルヒットが連発。数釣りを楽しむ展開となった。

9時頃、潮が落ち着いたタイミングで、船は再び港前へ。タナ15m前後の浅場での釣りに切り替わる。ここでも好調は続き、この日最大となる37cmのイサキも登場。次々と良型が取り込まれ、9時を過ぎた頃には定量(バッグリミット)の50匹を達成する釣り人の姿も見られた。指示ダナをしっかり守り、追い喰いを待つだけで良型が釣れ続ける。ベストシーズンの開幕を感じさせる“絶好釣”を満喫した。

 

船長に聞く、イサキ釣りのコツ

3月1日からスタートした南房のイサキ釣りについて『佐衛美丸』早川忠信船長に話を聞いた。

──今季のイサキ、例年に比べていかがですか?
早川船長「イサキはね、去年はダメだったけど今年は良いですね。特に今年はね、小さいのが居ないんですよ。お客さんにも言われます“イサキが大きすぎる”って」

実際に、取材日も1.7号のハリスを切られる場面が何度か見られた。型が良いぶん、仕掛けを太くしたくなるが、太ハリスにするとアタリが減るというジレンマがある。ここはタックルバランスと釣り手の技術の見せどころとなる。

──これから始める方にアドバイスするとしたら?
早川船長「タナは道糸で取るってことですね。“イサキはタナで釣れ”ってよく言いますよね。あとはこまめに竿を振ることです。やはり身体を動かさないと、それなりに。せっかくハリが3本あるんだから、タナで喰わせて、喰ったところで竿を軽く振って、竿先を下げてやる。そうすると2つ、3つと付く。3匹ずつ掛ければ10回で30匹ですから」

佐衛美丸では、例えば「タナは水面から18m」といったように、明確な指示ダナがアナウンスされる。

仕掛け投入後は、指示ダナ+仕掛け長(例:18m+3m=21m)を道糸のメーターマークで測り、そこから1m刻みでコマセを振りながら指示ダナに合わせる。タナに仕掛けを置いたら、ただアタリを待つのではなく、時折竿を煽って誘いを入れることでアタリが出やすくなる。

さらに、アタリがあってもすぐには巻き上げず、追い喰いを待つのも大事なテクニックのひとつ。コマセ釣りならではの“数釣り”を楽しむコツでもある。

基本的な釣り方は、港を出てから釣り開始までの間に船長から丁寧なアナウンスがある。理解しているつもりでも、あらためて耳を傾けることで新たな発見があるかもしれない。

数・型・味覚、いずれも文句ナシ!

かくして、洲崎港の港前、水深20~40mの釣場を廻ったこの日。みなさん好釣果で規定数達成が4割。ほとんどの釣師が40匹以上を釣ってクーラーは満タン。大漁の心地よい疲れと共に笑顔の沖上がりとなった。

取材後も規定数達成は当たり前、浅場で釣れ続く好釣の情報が後を絶たない。数も型も期待出来る今期の南房イサキ。その味覚も絶品で、全身に程良く回った脂質が何とも滋味深い。定番の塩焼きや煮付け、なめろうにして水なますにするのもお薦めだが、カルパッチョやアクアパッツア、ムニエルなどの洋風メニューにもよく合い飽きが来ない。

今年の初夏は旬の釣り味と味覚を求めて、南房総のイサキをお楽しみ頂きたい。

今回利用した釣り船

千葉県洲崎港『佐衛美丸』
〒294-0316 千葉県館山市洲崎1-228
TEL:080-8095-1991
定休日:第2・4水曜日
釣果・施設情報 佐衛美丸ホームページ

出船データ

イサキ乗合
乗船料金:12,000円(コマセ・エサ・氷付き)
時間:集合4:20 出船5:00(揃い次第)
※釣り座は予約順(乗船は船長から声が掛かってから)
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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