2025年09月09日公開

夏休み遠征釣行も終盤に差し掛かった8月半ば、高知県を目指した。その頃、日本列島には前線が停滞し全国各地に大雨を降らせていたこともあり、初日の釣りはお休み…となってしまったのだが、夏の大祭「よさこい祭り」を見物する機会があった。そこで目にしたのは、雨にも負けず踊り続ける土佐の踊り子たち。弾ける笑顔と熱気で、雨音をかき消すかのように鳴子を響かせる姿は、竿が出せなかった寂しさをかき消してくれ、背中を押してくれた!翌日はきっと好転しているはず!いざ、土佐の清冽な鮎フィールドへ!
救世主現る!大雨をすり抜けた増水、濁り無し河川へ!
朝になると雨は上がっていた。まだ数日は不安定な予報ではあったが、こうして雨が上がると希望が持てるというものだ。ダメ元ではあるが、川チェックに行くことにした!
お目当ての仁淀川、物部川は予想通り大増水で断念。しばらく竿出しは難しそうであった。最終目的地であった安田川に辿り着いても、かなりの雨量があったようで川はまるでコーヒー牛乳(泣)。
はてさて、2日目も釣りはお休みか…?と思っていたところに地元の友人から「釣りできるよ!」との連絡が入った。ナナナント!「増水なし、むしろ渇水、濁りなし」という河川があるとのことで、さっそく合流することに。指定された目的地は奈半利川上流部の支流。連絡をくれた友人はすでに川の中にいた。短竿必須の小さな川ではあるが、確かに濁りもなく、橋から覗き込めば石も磨かれており、鮎たちが追い合う姿もちらほら。
こんな河川を目の前にするとじっとなんてしていられない。さっそく友人の案内で遊漁券を購入し、ポイントへ向かった。小さな流れだが、トロ場や瀬、チャラと、ポイントはバラエティに富んでいる。そのまま友人オススメの場所に入ると、5分もかからずにHIT!小さな河川だったので勝手に鮎も小さいと思い込んでいたが、中々の良型である!しかも隣に入った友人は怒涛の入れ掛かり~スタートだ!お見事!
その後、相方も良型鮎を手にし満面の笑み!掛かる鮎はしっかり追って掛かり、引きも強い!そして何より魚体が美しかった。流れのある場所での反応が良く、竿を入れにくい場所に入れれば一発だ!小河川と侮るなかれ。鮎は沢山いるぞ!トロ場では追い合う鮎たちの姿が目視できた。飽きない程度に鮎は釣れ続け、大満足の1日となった。友人たちがいなければ今日も竿を出すことは出来なかっただろう!友よ!楽しい時間をありがとう!
回復が早いぞ安田川!上流で良型現る!
一夜明け、翌日。この日は今釣行の最終目的地となる安田川をチェックしに行くことに。すると、水は笹濁り。前日はあんなに茶色く濁っていたのに、まさに驚異の回復の早さである。やや増水気味ではあったものの、竿出し可能な状況だ。さあ、いよいよ毎年恒例の「安田夏合宿」が始まる!…とはいえ、やや増水気味ということで安全第一に!ということで、アニキの案内で〝増水時でも釣りがしやすい〟ポイントを目指す。
到着すると、そこは携帯の電波も一切入らぬ山深きエリアであった。しかし釣り場は広く開けている。手前には広いチャラ瀬が続き、左岸側には大石の入った深場や瀬がある。オススメは手前のチャラとの事。早速竿出し少し流れが強かったので背針を装着。相方はちび錘で。瀬肩から始めた私は反応なしの時間が続いた。しかし下流の流れの中で竿を出した相方は何と入れ掛かり~!何とも良いペースで掛けているではないか!しかも目印ぶっ飛びの気持ちよさそうなアタリを堪能している。
相方が譲ってくれるというので、遠慮なく「はい!移動します!」と下流に入れてもらい再チャレンジ!すると来ました「ズバ~ン!目印ぶっ飛び!」。一瞬にして目印は水中へと吸い込まれていったのだ。「ヤッホ~イ!」なんて気持ち良いアタリなんだ!流れの筋をズラせば連チャンも!型も良いものばかりだ。その後、お昼を過ぎると反応がイマイチになり、代わりに対岸ヘチトロ場に入ったおじさまたちの入れ掛かりが始まった!遠目で見てもかなりの良型鮎。瀬の芯は垢が飛びどうやらヘチの残り垢狙いが正解のようだ。
移動した先の馬路村では午前中だけで40尾オーバーの釣り人も!
午後になり反応も薄くなってきたのでポイント移動。上流の馬路村を目指した。見える釣り人は数人。すると河原から私の名前を叫ぶ声が!何と竿を出していたのは友人であった(笑)。早速一緒に釣りをすることに。友人は朝からこのポイントに入りすでに40尾オーバー!流石の腕前である。
アニキからも「馬路は鮎が多いぞ!」と聞いていたので楽しみにしていた。ここは垢もほとんど飛ぶことはなく流れの芯でも掛かるそうだ。棚の落ち際を狙えば好反応!「ガガ、ズドーン!」。ここでも強烈に目印がぶっ飛ぶ!掛かった鮎は下流のものより大きく体高があり、素晴らしいパワーで楽しませてくれた。入れ掛かりとまではいかないがこの状況でこの釣果は、やはり安田川のポテンシャルの高さを感じずにはいられない。ポイントムラもさほどなく、どこでも満遍なく掛かるのが馬路村の印象である。
いよいよ夏晴れ!引き水ゴールデンタイム到来!
全国的に大雨による増水に悩まされる状況が続いていたが、ようやく安田川も夏らしい日差しが戻ってきたようだ。川も日に日に回復し、引き水の好条件となってきている。とにもかくにも、友人とのんびり竿を出し「やすだじかん」を楽しむとしよう。
まだ水は高めだったので、友人は安全なポイントを案内してくれた。気の合う仲間との釣り時間は何物にも変え難い楽しい時間だ。苦戦する私を見つけるとポイントを教えてくれ、元気なオトリもそっと手渡してくれる。仲間に感謝しつつ、譲ってもらったポイントに向かうとオトリを出した瞬間、竿までぶっ飛びそうな爽快なアタリが!そこから3連チャンである…。「これぞ、安田鮎!」と言った体高があり背中の尖った海産鮎のパワー。夕方近くになると活性は一気に上がり、午前中反応の薄かった瀬の芯で連チャンが始まった!1尾1尾激しいアタリで、流れを味方に竿を大きく曲げる!最高!の言葉しか見当たらない!
水況が落ち着いてからは上流部の荒い流れでは大釣りも!垢とびしている場所もあったが、安田川全体で掛かりが良くなり釣り人達を満足させていた。
〝有終の美〟にて終了
早いもので夏休みも最終日。この日は、前日に友人が入って「よく釣れた」ポイントを教えてもらった。上流には水深のあるトロ場が広がり、下流は3つに分かれた流れがある。私は腰まで浸かり左岸のトロ場を目指した。
こういうポイントはいつも以上に丁寧な釣りが強いられ難しい。オバセを上手く調整し、誘導しないと中々思ったところにオトリは行ってくれないのだ。さらに、オトリの元気さが最重要!決して弱らせてはならないのだ!
スーっと流れを越えて、左岸の石が詰まるポイントにオトリが入った瞬間、「ズコーン!」と、目印がぶっ飛び、良型鮎が飛び出したのだ!午前中はポツポツといった感じであったが昼からは入れ掛かりありのゴールデンタイムに突入!瀬でもトロでもチャラでも反応が良い!そして弱いアタリの鮎なんて1尾もいない。どの鮎も豪快なアタリと引きを楽しませてくれる。
とにもかくにも、最後の1尾まで大満足な安田釣行となった。離れ難き鮎、離れ難き川、離れ難き友!福井、滋賀、四国と釣り歩いた2025年の夏休み。どの鮎も1尾1尾思い出したくなる最高のものとなった。友よ!鮎よ!今年も眩しき夏をありがとう!これにて私の夏休み…完。
施設等情報
施設等関連情報
日釣券3,000円 年券10,000円
「奈半利川」
日釣券3,000円 年券6,000円
この記事を書いたライター
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