2025年09月05日公開

今期の東京湾で「絶好調の釣り物」といえばシロギスだろう。手軽に楽しめる「船釣りの入門」として人気の釣り物だが、ここ数年はビギナーには釣りにくいシーズンもあり、少々マニアックな釣りという印象を持っている方もいるかもしれない。しかし今シーズンは春先から夏まで好釣をキープしているのだ。多摩川の河口付近を拠点とする『かめだや』から出船。釣行の模様をレポートさせていただく。
車でも電車でもアクセス良好!
車の場合は、首都高速横羽線・羽田出口で降車。出口を進むと交差点なので、東京方面からの場合は右折、横浜方面からは左折。そのまま進み産業道路を左折して川崎方面へ向かうと「大師橋」が見えるので、そのたもとにある「左側の測道」を進み、突き当りが多摩川沿いの土手。左折すると船宿が見える。羽田ランプより約1.2km。
電車を利用の場合は、京浜急行空港線の大鳥居駅より徒歩10分。
駐車場は宿の近くにあるので、荷物を降ろして移動。乗船名簿を記入して受付。船は目の前の船溜まりに停泊している。
釣り道具について
タックルは、長さ1.8m前後の7対3調子のシロギス竿に、小型スピニングリールを組み合わせる。道糸はPE1号前後。
天秤仕掛けと胴付き仕掛けの2種類があるが、浅瀬の場合、キャストして広範囲を探る釣りになるので、仕掛けが長い天秤仕掛けの方が吸い込みも良く分がある。仕掛けの全長は90cm前後、ハリスは0.8~1号前後の2本針で針はキス用の6~8号。これにアーム長7~9cmのシロギス用片天秤を組み合わせる。オモリは15号。
胴付き仕掛けは、幹糸2号前後、全長50cmにハリスは1号、長さ30cm前後で1本針をメインに使用。こちらは水深のあるポイントや根廻りを狙う場合に有効だ。
エサは青イソメが配られるが、この時期はパワーイソメ等、人工エサも効果が高い。
スタート直後から連続ヒット
まずはシロギス船を担当する鈴木祥太船長に状況を聞いてみると、「各船、盤洲の方で釣果が上がっていますから、そちらに向かってみます」とのこと。水深の浅い場所が好調のようだ。
午前7時30分に出船。水門を潜り多摩川へ。途中、羽田空港の離陸や着陸する飛行機を間近で見る事ができる。これも『かめだや』に乗船した釣り人の特権であり、映えスポットとしても知られている。多くの釣り人がスマホで撮影していた。
航程約40分で木更津寄りの盤洲に到着。鈴木船長の合図でスタート。水深は8m。各釣り人は軽くキャストして広範囲を探る。すると一投目から数人にアタリがあった。好調とは聞いていたが、確かに凄い。急いでカメラの準備を進めた。釣り場は極めて浅いので、アタリが明快。見ていても「あっ、アタった」とすぐにわかる。和竿を使い楽しんでいた人も一投目からシロギスを上げていた。
引き続き、左舷側、右舷側共にアタリが多く次々にシロギスが上る状況。仕掛けを見ると天秤仕掛けの人が多く見受けられた。水深の浅い場所でキャスト重視の釣りになるので、天秤仕掛けがマッチしているようだ。
今期は「ピンギス」が多く、釣果の上振れはそれが影響してのことかと思っていたのだが、今回はほとんど「ピンギス」は交ざらなかったことに驚いた。それもアタリが明確に出る要素のひとつだろう。
誘いを掛けるとすこぶる反応が良い!
アタリがなくなると潮回りをして再スタート。すると、またすぐにアタリが出始める。シロギスのサイズも22cm前後で、時折ひと回り大きい23cmサイズがヒットしてくる。また、ダブルも多く各自釣果を伸ばしていった。
そんな中、メゴチこと「ネズミゴチ」の良いサイズが上がった。「この魚は最近見ないですね。サイズも良いし美味しいし最高ですよ!」と笑顔の釣り人。その後、良型ネズミゴチが数匹上がった。
潮が弛んでからは少し喰い込みが悪くなった様子であったが、それでも誘いをしっかりと行い「喰わせの間」をつくることで確実に針掛かりさせていたのが印象的だった。
「このペースなら数人が束釣りになるのでは?」というほどのペースで船中の多くの釣り人が数を重ねていった。途中、潮が緩くなると「サバフグ」の活性がアップするシーンもあったので、アタリが続かないようなら仕掛けを点検するべし。
とにもかくにも、この釣りはビギナーやファミリーでも十分楽しめそうだ。エソやホウボウなどのゲストフィッシュが交ざるのも楽しみのひとつである。
生エサが苦手なら人工エサでも好反応!
記者も竿を出す事にした。「この喰いなら」と人工エサの「パワーイソメ」で挑む事にした。天秤を使い2本針でキャスト。時折鋭い誘いを入れて喰わせの間を取ると一投目からヒット。
取り込んで再キャストすると、またまたハッキリとしたアタリがあり連続ヒットとなった。アタって針掛りしなかった場合でも、再度誘いを入れて喰わせることでヒットして来るほどの高活性状態。人口エサのエサ持ちの良さを活かし、数釣りを継続することができた。
周りのアオイソメを使用している釣り人と変わらぬペースで、50匹を超えた所で手持ちのパワーイソメがなくなったので釣りは終了。ここで船長はポイントを大きく変更し、型を狙いにいくことになった。これが大正解でアベレージサイズがアップ!アタリの数こそ少なくなったが23cmクラスがアベレージに。
そんな中、隣の方の竿が大きく曲がり、明らかに大型らしき魚がヒットした!上がったのはなんと25cmの良型。「これを狙いに来たんですよ!」と鈴木船長。有終の美でこのまま沖上がりの時間となった。
最高の釣果に恵まれたこの日、トップはなんと114匹。恐らく数狙いのポイントで続けていれば数人が束を超える釣果を上げていたことだろう。しかしながら、大きいシロギスは風格があり引きも強い。浅いポイントならさらに釣り味倍増だ。
今期のシロギスは当たり年。サイズにも期待が持てるうえに、何より絶品!ぜひチャレンジしていただきたい!
今回利用した釣り船
出船データ
出船:7時40分
料金:大人男性9,300円/女性7,500円/中学生以下5,000円※エサ・氷付き
沖上がり:15時頃
レンタル:貸し竿 無料 ※破損・紛失は実費
送迎:JR京浜東北線「蒲田駅」東口 7時発
※詳細は問い合わせ
この記事を書いたライター
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