2025年09月11日公開

鮎釣り師の界隈では、この時期になると必ずと言って良いほど「神通川」の名があちらこちらで囁かれる。そして、今シーズもようやくその便りが聞こえてきた。そう、〝神通フィーバー!〟である。連日のように〝大釣り〟の釣果が報告されているとあらば、行くっきゃない!と一路、富山県を目指せば数多の釣り人と、それと同じ数の鮎竿がズラリと並んでいた! 富山県内の河川が禁漁まであと一カ月に迫った夏の終わり…今年はどんな神通鮎に出会えるのだろうか?毎年ポテンシャルの高さを存分に発揮してくれるこの川には、期待を抱かずにはいられない。 目指せ、良型の入れ掛かり~!
新垢のベストタイミング!鮎の多さは圧巻!
この川で何度も一緒に楽しい時間を過ごしてきた〝アニキ〟も、この好機を逃す筈がないだろうと思っていたら…やっぱりいました(笑)。約束をしていなくったって会えるのだ(笑)。ということで、今回もアニキと竿を出すことに!
事前情報と、オトリ屋さんの話によれば空港周辺が良いとのことで、さっそくそちらに向かってみることに。道中、川を見ればすでに多くの釣り人があった。変化のあるポイントや瀬、瀬肩は人気で釣り人が密集している。
私たちが向かったのは空港の下流域に位置する高速橋周辺。上流に比べて比較的混雑しておらず、特に右岸側は釣り人も少なくポイントも選べそうな雰囲気だ。入川したポイントは手前に浅瀬の分流があり、下流には婦中大橋が見える場所。立ち込みや川切りが苦手な私にとって、今回のように大規模なポイントでは、いかに釣り動ける範囲があるのかが重要なポイントとなってくる。ここは手前の水深が浅いので、私でも分流を切ることができ、上下に広く探れると判断した。
そしていざ川へ。すると、そこには驚きの光景が!石はピッカピカ、水の中には踏むほどの鮎の姿が…!歩を進めるたびに「ワシャーワシャー」と鮎が逃げ惑う。想像を超えた光景が目の前に広がっていた!とにかくもう、目の前の流れの中でうごめく無数の鮎に私の目は大喜びである(笑)。
浅瀬のヘチで上飛ばし!怒涛の入れ掛かりだ!
まずは分流を渡り、浅瀬の中洲側から水深のある右岸に向けて探っていく。渡渉している最中も、とにかく鮎の数が多くて「踏んでしまうのではないか?」と心配になったくらいである。さらに、渡り切った中洲のヘチにはさらに多くの鮎の姿が!「この鮎の数、ど~なってんの~??」と、あっちにも鮎、こっちにも鮎で、目移りしてしまうような状況だ。
逸る気持ちを抑えつつ丁寧にオトリを足元から送り出す。すると、50cmいや30cm程泳がせた頃合いだろうか、いきなり「スッコーン!ギラリン!」と、足元で早速1尾目の鮎がヒットした。決して大きくはないが、アタリは明確。引きも爽快で、追星はクッキリの「マッキッキー」である!ここからなんと3連チャン!幸先の良い滑り出しだ。
オトリが泳ぐ間も無く針を引ったくる神通鮎には圧巻!と言うしかない。「連日束釣りがでている」と聞いていたのにも、納得である。この釣れっぷりを見て、いつも装備している背針を外し、手返し重視で臨むことにした。
あらゆるポイントに鮎はいるが、もちろんすべての鮎が追ってくる訳ではない。追いの強い鮎は比較的流れが走るポイントで多く見られた。流れの緩いトロ場では、鮎はいるものの反応が薄かった印象である。上手くパターンを掴むことで怒涛の入れ掛かりが頻発し、数を伸ばすことができた。
背掛かりが少なくバレも多い…午前中にこの問題を解決できるか!?
周りを見渡しても、そこら中で連チャンしている状態で、多くの釣り人がオトリ交換ばかりしたように思う。恐るべし神通川!である。
さらに、ポイントもいくらでも釣り返しがきいた。反応が悪くなったとしても、少し時間をおけば、また同じポイントで連チャンが始まる。まさに〝鮎が湧く〟ほどの高活性状態の川であったが、中でもひと際〝怒涛の入れ掛かり〟状態となっていたのが橋の影によってできる明暗部である。ここへオトリを導けば、強烈なアタリの後に、良型鮎が連チャンに次ぐ連チャン!目印を一気に引き込む、海産鮎のパワーは何度味わっても決して飽きることはなかった。
しかし、今日の釣行で1つ問題が!それは、背掛かり率が少なかったこと。ハリスの長さを変えても、針を色々試しても、とにかく顔付近で掛かることが多かったことに加えて、バレも少なくなかった。これは、この日違うポイントに入った友人たちも口を揃えて言っていたのだ。この状況を改善することもできぬまま、午前中の釣りが終わった。
瀬の中で追い活発!背掛かりも増えたぞ!
午後になると、水温は思ったよりも高くならず、曳き舟で休ませていた午前中に釣った鮎たちはすこぶる元気であった。後半戦も「入れ掛かり~!」となるのか!?
下流へとポイントを変え、分流から本流へと注ぐジャラ瀬へ。ここは広く浅い流れが続き、小石がポコポコと顔を出す複雑な流れになっていた。さらに、鮎の数も相変わらずで、流れの中を歩くだけで恐ろしい程の引数を確認することができた。しかしながら、最初の1時間ほどは「入れ掛かり~」!…とはいかず、ポツリポツリと釣れる時間が続いた。「遂にパラダイスは終わってしまったか~」と思ったが、14時30分頃から徐々に反応が良くなってきた!
小さな流れにオトリを入れれば明確な前アタリからの~「ズドーーーン!」。目印が吹っ飛ぶ!しかも午前中とは異なり、バッチリ背掛かりしている。しかも良型だ!この1尾を皮切りに再び入れ掛かりが再開。小場所には必ずと言って良いほど、追いの強い鮎が着いており釣果を伸ばしてくれた。上流のアニキも、下流の相方も良いペースで竿を曲げ始めている。15時30分を過ぎるとさらにペースアップし、もうただただ無心で〝立つ〟〝しゃがむ〟の繰り返しである…足が痛い(笑)。嬉しい悲鳴。曳き舟に掛かった鮎を入れれば、中の鮎が飛び出そうになるほどであった。
瀬の中でも、掘れ込みがある流れの中では比較的良型鮎が多かった印象だ。しかし瀬落ちの深場では鮎の姿が多く見られたものの、掛けるまでに時間が掛かってしまいペースダウン。どうやらこのポイントでは、ある程度浅場の方が掛かりが早く効率が良いようだ。目視できる鮎を見ても浅場のヘチに鮎が寄っている感じであった。
「このパラダイスはいつまでも続くのか?」と思うほど、楽しい時間は長く続いていたが、気づけば真っ赤な夕陽が水面を照らし始めていた。すると「そろそろ今日は終わりですよ!」と言わんばかりに反応が薄くなり、ヘトヘトになった私たちはズッシリと重い曳き舟を引きずり川を後にしたのであった。
例年に比べ鮎の数が多いこと、そして釣れている現状に釣り人が多いことも相まって、人気ポイントでは良型は抜かれ、小型の鮎も多いが、足を使いポイントを探ればまだまだ良型鮎にも期待が持てるだろう。日本海の短き鮎釣りシーズン。どうやら最後の最後まで素晴らしい輝きを見せてくれそうだが…どうぞお急ぎ下さい!漁期は残り僅かとなっています!神通川の見逃せない夏の終わりがここにある!
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この記事を書いたライター
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