オフショアマガジン
2016.8.1号

明広丸・千葉県御宿岩和田港
船上の水掛け祭りへGO! 岩和田沖“夏イカ”開幕!!

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夏は暑い。人間とはワガママなもので、いくら着込んでも冷える冬は「寒いからこの時期の釣りはちょっと…」と尻込み、毎年のように記録更新される猛暑の夏は「暑いのでこの時期の釣りはちょっと…」と腰が引ける。そんなことじゃダメだ! 四季があるのは日本のよさだ! そう思い直し、暑さを満喫すべく、飴色のモンスター“夏イカ(スルメイカ)”ゲットを目指して外房・御宿岩和田港の『明広丸』へ出掛けた。

梅雨も猛暑も中休み

『明広丸』は船着場で午前3時に集合し、船長から駐車票を受け取って、漁港入口の駐車場へと車を移動する。停泊した船の目の前まで車で入ることが出来るので、何かと荷物の多いイカ釣りには助かるシステムだ。
予約乗合なので、荷物の積み込みが完了し次第の出港となる。取材日の7月24日は、潮風が少し肌寒い薄曇り。幻想的な朝焼けの海を走ること40分少々で、最初のポイントとなる岩和田沖・水深140mのエリアに到着した。

船着場の対岸が岩和田漁港の市場
朝焼けの海を走り、ポイントへ
ファーストヒットは伏木さん

一流し目から乗りはイイ……が!?

水深110~140mのスルメイカのタナより少し上、70~90mラインにサバはいるが、うまくサバを避けることができれば着底と同時にイカが乗るという、ヤル気のある群れを明広丸は捕らえていた。ところが、サバやうねりに邪魔をされて、仕掛けが船縁に上がる頃には乗った数から何杯かがバレているというやや難しい状況。さらに複雑な潮流によるオマツリや、ツノを曲げて逃走する天才肌のイカも結構居て、乗りは良いのに取り込めない歯がゆい状況に釣り人たちは悩まされた。

タイミングを逃さず、たゆまぬシャクリを

「今日は難しいね」と笑うのは右舷トモ(船尾)で釣る碓氷金明さん。明広丸にはヒラメ釣りでよく乗ると言う常連さんだが、スルメイカ釣りは5年ぶりの挑戦。「塩辛が食べたくなって」と語るその風情、かなりの通人と見受けた。コンスタントに良型を上げていた山崎隆一さん(足立区)も「ヒラメでちょくちょく来る」という常連さん。着実に数を伸ばしているのでコツを尋ねると「ない」と苦笑い。たゆまぬシャクリとタナの取り直しを根気よく続ける努力が、堅実な釣果へと結びついているようだ。
やがて、魚群探知機に反応はあるもののアタリが遠のきはじめ、船長は勝浦沖へ移動。そこには漁船の船団が形成されていたが、濁り潮を避けて徐々に沖へ沖へ、深場へ深場へと移動していた。

「塩辛が食べたくて」と碓氷さん
手際よく良型を上げた山崎さん
波気のある日は軟調竿に分がある

船宿仕掛けと(右)船長の直結仕掛け
ブランコ仕掛け図
直結仕掛け図

竿頭に訊く釣りの引き出し

この日の竿頭は船中ファーストヒットの伏木健さん(習志野市)。オモリ150号のブランコ仕掛けで一日を釣りきったが、ツノのタイプをあれこれ交換したり、サイズも18cmと14cmを使い分けていた。「バレが多かったのでダブル・カンナのツノも使いました」とのことで、オマツリの少ないタイミングを見計らって、臨機応変なツノの変更が功を奏した。その厳つい風貌とは裏腹に、スルメの肝を崩さないよう、丁寧にイカを捌く姿が印象的だった。

流し換え毎にイカを捌く伏木さん
“沖干し”もこの釣りの楽しみ
状況によってはダブル・カンナも

船上の水掛け祭り、本番はこれから!

うねりや二枚潮に悩まされた取材日。その前々日、カモシ釣りの餌を釣りに出た船長は朝9時までに138匹を釣り上げ、翌々日の釣果は竿頭56匹と上昇傾向。梅雨も暑さも中休みだったが、釣果も谷間の日に当たったようだ。
後藤明広船長に今シーズンの傾向を聴くと、「水深120mから230mを釣るので、オモリは150号から200号を用意し、状況が許す限りは18cmヅノの直結仕掛けを使うのが数を伸ばすコツ」とのこと。この日も120~140mに色濃く良い反応が見られ、今後への期待は大きい。この夏は、沖の涼しい潮風と“夏イカ”の水鉄砲を浴びながら、リオ五輪にあやかって沖干しの万国旗を飾りたい。

難しい日に人生初スルメをゲット
穏やかで親切な後藤明広船長
魚影濃く、今シーズンは期待大!

精算は沖上がり後、船宿で
洗面所とシャワーも完備
船長と談笑する昼食付き

夏イカご用心!

スルメイカは怪物のように獰猛で、乙女のように気まぐれ
沖は涼しいとは言え、夢中になって釣りをしていると陥るのが熱中症のリスク。まめに水分を摂ることはもちろん、程よい塩分の摂取とムリせず休憩を取ることに加え、前夜の充分な睡眠も肝要だ。また、寒い時期と違ってイカが傷みやすいので、釣ったイカは桶に放置せず、白くなる前にしめてクーラーにしまうか、捌いて沖干しにするのがお勧め。また帰り道は、隣接する御宿岩和田海水浴場からの歩行者が結構居るので“脇見運転”にも気をつけたい。

(釣りビジョンAPC・川添法臣)

今回利用した釣り船
千葉県御宿岩和田港『明広丸』
〒299-5105 千葉県夷隅郡御宿町岩和田851
TEL:0470-68-3654
定休日:第1、第3土曜日
詳細情報(釣りビジョン)
明広丸ホームページ
出船データ
スルメイカ乗合(予約制)
乗船料金:1万1,000円(氷、昼食付き)※変動あり、予約時に確認を
集合:船着場に3時 準備次第出船~沖上がり10時30分
※料金等は取材当時のものとなります。出船時間や料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては釣り船までお問い合わせください。
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