釣りビジョン

2016.12.15号

長福丸・千葉県大原港
千葉県・大原沖一つテンヤ・マダイ、数日前に記録魚が!

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その昔、紀州(和歌山)の漁師から大原に伝わったとされるマダイのビシマ釣り。今でも楽しむ釣り人もいるが、PEラインの出現、LT(ライトタックル)の普及から、近年は、軽いテンヤを使った“一つテンヤ釣法”が人気だ。7日、数日前に今シーズンの船宿レコードである8.5kgの大ダイが上がった千葉県・大原の『長福丸』へ出掛けた。

都内からは東金に向かい、海岸線を南下

千葉東金道路を終点で降り、東金九十九里有料道路へ。海岸線へ出て右折、そのまま海を左手に30分程走れば、やがて「大原」の信号が出てくる(海岸沿いの九十九里有料道路は現在閉鎖中)。そこを左折、港手前を右折、港沿いの道を直進すると、右手に『長福丸』の看板が見えてくる。

この看板が宿の目印
宿に隣接した駐車場には、ひときは大きな看板がある
宿の入口には大きく『長福丸』の文字が

待合所では仮眠もできる

待合所に入って右手に受付があり、そのすぐ下に、釣り座の札が掛かっている。その札を取り、乗船名簿を書き、車のキーを壁に掛ける。待合所内には、大型マダイやヒラメの魚拓が何枚も貼ってあり、これからの釣りへの期待感が高まる。因みに、『長福丸』では待合所の2階スペースで仮眠もできる。予約連絡の時に申し出ればよい。

受付下の希望の釣り座の札を取る
乗船名簿を書き受け付けを済ます
受け付けを済ませたら車のキーを掛ける

出船前の港では…

港へ出て3隻舫ってあるのが『長福丸』
待合所を出て車道を横切り、港に出ると、3隻舫ってあるのが『長福丸』だ。氷と餌を受け取り、「第三長福丸」に乗船。一つテンヤマダイの場合は、冷凍されたエビをバケツの中の海水で解凍、スチロールのトレイの角に穴をあけておき、溶け出た水を排水してやることで、エビが水っぽく、軟らかになってしまうことを防げる。

港で氷と餌を受け取る
冷凍されたエビを解凍する
仕掛け図

    

一つテンヤマダイのタックルは?

この釣りでは、穂先から穂持ちが軟らかな一つテンヤマダイ専用ロッドが望ましい。長さは2.4m前後で、2~10号のテンヤを背負える設計になっている。リールはスピニングの2500~3000番、ラインは高品質のPEラインの0.8号前後に、リーダーとしてフロロカーボンの2.5号を5m結節し、その先にテンヤを付けるといったシンプルなものだ。

専用ロッドにスピニング、竿休めも必須アイテム
このシンプルなテンヤで大ダイとも対峙する
この時期は、5号を中心にその前後を

大場所、大原沖を攻める

遠浅な岩礁帯が続く大原沖だが、この日は沖目の水深30mラインから攻めた。航行中、逸る心を抑えながら、テンヤにエビを装餌する。開始の合図と共に、潮上に軽くキャストして、時折サミングし、ラインのループを取るようにしながらテンヤの着底を待つ。ここでテンヤの号数だが、「軽ければよいという物ではない」とは船長。これは後程、詳しく記述することにする。

ベテラン氏の餌の付け方
小型ながら“本命”をキャッチ
イラかな?中々の引きを見せた

基本はリフト&フォール

テンヤの着底を確認、海底から1~1.5m程持ち上げ、テンションフォール、又はフリーフォールで誘うのが「リフト&フォール」で、その日の状況で、ラインを張ったままユックリと落とし込むテンションフォールが良かったり、竿先をストンと落とし、海面上でループになったラインが徐々に張っていくフリーが良い時もある。マダイ釣りには、潮にやや濁りがある方がテンヤを見切られ難いと言われているが、当日は澄み潮、それも海水温が下がってしまい、なおかつほとんど潮が効いていないといった好条件とは程遠い中での釣りとなった。

しっかりと“本命”もキャッチ!
ベテラン氏も手堅く
小さくともマダイに、ホッと一息

徐々に深い水深へと

あまり良いとは言えない条件の中、海底付近の光量が少ない水深35~40mの深場へと船を進める船長。途中、僚船からの情報により向かったポイントでパタパタと釣れ出すが、その後が続かないといった、厳しい状況が続いた。

嬉しい1匹にこの表情
後半ハナダイも交じった
これもハナダイ、小気味よい引きをみせる

シンプルなテンヤだが多彩な誘い

先のリフト&フォールの他にも、「一つテンヤマダイ釣りには様々な誘いがある」と船長。全く別の考え方として、テンヤを海底に置いておく、いわゆるステイの時間を長く取る釣り方が有効な時がある。この場合は重めのテンヤを使って、海底で安定しやすくする。なので、「できるだけ軽いテンヤで」との考え方もあるのだが、先ずは底が取れる最低号数のテンヤを試してみる。そして、底から離れている場合でも食う時があるので、底も意識しながら探ってみる。さらに1号ずつテンヤを重くしていき、底に置いておく時間を少しずつ長めに取ってみるなどの誘いのバリエーションの中で、その日のヒットパターンを探してみるといいという。また、「エビを真っ直ぐに付ける餌付けや、煩瑣なテンヤの入れ替えもなども、釣果アップのポイントだ」と船長。

超高級“ゲスト”のマハタも顔を出した
イサキも大型、これも嬉しい“ゲスト”
最後のポイントでマダイが顔を出した

条件次第でまだまだ狙える

この日は、記録的な大型マダイが釣れた直後にも関わらず状況が一転。自然を相手とする釣りの事、これは致し方無いことだろう。ただ、大原沖のポテンシャルはこんなものではなく、浅場にイワシが入ってきている模様もあり、そのイワシを追って大型マダイがという“Xデー”も近々という感触も十分ある。そんな大ダイのロマンを求め、是非出掛けてみてはいかがだろう。

一生に一度、こんなマダイを釣ってみたい
気さくで、何でも教えてくれる野口 智宏船長

(釣りビジョンAPC・林良一)

今回利用した釣り船
千葉県大原港『長福丸』
〒298-0004 千葉県いすみ市大原9823
TEL:0470-62-0603
定休日:第1・3月曜日
詳細情報(釣りビジョン)
長福丸ホームページ
出船データ
《乗合》
マダイ 1万2,000円(餌・氷付き)
ヒラメ 1万2,000円(餌・氷付き)
フグ   9,000円(餌別・氷付き)
女性  一律9,000円
中学生 割引あり
小学生 割引あり
予約乗合い
無料駐車場有り
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