2026年10月09日公開
神秘の青「仁淀ブルー」。沈下橋から川を覗くと、川底の石まで映し出す透明な川は、今年最後の夏の日差しを受け青く輝いていた。シルバーウィーク、大鮎を追った徳島県吉野川から移動し、高知県仁淀川へやってきた。ここ数年、大雨増水や渇水高水温などタイミングが合わず釣行できなかった仁淀川。今回は、天候、水量ともにバッチリ!久方ぶりにあの雄大で美しいブルーに包まれながらの釣りが叶う。そんな仁淀川で待っていたのは多くの友との再会と清流で育まれた美しい鮎だった。
シルバーウィークの仁淀川は多くの釣り人と観光客で賑わう!
吉野川釣行を共にした友たちと待ち合わせしたのは「フレッシュマートキシモト」さん。いつも元気に迎えてくれる人気店だ。到着すると、既に多くの釣り人で賑わっていた。駐車場も満車と言う盛況ぶり。どうやらこの連休多くの釣り人が仁淀川へ繰り出しているようだ。
まずは人気ポイント「黒瀬」を覗いてみる。河原へ下ると見た顔がいっぱい。地元のチームの大会が催されるようで、多くの友人たちの姿があった。ここで地元の旬な情報を聞き、ポイントを決める。それにしても風が強い。台風の吹き返しがあり、終日4m~5mの予報となっていた。釣れる釣れない以前にこの風を交わす必要がありそうだ。仁淀川の地形を把握している地元の友人に、少しでもこの風を交わすポイントを案内してもらった。
向かったのは初めて入る「浅尾の沈下橋」。釣り人の姿は少ないが、人気映画の舞台にもなっており、多くの観光客の姿があった。早速、橋から川を見ると、欄干周りに良型鮎がわんさかいるではないか!透明度の高い仁淀川では、追い星までクッキリ見てとれる。中にはかなり気の強そうな追い回す鮎の姿も見られ、皆、目が離せなくなっていた。ただ、友人曰く「これだけ鮎が目視できても、掛けるのは難しい」。さあ、久々の仁淀鮎には出会えるだろうか?
丁寧な泳がせと元気なオトリが肝!
川に浸かるとそこはやはり秋。冷んやりと水温は低めであった。友人が、川を見渡して、どこが深い、どこを狙えばいい、など細かく説明をしてくれた。透明度が高いが故、水深がとても分かりづらいのだ。そして、小石底の流れは見た目よりもずっと押しが強く注意が必要だ。十分に気を付けて釣りを楽しんでほしい。
上下流へ別れて釣り開始。私は左岸を釣り上がることにした。入川口から上流へ向かうと石の詰まった変化のある流れ。目を凝らせば鮎が走る姿も見える。しかし、なかなか掛からない。すると、少し下流で立ちこみ、竿を出す友人2人が即掛かり。しかも連発。どうやら右岸側に岩盤があり、そのかけ上がり辺りを狙っているようだ。しかし、中々の水深。私には立ち込めそうにない。安全第一、自分のできるポイントをじっくり探る。
我慢の時間が続いたが、ようやく反応がくる。しかし、竿を立てるのが早かったか?!バレ!もう一度、流れのヨレをフワフワと泳がしていると「スッコーン」と小気味よいアタリ。大きくはないが、仁淀らしい美しい鮎を手にすることができた。この掛かり鮎が実に素晴らしい泳ぎを見せ、明らかに反応が増え始める。小さなヨレを1つ1つ探っていくと、追いの強い鮎がすっ飛んできて掛かる。ペースは決して良くはないが、掛かる鮎の追いは強く、しっかり背掛かり。拾い釣りしながら左岸を上がっていくとヘチの石が真っ黒。多くの鮎の姿が見られた。これは鮎のスイッチが入れば数も出そうだ。何はともあれ、突き抜けるような青空、そして仁淀川のロケーション!素晴らしい鮎時間となった。
小さな波立ち、変化を見逃すべからず!
午後は大会を終えた仲間たちと釣りをするべく黒瀬へ移動。「広~いポイントどこへ入っていいものか?」皆が上流へと向かったので、私は下流トロ場の駆け下がりのポイントへ。右岸に川を切り、竿を出す釣り人はポツポツと竿が曲がっている。しかし、私は苦戦。行けるところまで立ち込んでもみるが、反応を得られない。
少しずつ上流へ移動すると、対岸瀬落ちで入れ掛かる友人の姿。しかも、掛かっている鮎がデカイ!やはりこのポイントも右岸側が好ポイントとなっているようで、多くの釣り人は川を切り、右岸ヘチを攻めていた。「ん~、行きたいが私には川切りが難しいか」。何とか左岸からの竿出しで良いポイントを見つけたい。トロがダメなら流れのある所、右岸に向け落ちていく瀬で竿を出してみる。すると、先程より反応はあるものの、又しても針掛かりしない。見かねた友人が入れ替わり立ち替わりアドバイスをしに来てくれる。「いつもありがとう友よ!」。
そんな中、右岸に立ち込み良いペースで掛けていた友人が戻ってきて、釣りたての鮎を手渡してくれた。その鮎を扇状に送り込むと勢いよく走り出し、「スッコーン!」目印が一気に引き込まれ、大きく竿が曲がった。仁淀ブルーから飛び出た鮎は、黄金色に輝く美しい鮎だった。なんて気持ちの良いアタリなのか。ここからやっと私の循環が始まり、それに加えて活性も上昇傾向、爽快なアタリが続いた。
ここ仁淀川は、小石底で狙うポイントが分かりにくい。仁淀名手の友人に教えてもらったことは、「小さな流れの変化などを見逃さず、竿を細かく入れていくことが大事」。そして、「ヨレに入れたら少しテンションを抜き、泳がせてやることが釣果を伸ばすカギ」だという。その言葉を胸に釣り進めると、先程までどこも変化のない流れのように見えていたポイントにも多くのヨレがあり、どこを狙えば良いのか見えてきた。
陽が傾き始める頃、明らかな活性アップ。トロ場でも素晴らしい引きの鮎に出会うことができ、胸いっぱいの中、仁淀鮎に別れを告げた。四国の真ん中を滔々と流れる目の醒めるような青い流れ、仁淀川。訪れる秋を遮るように降り注いだ最後の夏の日差し。素晴らしい景色、素晴らしい友に囲まれて清流に立つ時間は、これぞ鮎釣りの楽しさだと改めて思い知らされた。また来年も訪れよう、この青き清流に!
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この記事を書いたライター
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