2026年11月02日公開
抜けるような青空に爽やかな秋風。暑すぎず寒すぎず、絶好の行楽シーズンの到来だ。短い秋を満喫するなら、お薦めしたいのが東京湾のカワハギ釣り。今季も浅場で模様が見え始めたとの知らせを受け、久里浜駅からほど近いカワハギの老舗『山下丸』を訪ねた。
久比里『山下丸』は電車・車ともにアクセス抜群
創業70年。『山下丸』の船着場は、久比里・夫婦橋のたもとにある。アクセスは良好。車なら横浜横須賀道路「佐原IC」から約10分、ナビには「横須賀市久比里2-6-10」と入れるとよい。また、最寄り駅から近いも嬉しい。JR横須賀線「久里浜駅」、京急「京急久里浜駅」ともに徒歩約6分。途中にコンビニもあるので、飲み物や朝食の買い足しにも困らない。週末は駐車場が混み合うこともあるため、電車釣行という選択肢も大いにアリだ。
船宿に着いたら、スタッフにひと声掛けてから、船縁に竿を挿すなどして釣座を確保する。続いて、乗船カードに記入して受付で乗船料を支払う。ゴム紐の付いたプラスチック製の乗船札を受け取り、氷券とエサのアサリも貰う。流れはいたってシンプルなので初めてでも心配ないだろう。また、仕掛けも受付で購入できる。カワハギ釣りではフグにハリを取られることもしばしば。予備の仕掛けやハリを多めに用意しておくと安心だ。
荷物を積み込み、エサの下ごしらえを済ませれば、あとは出船を待つだけ。この日は平日ながら予約多数で3隻出し。それでも釣座はゆったり確保されていた。今回乗船したのは「第二十七 山下丸」。受付の対岸に係留されているため、夫婦橋を渡って乗り込む。出船準備も滞りなく整い、3隻そろって定刻に河岸払いとなった。
エサ取りとの駆け引きが面白い東京湾カワハギ
凪の海を走ること、わずか10分。最初の釣り場は鴨居沖。
開始からわずか1分、さっそく竿を曲げたのは左舷トモの小前さん。小気味よいファイトの末、海面を割ったのは色白の良型カワハギだった。その後も各釣座でアタリは続く。だが、上がってくるのはササノハベラやキュウセン、トラギス。そんな中、船中2匹目のカワハギを手にしたのも小前さん。1匹目とよく似た色形で、同じく底から30cmほど仕掛けを浮かせて誘う、いわゆる「ちょい宙」の釣りでヒットさせていた。
ほどなく隣の釣座でも本命・カワハギが上がったが、船長は小1時間ほどでこのポイントに見切りをつけて移動を決断。舳先を竹岡沖へ向けた。15分ほど走って到着した竹岡沖は、水深25m前後。ここでもトラギスやベラといったエサ取りをかわしながら、手の合った釣り人がポツポツとカワハギを拾っていく。
しかし、しばらくすると今度はサバフグの猛攻が始まる。仕掛けを動かし過ぎても、じっと止めていても、気がつけばハリがない。カワハギのアタリを探りながらサバフグは避けたい、一筋縄ではいかない展開だ。それでも、仕掛けをこまめに入れ替えながら好機を見出し、海底の小さな根周りで訪れる時合いを逃さなかった釣り人は釣果を重ねていた。
『山下丸』船長に訊くカワハギ釣りのコツ
「第二十七 山下丸」の坂本達哉船長に、今シーズンのカワハギについて訊いた。
──今季のカワハギ、例年に比べていかがですか?
船長「まだ船長歴が短いですが、例年通りかなぁといった感じですね。竿頭が20匹いくこともあるし、基本ツ抜けはしてもらっている。今の時期はこのくらいで例年通りかなと思います。この先は、夏に生まれた小っちゃいカワハギが、だんだん北の方から集まってくるんで、もっと沢山釣れるはず。ワッペンゲームが始まるんじゃないかな、と期待しています」
──ビギナーやスランプの人に向けてアドバイスは?
船長「秋口に入っちゃえば大丈夫なんですけど、今の時期って結構渋い時間帯もあるじゃないですか。そういう時は、誘い過ぎないこと。あんまり誘っても渋い時は喰わない。待ちの時間、喰わせの時間を長く作ってあげる。かといってず~っと待ってれば良いのかってワケじゃなく、適度にアピールしてもらった後の“喰わせの時間”の比率をちょっと長めに。50~60秒くらいかな。そこでやっとアタリが出てくるって可能性がある。あとは船が揺れるので、なるべく波、うねりにあわせていただいて、竿を上下して貰えると。なるべくだったらオモリが立ってる状態で底に着いてるのをキープして貰えると、アタリが取りやすいかなと思います」
エサを盗られ、掛け損ね、それでも工夫がハマれば答えが返ってくる。この一筋縄ではいかない駆け引きこそ、カワハギ釣りの面白さだ。浅場が中心となる今の時期はアタリも分かりやすく、仕掛けの確認の上げ下げも容易。寒さが厳しくなる前だからこそ、ビギナーにも始めやすい。秋に基本を覚え、冬の最盛期へ。カワハギ釣りを始めるなら、まさに今が好機と言えるだろう。
釣って美味しい!秋の東京湾カワハギを満喫
この日の竿頭は、船中1匹目を獲った小前さんと右舷トモの小野さんで、ともに10匹。平均3~4匹、オデコ(釣果0)ナシという釣果だった。しかも、上がったカワハギは押し並べて型が良く、数以上の満足感に、みなさん笑顔の帰着となった。
釣った後のお楽しみも、この時期のカワハギならでは。身は締まり、上品な旨味が立ち、食味は申し分ない。良型ともなれば肝もしっかり入っているので、生きているうちに血抜きを済ませ、早めにクーラーへ収めておけば、濃厚な肝和えも存分に楽しめる。薄造りや湯引き、煮付けはもちろん、唐揚げや塩焼きにしても実に美味。釣って面白く、食べて嬉しい。秋のカワハギは、まさに2度おいしいターゲットだ。
爽やかな行楽日和に楽しむ、のんびりムードのカワハギ釣り。これから群れもまとまり始め、いよいよ本番へ向かう。秋の釣り物候補に、ぜひ加えていただきたい。
この記事を書いたライター
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込む釣り好き。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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