釣りビジョン

2017.1.15号

幸丸・千葉県飯岡港
新年から飯岡沖のひとつテンヤで『めでタイ』

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元旦以降、何かにつけて日本人は“初”を気にする。多くの釣り人にとっては「初釣り」を何にするか?いつにするか?は大きな関心事だろう。ご多分に漏れず筆者も“初”はやはりめでたい魚にしたいとマダイを意識して選び、実績がある千葉県飯岡港『幸丸』へお邪魔した。

大きな魚の絵の外壁が目印

大きな魚の絵の外壁が目印
幸丸は飯岡港を代表する大型老舗宿。午後船を飯岡港で最初に始めるなど新しい風を次々と導入してきた。実績もあり、人気も高いので、集合の午前4時半よりもかなり前から釣り客が訪れる。そこで、筆者も3時半過ぎに船宿を訪れた。さすがに早過ぎたかとも思ったが、既に待合室で談笑している数名の姿が。
大きな魚の絵の描かれた外壁が幸丸の目印。駐車場も宿の前と、道を挟んだ反対側にもあるので充分。宿に入ると左に待合室があり、自動販売機で乗船券を購入し乗船名簿を記入。そして気さくな向後嗣一当主と受付で最新状況を談笑しながら、釣り座を確保して準備完了。

正面玄関の奥に受付が
広々した待合室。午前船の下船後はカレーが振る舞われる
自動販売機で乗船券を購入

3隻出しの大人気

幸丸は海洋体験学習にも参加して地域の活動に協力
当日の幸丸のひとつテンヤマダイ船は3隻出しの大盛況。しかしさすがに正月休み明けの3連休。人気の幸丸をもってしても満席とまではいかず、片舷6名ずつの計12名でゆったりと釣りを楽しむことができた。向後恵一船長が舵を取る「第一幸丸」は準備が整い、午前5時丁度に河岸払いとなった。

受付は早朝から行列
受付で釣り座を確保する
6隻の大型船を所有。本日は第一幸丸にお世話になった

最初は漁礁周りで大型マダイを狙う

海で迎える日の出は寒さも忘れて見入ってしまう
本日最初のポイントは、飯岡港から南東に約50分走った水深25mほどの漁礁周りだ。時期によって攻めるポイントも変わるために一概には言えないが、飯岡沖は砂地に岩が点在するポイントを攻めることが比較的多い。つまりは根掛かりが少ないことが特徴である。しかし本日のポイントは漁礁周り。ポイントを知り尽くす向後恵一船長からの「根掛かりしますから注意してください。では始めてください」との親切なアナウンスで実釣開始。

乗船と同時にエビ餌、氷、桶を受け取る
テンヤ仕掛けは親バリをエビの尾から通して、孫バリをチョン掛け
根掛かりの少ない飯岡沖では誘導仕掛けで広く誘うと数が伸びる

朝イチは外道から……

うれしい外道の代表格 ヒラメ
辺りがまだ暗い中、必死に目を凝らして道糸の弛みを見る。朝イチにアタリが頻発することもあるだけに集中が必要。しかし、この日のマダイは少し寝坊している模様。なかなか最初のアタリがない。釣り開始から25分ほどで、本日最初のアタリが右舷ミヨシで。しかし、期待とは裏腹に、竿先の動きがいわゆるマダイの三段引きとは異なる。上がって来たのはカサゴ。漁礁周りでは定番の外道だ。この後もカサゴ、ヒラメ、ニベなどの外道は上がるものの、なかなか本命のアタリが訪れない。

ちょっと上目のタナではイナダも交じります
立派なサイズのニベも
仕掛け図

最初のタイはハナダイ

まだ辺りが暗い中で実釣開始
我慢すること1時間。やっと来た。海面を叩く竿先の動きがまさにタイだ。一身に期待をされて上がって来たのは600gほどのハナダイ……惜しい。でも確実に本命に近づいている。 探見丸を見ると、海底から5mほどの幅で大きな反応が出ている。すかさず船長から「5m幅で上目も狙ってみてください」とのアナウンス。少し上目を探っていると小さなアタリが連発。しかしハリ掛かりしない。周りを見るとたまに上がるのはウマヅラハギ。どうやら上手に餌だけを取られている模様。ウマヅラハギが釣れてくるということは、潮の動きが緩慢なことを意味している。なかなか厳しい状況が続いた。ここで船長が船を飯岡沖のポイントまで大きく移動することを決心。30分ほどの移動となった。

探見丸には反応が出ている
本日最初のタイは良型ハナダイ
餌取りの犯人はこいつだ……ウマヅラハギ

遅いお目覚めで本命が

やっと出ました本命マダイ
こちらのポイントはガラッと変わって底は砂地がメイン。船長も「ベタ底を中心に狙ってください」との指示。アタリはあるものの、なかなかハリ掛かりしない難しい状況の中、午前10時ちょうど。またまたタイ特有の三段引きが右舷ミヨシに到来。ドラグも少し出されてなかなかの引きだ。上がって来たのは正真正銘の本命。800gほどのマダイだ。前半戦が厳しかった分、嬉しさ倍増の1匹。

釣れたてのマダイの発色は本当に美しい
何が上がってくるのか? 期待に胸が膨らむ
タイラバのようにひらひらのスカートを付けてアピール

ラスト1時間はアタリ連発

残り1時間でラストスパート
この日のマダイはかなり寝坊だったようだ。この最初の1匹から沖上がりまでの1時間強は、それまでの時間が嘘のように次々にアタリが訪れる。船内ではハリ掛かりを示すリールの“ジー”という音があちこちで聞こえる。船長の話ではこの時期のマダイはいつ? そしてどこで? 口を使うのかが読みにくいという。反応が出ているのに食わない、潮が流れているのに食わない、など多々あるそうだ。重要なのは必ず訪れる食事タイムのタイミングに集中して釣ることだ。

メバルも交じりました
良型のハナダイもきた
釣れはしたが、かわいいサイズに少し恥ずかしい

乗っ込みまでのこの時期を大切に!

桜の咲くころに期待されるマダイの乗っ込み期には、マダイが積極的に口を使い、終日コンスタントに釣れるようになる。だが実は、この1~2月の時期はそのために非常に重要になってくる。繊細なマダイからのアプローチにどう対応するのか? ひとつテンヤの先についている一匹のエビをどう美味しそうに誘うのか? しっかりとこの時期に習得しておくことが、乗っ込み期にどれだけ楽しめるかが決まってくるそうだ。前日はキロクラスが多数交じりながら16匹という大釣りもあった。タイミング次第だが期待は出来る。いいタイミングに当てられるか?……技術向上だけでなく運試しという点でも面白い釣りとなった。

向後恵一船長。マダイの事なら全てお見通し。分からないことはどんどん質問した方がいい
幸丸では有料にはなるが、下船後に魚を捌いてもらうことも可能

(釣りビジョンAPC・丸岡直樹)

今回利用した釣り船
千葉県飯岡港『幸丸』
〒289-2705 千葉県旭市飯岡3374
TEL:0479-57-2258
定休日:なし
詳細情報(釣りビジョン)
幸丸ホームページ
出船データ
午前船:4時半までに受け付け、準備次第に出船 11時沖上がり
乗合料金:11,500円(氷、餌付き)
午後船:11時までに受け付け、準備次第に出船 17時半沖上がり
乗合料金:10,000円(氷、餌付き)
※女性子供は割引あり 午前船6,300円 / 午後船 6,000円
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