釣りビジョン

船宿いわた・東京都東大井

2017.11.15号

東京湾・竹岡沖のカワハギ絶好調!誰もが“尺”のチャンス!

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秋が深まり気温が急降下。この時期、釣具店の一角に高い人気を誇る専用コーナーが出現する。それはカワハギ!一年中楽しむことが出来る釣り物だが、やはり人気が出るのが11月から年明けにかけて。夏季に浅場にいたカワハギがサイズアップして深場に移動し始める。そして何よりも絶品の“肝パン”が大きな魅力。期待を胸に東大井『船宿いわた』に連休初日の11月3日に出掛けた。

これからの時期がまさに“肝パン”

『船宿いわた』の青い看板が目印

カワハギは年間通して様々な楽しみを釣り人に提供してくれるが、あえてカワハギの「旬」と言うなら11月からのいわゆる“肝パン”の時期だろう。夏にタップリと餌を食べてサイズアップ。文字通り肝もパンパンに膨らんでいる。これに呼応するように多くの船宿がこの時期にカワハギ船を出すようになる。

江戸前情緒あふれる船宿
乗船所へはのぼりが目印
この入り口を入ると乗船所です

一級ポイントの竹岡沖までは遊覧船気分

足場があって乗り降り安心

『船宿いわた』は品川区・東大井にある。JR品川駅からも近く、まさに都会のど真ん中。出船は午前7時15分。向かうポイントはカワハギの一級ポイントとして名高い千葉県・竹岡沖だ。渋滞知らずの海の上を航程1時間ちょっとで到着する。港を出るとすぐ後ろに都会の景色。そして羽田空港、アクアライン、横浜など次々に変わる景色を楽しめるので遊覧船の気分で楽しい。

船のすぐ横には待合室も
モノレールが並走
羽田空港だってこの近さで

ド派手な仕掛けでカワハギに熱烈アピール

“集魚板”は鉄板アイテム

この日は船宿主催の大会も兼ねているので合計22人もの釣り人が集まった。10月中に台風の影響で一度延期になったので皆が待ちに待った日だ。待った分だけ釣具店に行くチャンスが増えたのか?各人がいつも以上に煌びやかで派手な仕掛けを装着している感じがした。カワハギという魚、好奇心が旺盛で、派手なアピールに目がない。釣具店の一角がこの時ばかりはジュエリーショップのような色彩を放つ。自分の好みで選択したアイテムがカワハギに選ばれるとそれはもう嬉しい。釣りの技術だけでなく道具にも拘る理由はここにある。

見て下さいこの細部のこだわり
オモリもド派手にアピール
仕掛け図

その日のヒットパターンを探す

さて、ほどなくポイントに到着。水深は15m前後。竹岡沖は荒めの砂地に小さな根が点在するようなポイントが多い。根掛かりの心配はほとんどないので投げて広めに誘うもよし、船下ポイントで集中的にアピールするもよしである。カワハギ釣りは「ゼロ・テンション」、「宙釣り」、「弛ませ釣り」、「叩き釣り」など本当に多くの釣り方がある。ではどれが一番いいのか?船長に聞くと正解はないそう。逆に言うと全てが正解。どれが一番かはその日の魚のご機嫌次第と言うわけだ。常連さんは自分の基本の釣り方を持ったうえで、状況に合わせてその日のヒットパターンを見つける。道具だけでなく、釣り方も奥が深い。

餌はアサリ。ぬめり取りは必須
別に“生アサリ”を用意する人も。やはり生は食いがいいそうだ
竿掛けが手返しアップに重宝
船宿で購入した仕掛け
和竿がよく似合う
このメジャーがあると便利。ベテラン拘り

朝方は手の平サイズを中心にポツポツと

午前8時半、岩田登行船長の「はいどうぞ!」の声でスタート。この日の釣り人にとって大会参加が半分の目的。なのでカワハギ釣りには精通したベテランが多い。朝のサービスタイムと言うほどではないが、ポツリポツリと顔を見る。さすがはベテランで、顔を見ずともかかった魚がおおよそは見当がつくようで「これは“本命”だ!」とか「これはベラだな…」とか周りと談笑しながら楽しんでいた。前半戦は、手の平サイズが中心。尺超え(30cm超え)で上位入賞を狙うこの日のメンバーには物足りない大きさだ。

この日最初のカワハギ
ポツポツ上がった
朝イチに“本命”でひと安心
なかなかサイズも朝イチに上がりました
嬉しい“本命”
朝は小型も交じった

28.5→29.0→29.5cm

スタートから約2時間経過してから寝坊していた大型サイズがお目覚め。午前10時40分に右舷トモ(船尾)から2番目で竿を出す中山幸一さんの竿が大きく撓った。その大きさを確信してタモを使って丁寧にネットイン。この日最初のメジャーの登場で28.5cm!次は11時過ぎにミヨシ(船首)の方で29.0cm。その直後にまたまた中山さんが29.5cm。抜きつ抜かれつのデッドヒートでいよいよサイズ争いが熱を帯びてきた。

サイズアップ!
ついに出た!28.5cm
続いて29.0cm!
一荷(2匹)もありました
“本命”に笑みがこぼれる
後半に大きいのを釣ってました
なかなかいいサイズですよ!
マダコが“外道”で交じった

ついに出た“尺ハギ”は30.5cm

ついに尺越え!浅井晃さん

この後も29.0cmが船中で2匹顔を出す。これだけ尺(約30cm)近いサイズがコンスタントに顔を出すとは…今シーズンの状況を物語っていた。しかし、なぜか30cmの壁がなかなか超えられずもどかしい。そんなモヤモヤを一気に吹き払ってくれたのが左舷ミヨシで竿を出していた浅井晃さん。納竿時間までカウントダウンが始まった13時30分に上がったカワハギは、正真正銘の“尺ハギ”で30.5cm!この日の最大サイズに笑顔が溢れた。

堂々の30.5cm
“紅一点”で良型カワハギ
また29.0cmです

22匹でも不満なのが2017年

桶がカワハギで埋まります

29.5cmと28.5cmの2匹の大型を上げた中山さんは、それ以外にも朝からコンスタントに数を伸ばてトップの22匹。岩田船長の話では、「数の点では、最近では一番悪かった」との事。裏を返せば大会という側面から船長が持つ多くの引き出しからサイズの引き出しを中心に開けたと言う事なのだろうが、22匹で不満と言うのが今シーズンの好調さを物語っている。この日の水深はまだ15m前後。つまり本格化前なのだ。これから海水温低下と共に群れが深場へと移動する。そうすると今以上に数、サイズ共に楽しめるのは必至。今シーズンのカワハギは、大いに期待できそうだ。

クーラーが満タン
このおちょぼ口が餌とり名人の所以
岩田登行船長の目論見通りの良型揃い

(釣りビジョンAPC・丸岡直樹)

今回利用した釣船
東京都東大井『船宿いわた』
〒140-0011 東京都品川区東大井1-25-3
TEL:03-3471-1322
定休日:毎週火曜日
詳細情報(釣りビジョン)
船宿いわたホームページ
出船データ
カワハギ乗合
料金:9,800円(税込)(餌、氷付き)
女性、子供(小中学生)割引あり。貸し道具あり
出船:AM6時30分集合 AM7時15分出船 PM2時30分沖上がり
駐車場:要予約。仕立ての場合は1隻当たり2台まで
定休日:毎週火曜日
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