釣りビジョン

山下丸・神奈川県久比里港

2018.2.1号

神奈川県・久里浜沖のスミイカ、寒さ吹き飛ばす大型続出!

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冬の東京湾の人気ターゲットの一つ、スミイカが絶好調と聞いた。神奈川県・久比里港『山下丸』では、年明け後からスミイカ船を開始。山下克範船長は、「今シーズンはスタートからサイズがいい」との事。期待に胸を膨らませ1月28日(日)、久比里へ向かった。

予想以上に暖かった久比里

久里浜から向かうと夫婦橋を渡ってすぐ右下が船宿

いよいよ本格的な厳寒期を迎えたが、何だか例年よりも過ごしやすい(釣りをしていても辛くない)印象があった今冬。しかし、それが1月下旬に激変。都内に4年ぶりの本格的な雪をもたらした低気圧によりテレビでは「30年、40年ぶりの…」の報道が目に付く。この日も午前4時半に自宅を出ると東京・多摩地区の外気温はマイナス6度。我が目を疑う。対して『山下丸』がある三浦半島の南エリアに位置する久比里。自宅から1時間弱の距離だが、船宿に着くと気温は0度。しかも自宅近辺はまだ雪がかなり残っていたが久比里では雪が全くない。積もらなかったそうだ。そう!たった1時間で気候が全く違うのだ。

船宿と船の目の前が駐車場
緑・紫・青の3色の船が並ぶ
ここを右奥に入る

まずは超近場の久里浜沖でスタート

まずは受け付けを済ませよう

午前5時半に到着。出船は7時半なので早過ぎたかに思えた。しかし、『山下丸』ではこのシーズンの人気ターゲットであるカワハギ船とアマダイ船も出しているので既に多くの釣り人が。船長自ら港前の駐車場で車の誘導をしていた。この日のスミイカ船は他の2船に比べて少し控えめの6人の釣り人を乗せていざ出船。東京湾口のスミイカを知り尽くした山下克範船長が選んだ最初のポイントは、港からほんの10分程の久里浜沖。前日は同ポイントで潮が流れず苦戦したそうだが、この日はいくらか改善する予報なのでまずはここからスタートと言う目論見。

出船まで暖房前で談笑
氷は出船前に忘れずに受け取ろう
コーヒーで出船前のひとときを

良型のスミイカを“胴突きスッテ”で狙う

仕掛け図

スミイカは梅雨時期が産卵期。東京湾奥では10月頃からシーズンイン。序盤は数が出るがサイズはいわゆる「コロッケサイズ」が中心。これが冬になり釣り場が深場へ移動してくるに従いサイズもグングン大きくなる。
スミイカ釣りと言うとシャコを縛り付けたテンヤ等の仕掛けで狙う船宿も多いが、『山下丸』では“胴突きスッテ”仕掛けで狙う。この時期の水深が50~70mと深いことに加え、スッテの進化によって入手が難しいシャコと遜色ない釣果を見込めるためだ。タックルはスミイカ用のロッドと小型両軸リールの組み合わせ。しっかりとフッキングさせる必要があるので力の伝わりやすい先調子の竿がいい。カワハギ用のロッド等でも十分に対応できる。

仕掛けは船宿で購入可能
青、オレンジ、ピンクの鉄板カラー
貸し竿も完備です

初心者には船長から釣り方レクチャー

右舷胴の間(中央)で竿を出す山根大助さんはスミイカ釣り初体験。出船前に船長自ら入念にレクチャー。抑えるべきポイントは3つ。
1.着底を確認したら少し糸を弛ませて竿先を叩くように誘いを入れる。
2.15秒間誘いを入れたら大きく空合わせを入れる。
3.ズシリと重さを感じたらテンションを緩めずに上げてくる。
スミイカがいるのが海底付近のために糸を弛ませて誘うのが重要になるそう。実は私もスミイカ釣りは未体験。しっかりと頭に叩き込んだ。

船長による釣り方レクチャーは必聴
釣り座には桶が準備されている
ベテランはカラフルなスッテを準備
使うオモリは25号
三つ又サルカンの代わりにビーズを使うと絡み防止になる
この日はピンクとオレンジに軍配が上がった

前半はミヨシ(船首)側にアタリが集中!

最初のポイントは水深50m程。しかし、使うオモリが25号なので底立ちを取るのに困難なことは無い。皆が一斉に竿叩き開始。朝一番は潮が流れずに船中に静かな時が流れる。最初の動きは実釣開始20分後。左舷ミヨシ(船首)の近藤喜美子さんの竿先が重そうにしなった。“本命”のスミイカ。「この日の目標は2杯」と謙虚に話していたが、いえいえ。最終的には7杯も釣っていましたよ。潮の影響で前半戦はミヨシ側が有利。両ミヨシでアタリが続いた。

スタートは近藤さんから
朝一番でなかなかの良型
近藤さんの2杯目は良型
こちらもなかなかの良型
イカの鮮度を保つ鮮度保持水を使う釣り客も
これが噂?の「墨爆弾」

初のスミイカ釣りも2杯をゲット

中盤から潮が反転、俄然勢いを増したのがトモ(船尾)側。ポイントと誘いが合うと一人入れ掛かりと言う事があるのもこの釣りの特徴。右舷トモで力強く誘いを入れているベテランの西山忠行さんは、見事な誘いで次々と釣り上げていく。しかも最大800g級とサイズもデカい。“初スミイカ”の山根さんは、どちらの潮の流れの時も両隣のベテランに上手く掛けられてしまうので中盤まで中々厳しい時間だった。しかし、最後にドラマが待っていた。大型を釣り上げて喜んでいたが、沖上がり直前にはもう1杯を追加した。スミイカ恒例の「墨爆弾」も経験して楽しく納竿となった。

墨を吐くので水を入れずにタルに入れておく。ネットがなぜいるのか?答えは後述
この日の1杯目
西山さんの本日はマダコでスタート
すぐ後に本命ゲット
大きなスミイカです
マルイカも顔を出しました

大型交じりトップ9杯!

こちらも大きなサイズです

この日のトップは惜しくもツ抜け(10杯)に届かなかったものの、中盤から怒涛の猛攻の西山さんが9杯。仕掛けを遠くに投げることでより広範囲を攻めたことが好釣果に繋がったそう。そしてアタリが無い時にはスッテを交換するのも良い。スッテに太陽光で蓄光することで、よりアピールを高める事も出来る。この日はコンスタントに500gオーバーが何杯も釣れていてサイズの良さは折り紙付きだ。

初挑戦の山根さんにも良型のスミイカ
なるほど!!ネットは最後にこう使うんですね!海水でスミイカを洗います
スミイカを知り尽くす山下船長。お世話になりました

(釣りビジョンAPC・丸岡直樹)

今回利用した釣船
神奈川県久比里港『山下丸』
〒239-0828 神奈川県横須賀市久比里1-3-3
TEL:046-842-8856
定休日:第2・4・5水曜日(定休日が祝日の場合、変更して営業)
詳細情報(釣りビジョン)
山下丸ホームページ
出船データ
乗船料金:8,700円
氷別料金:150円
出船時間:7時30分
沖上がり:14時30分
※料金等は取材当時のものとなります。料金の変更等がなされている場合がございますので、詳細につきましては各施設等にお問い合わせください。​