緑龍丸・神奈川県真鶴岩港「“ディープマスター”と幻の魚ベニアコウを狙う!」オフショアマガジン|釣りビジョン

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緑龍丸・神奈川県真鶴岩港

2018.05.01号

“ディープマスター”と幻の魚ベニアコウを狙う!

生息海域は水深1,000m前後。海面下1km先、約1,000t(101気圧)もの水圧に耐え、岩礁域の暗闇に潜む幻の魚、それがベニアコウ(標準和名・オオサガ)だ。そんな超深海に住む魚を狙うべく、深場釣りの頂点とも言えるベニアコウ釣りを知り尽くした“ディープマスター”・テル岡本さんの実釣イベントが開催された神奈川県・真鶴岩港『緑龍丸』へ向かった。

魚欲しさよりも「“ロマン”を釣る!」それがベニアコウ釣り

ベニアコウは、メバル科メバル属の魚で甘みのある脂の乗った超高級魚である。それを食べた人は、口を揃えて「美味しい」と言うらしいが、実は自分もまだ食べた事がない。1度は食べてみたいと思ってはいるが、中々そんな機会に巡り合える事がない。希少さもあって鮮魚店やスーパーに並ぶ事はほとんどなく、市場から高級料亭などに直行してしまう魚である。大きな個体は10kgを越えるモノもいる。専門で狙う釣り人はそんな超大型を目標に“ロマン”を求めて出掛けて行く。

テル岡本『緑龍丸』流ベニアコウ釣りの仕掛け

ここで“ディープマスター”ことテル岡本さんお勧めのタックルを紹介しよう。竿は2.1m深海竿(600号負荷)、又はベニアコウ専用竿。大型電動リールに道糸PE10号1600mを巻いておく。仕掛けは上からヨリトリダブルベアリング、水中ライト、その下に先糸ナイロン60号3m、その下にブランチベアリング、幹糸ナイロン40号3m、枝スはナイロン24号1.5m、捨て糸は16号4.5m、オモリは鉄筋2kgまたは鉛500号の胴突き6本バリ仕掛け。ハリは深海バケ(緑・紫・オレンジ)28号、ハリのチモトにはハリの浮力を得るためにマシュマロボールを2個、深海バケの色に合うものをセットする。餌はスルメイカの短冊。大型のスルメイカを開き、縦方向に5~6枚、幅2.5cm程にカットする。魚の身餌はイバラヒゲやアナゴなどの“外道”を避けるために使わないのが、テル岡本のベニアコウ狙いのスタイルだ。水中ライトはシマガツオが回遊してくる時期には、それを避けるために小さいものに付け替える。水中ライトを無くすことは、マシュマロボールの蛍光の意味がなくなってしまうので、光は小さくしてもゼロにはしない。

【動画】ベニアコウ釣りの仕掛けについて
仕掛け図
2kgの鉄筋オモリ
マシュマロボール

航程約50分、真鶴南沖の水深950mからスタート

午前6時、舵を握る向笠仁志船長から、ミヨシ(船首)に座る岡本さんから順番に投入するよう合図が出た。水深は950m、2kgの鉄筋オモリが海面に吸い込まれるように飛沫をあげて勢いよく沈んで行った。「着底まで15分程時間がかかります」と岡本さん。この15分の間に仕掛けの巻き直しをしたり次の投入に備える。そして15分後、道糸が1,050m出たところで着底した。着底のサインは上にヨリトリリングや水中ライトがついているので見落とさないように注意する。「潮が速い時には着底が分かりにくくなりますからね、着底したらすぐに糸フケがとれるように竿先を注意して見ておきましょう」と岡本さん。

【動画】”ディープマスター”が挑戦!ベニアコウ釣り

糸フケを取って再度落として仕掛けを立てる

「着底したらすぐにクラッチを切って、手動で糸フケを取ります」。そう言いながら5m以上手動で糸フケを取っていく。糸フケを取り終えると、すかさずクラッチを切ってもう1度底まで落とし、“底トントン”の状態にした。「『緑龍丸』さんの仕掛けは、捨て糸が4.5mあるので“底トントン”の状態でも海底にいるアナゴやソコダラ類に餌を食われるのを避けて一番下バリもベニアコウのいるタナを狙っていくという設定ですね」。膨らんだ魚体からベニアコウはカサゴの印象を受けやすいのだが、ベニアコウはメバルの仲間なので、メバルを釣るイメージで釣ると良いそうだ。「イメージとしては底から5m位に一番下のハリを置くイメージですね」と岡本さん。

ディープマスターことテル岡本氏
底にはベイトと見られる反応が!
船長の合図ですぐに投入できるように準備しよう

ベニアコウのアタリは切れがある!

ベニアコウのアタリの特徴は、ピッピッと「尾ビレがある」と思わせるアタリが特徴とか。ソコダラ類などは尾ビレがヌルっと細長くなっているので、尾ビレがあるようなアタリは出にくいのだとか。また、ベニアコウが掛かった場合は、巻き上げている間の水深500m前後で暴れるのが特徴だそうだ。「丁度上げてくる中間くらいで浮袋が膨らむんでしょうね。そこで暴れることが多いです」と岡本さん。すると、右舷大ドモ(船尾)の菊島英貴さんの竿に尾ビレのある魚のようなクンクンというアタリが来た。「これは“本命”かも知れないよ!」と船長も目を見張る。少し糸を送ってから船長の合図とともに巻き上げ開始。すると、岡本さんの竿にもアタリが来た。「プップッってアタリですね。イバラヒゲかな?」と岡本さん。「ハリ掛かりするところによってアタリも変わってくるんですよね。仕掛けがナイロンで長いので上バリにイバラヒゲなどが掛かるとベニアコウと勘違いする事もあるんですよ。でもこれは“本命”ではなさそうですね(笑)」。ベニアコウ釣りでは、「これだ!」と言うアタリが出た場合は、道糸を送ったりせず兎に角直ぐに巻き始める事が重要だ。『緑龍丸』の場合は、前から順番に投入していくが、着底後の巻き上げの順番はアタった人から巻いてOK。

おっ!来ましたよ!
テル岡本さんの仕掛け&オモリ
餌のスルメイカは投入前にハリにセット

真っ赤な魚体が海面を…結末はいかに!?

大いに期待した大ドモの菊島さんの竿は海面近くまで良い引きをみせ、あまり期待できない雰囲気に…。糸を持つと「あ~重いですね…」と残念そうな顔を見せる菊島さん。重いという事は、2kgの鉄筋を持ち上げる魚の浮袋が感じられないと言う事。つまり、ベニアコウは掛かっていないという事になる。ベニアコウのかわりに海面に姿を見せたのは1m級の深海ザメだった。しかし、ハリを見ると1本綺麗に餌まで取られているものがあった。「菊島さんこのハリに“本命”が掛かってたんじゃない?」と笑いながら船長。そして、2、3,4、5、6投とイバラヒゲや通称“オバケ”と呼ばれるムネダラなどは釣れるが“本命”からの魚信は無く、午前11時過ぎ、最後の投入の7投目にチャンスは訪れた。右舷胴の間(中央)の中川純人さん、大ドモの菊島さんの竿先に“本命”らしきアタリがあったのだ。2人共慎重に巻き上げを開始。大ドモの菊島さんが先に仕掛けを手繰り始めた。手に持つと仕掛けがフワーッと沖に浮き始めた。「これはもしや!」と期待が高まる。そして船長が叫んだ「赤い!…ん?浮袋だな」そう、赤い大きなものは浮袋。その後ろには黒い4kgはあろうかと思われるイバラヒゲが浮いていたのだ。そして、胴の間の中川さんは海面でライントラブルがあり、仕掛けをロストして魚を見る事が出来なかったまま12時半の納竿時間となってしまった。
「“ディープマスター”テル岡本氏と釣りをしよう!」の企画は来年も行う予定だ。今回は“ロマン”だけで終わってしまったベニアコウ釣りだが、例年6月一杯は楽しめるので、是非チャレンジをしてみては如何だろう。

“本命”らしきアタリに皆が注目!
4kg級のイバラヒゲ
「残念!“本命”だと思ったんだけどネ」と船長
何者かに食われたスルメイカ
イバラヒゲは貪欲だ!
皆で集合写真をパシャリ!

(吉田洋一郎)

今回利用した釣船
神奈川県真鶴岩港『緑龍丸』
〒259-0201 神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴345-2
TEL:0465-68-1080
定休日:元旦
詳細情報(釣りビジョン)
緑龍丸ホームページ
出船データ
ベニアコウ船:午前5出船、午後0時半沖上がり
乗船料金:1万9,000円(税込)氷付き、餌は持参
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