しまや丸・千葉県乙浜港

2018.8.15号

千葉県・乙浜沖の“キントキ&根魚五目”、希少な高級魚をゲット!

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「チカメキントキ」という魚をご存じだろうか?キンメダイを連想させる真っ赤な魚体と巨大な目、そして特徴的な巨大なヒレを持つ魚。釣り人をしてもその存在を知らない人も多く、市場流通は激レア。しかし、その味は絶品で、極稀に流通すると取引価格は超高額。巨大なヒレを使っての抵抗は強烈で、食味だけでなく釣り味も最高。“本命”で狙われる事は少ないが、千葉県・乙浜港『しまや丸』では“キントキ&根魚五目”を乗合船の柱として出している。

館山道富浦ICを降りて30分程

『しまや丸』がある乙浜港は房総半島最南端。館山自動車道終点、富浦ICを降りて館山バイパス、北条バイパスと15分程進み、下真倉南の交差点を左折。道路が2車線から1車線に変わった後に左にコンビニがある交差点と覚えておくと間違えない。ここが港までの最後のコンビニである。あとは山を越えて15分程で乙浜港。富浦ICからは30分程だ。

釣り座は船長の指示で

船宿は港前。船から徒歩30秒

『しまや丸』では、キントキ&根魚五目船をGW頃から9月一杯位まで出している。季節によって出船時間が多少変わるので船宿に要確認。釣行当日(8月4日)は午前4時半出船。午前4時に船の前に平行に駐車して、船長が来るのを待つ。釣り座は予約順に船長があらかじめ決めるので、確保のために早く来る必要はない。4時半前に船長が到着して、指示に従って順次乗船。当日は片舷6人ずつの計12人の満船。レアな魚と思っていたが、虜になった人の多さを実感する。

船の前に平行に駐車
午前4時に賑わうキントキフリーク
『しまや丸』待合所。沖上がり後に食事を

夏は比較的浅場でも型を見られる

待合所前で釣り座の確認

GW頃の開幕を毎年楽しみにしている人が私の周りに多い事と、ヒラメ釣りなどの“外道”として楽しませてくれる事も多いので、“夏の魚”とは思っていなかった。島野一男船長に「キントキの旬」を聞いてみると、実はキントキは周年釣れる魚。しかし、夏は浅場で型を見られることから、入門者にはうってつけなんだとか。なるほど、それゆえこの暑さの中でも満船になるほどの高い人気があるのだろう。

風光明媚な景色に心が癒される
大型船の「第三しまや丸」
船上用の氷を受け取り乗船

水深は50~80m!

キントキは小魚を捕食するフィッシュイーター。使用する餌は冷凍イワシ。キンメダイのような大きな目と真っ赤な魚体から深海の魚を思わせるが、水深100m前後にも生息している。この日狙った水深は夏場だけに50~80mの比較的浅場。海底より少し浮いて群れで生息しているので、着底を確認してから50cm刻みで5m幅を胴突き仕掛けで探っているとガツガツというキントキ特有の強烈なアタリが訪れる。潮の流れによって80~120号のオモリを使用する。この程度の重さなら、汎用性の高いタックルで対応可能だ。

餌はイワシ
汎用性の高いタックルでOK
仕掛け(船で購入可能)
仕掛け図
仕掛け図

布良沖は潮が速すぎる…

キントキのポイントは乙浜港を出て千倉沖から布良沖までと広範囲。船長が当日まず選択したのは、一番遠いポイントの布良沖。激流のような速潮を心配した船長だが、僚船から入った情報は比較的緩やかとの事。サイズも平均型が良いポイントとの事から決断。しかし、この目論見が裏目に出た。1時間弱かけて到着した時には潮が変わり、心配した激流に。潮が動くと魚が釣れるというのは「沖釣りあるある」だが、キントキは潮が速いと途端に口を使わなくなるそう。実際、魚群探知機には底から幅広くキントキのそれと思われる反応があるのに一向に口を使おうとしない。

サバの切り身を持参する方も
イカの切り身を持参する方も。特餌か?
大きな口とヒレが特徴

開始1時間で“本命”が!

最初の“本命”!

潮が激流の為、投入の毎にオマツリを解く作業に苦しむこと1時間。左舷胴の間(中央)で竿を出していた山崎綱大さんに強烈なアタリ。竿先をガンガン叩くアタリは明らかにキントキ。想像以上の強い引きを楽しみながら、上がってきたのは32cmの良型。その次の流しでは、隣の佐藤武さんの竿にも強烈なアタリ。新調の電動リールのモーター音が鳴り響いた。39cmの大型だ。本人はあまり大きくないと謙遜していたが、重さにすると1kgほどありそうだ。「市場では一番高値で流通するサイズ」と船長。

39cmの大型
最後に市川さんに“本命”
吸い込まれそうな大きな目
【動画】速い潮に負けず!キントキ五目釣り

千倉沖は不動の潮

最初は小型中心

激流のような潮は一向に緩む気配を見せない。色濃い反応にもかかわらず数少ないアタリに、船長は移動を決心。舳を北に向けて千倉沖へ大移動。海の中は本当に不思議だ。あれほど激流だった布良沖だが、到着した千倉沖は反対に潮が全く動かない。速すぎる潮の後は全く動かない潮に困惑。丁度いい塩梅…というのはないのか?日頃の自分の行いを悔いるしかなかった。千倉沖は水深50mほどでキントキと根魚が一緒に狙える。カサゴ等の根魚を狙いたいのであれば、ハリスを3号程度に落とすとアタリが増える。

中盤からサイズアップ
後半はアヤメカサゴ連発
食べても美味のアヤメカサゴ

後半、やっと潮が動き出す

ロックフィッシュのファイトは楽しい

前半のキントキは苦しんだが、後半は「根魚も一緒に狙えるし、上向くだろう」といった甘い目論見はもろくも崩れる。たまに訪れるアタリは小型のアヤメカサゴ。厳しい時間を過ごし、納竿の時間も気になり始めた午前10時半。やっと潮が動き出した。魚というのは潮の流れに非常に正直に反応する。潮が流れたと感じた瞬間、急にアタリが増えだした。中型サイズのアヤメカサゴ、メバル。そして浅場にもかかわらずオニカサゴも顔を出した。強い引きは良型のアヤメカサゴかと思ったら、キントキ。既に1匹上げている山崎さんにはサイズアップした2匹目が。右舷トモ(船尾)の市川康男さんにも良型のキントキが来た。

独特のカラーリング
メバルも
浅場でオニカサゴも

ラスト1時間にアタリ集中

結果的には年間何回あるか?と言うほどの負のスパイラルに陥る一日となってしまったが、魚群探知機に映し出される反応と後半の1時間の怒涛のアタリを見ると、潮が普通に動きさえすれば数が釣れるはず。実際、3日前はトップで7匹の良型キントキとマハタが上がっている。9月一杯は“キントキ&根魚五目船”を出すとの事。市場ではめったにお目にかかる事が出来ない超高級魚を堪能しに出掛けてみてはいかがだろう。

数多くのポイントを知り尽くす島野一男船長
沖上り後に氷を交換
沖上り後の冷やしうどんが最高の味

(釣りビジョンAPC・丸岡直樹)

今回利用した釣船
千葉県乙浜港『しまや丸』
〒295-0101 千葉県南房総市白浜町乙浜1304
TEL:0470-38-2567
定休日:第2・4水曜日
詳細情報(釣りビジョン)
しまや丸ホームページ
出船データ
キントキ五目(事前予約制)
料金:1万1,000円(付け餌、氷付き)
集合:午前4時30分 出船:5時 沖上り:11時