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東京湾でタイラバ乗合船!手軽で入門者にもピッタリ!

2018年12月15日公開

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年末年始に人気の釣り物と言えば、何と言ってもマダイ。脂が乗って美味しい季節でもあるのも嬉しい。したがって乗合船は何処も大人気、特に週末は大混雑になる事もしばしばだ。そんな折、都内で少人数限定、しかもゲーム性の高いタイラバ乗合船を出している船宿があると聞き付け、江戸川区・東葛西『東京湾探釣隊ぼっち』を訪ねた。

東京湾にタイラバ乗合船が!?

『東京湾探釣隊ぼっち』の集合場所は、船着場近くの駐車場。1度行けば難なく辿り着けるのだが、初めての際は、船宿HP内の釣果ブログに写真付きで説明されているので是非確認を。集合時間のちょっと前に船長がバイクに乗って登場。停車中の車に声を掛けて集合となる。旧江戸川沿いにある乗船場所へは徒歩2、3分。船に灯火が点いてから予約順に船長からコールされ、希望の釣り座へ乗り込む。操舵室で船長に乗船料と駐車場代を支払い、乗船名簿を記入。滞りなく準備は整い、午前6時、10人のアングラーを乗せて「ぼっち丸」は出船した。

横須賀沖、マダイの反応を捕捉!

ややウネリのある東京湾を走ること1時間30分。東京ディズニーランドや羽田空港、風の塔やベイブリッジなど、ベイサイドの観光名所を海から眺めながら横須賀沖に到着。「まだ(潮が)流れてないね」とアナウンスした船長は、魚群探知機でマダイの反応を捜索。「ハイやりましょう。51mです」の合図でスタートした。各々のスピードでリールを巻いては再び沈めること暫く。最初に竿を曲げたのは周藤司真さん(千葉市)。取り込まれたのは“本命”と一文字違いの“マダコ”。船中和やかな笑いに包まれた。周藤さんが次の投入で掛けたのはフッコ(スズキの若魚)。そして潮が動き始めた頃、またまた周藤さんの竿先が引き込まれ、今度は3度目の正直、“本命”のマダイ。これを皮切りにマダイの食いが立ち、あちらこちらの釣り座でアタリが見られ、巧くハリ掛かりさせた釣り人にはマダイが取り込まれた。

 

“タイラバ”とは…?

タイラバとは何か、ざっくりご紹介しよう。オモリ鋳込みバリに細いゴム(ラバー)を蓑状に巻いた「ラバージグ」と呼ばれるバスフィッシング用のルアーがあって、これと姿形が似ているマダイ用のルアーが“タイ用のラバージグ”、略して「タイラバ」と呼ばれるようになった。今から12、3年前、黎明期には「ゴムカブラ」とも呼ばれ、テンヤ・マダイやビシマ釣りをする釣り師にはこちらの呼び名の方がピンと来るかも知れない。現在は“ヘッド(オモリ)”が遊動式になっているタイプが主流で、“フック(チラシバリ)”と“ラバースカート”及び“ネクタイ”と呼ばれるリボン状のトレーラー(集器)の組み合わせで何パターンものアレンジが出来る。この「タイラバ」を海底まで沈め、底から数mから十数mの間、同じ速度で巻き上げては再び沈めることを繰り返し、その日の潮速や潮色、マダイの活性に合致する“沈下速度”や“巻上げ速度”、タイラバのヘッドやネクタイなどの“タイプ”や“カラー”を見つけ出す釣りである。「アタリがあっても合わせず巻き続ける」、「魚が掛かっても竿でやり取りせずにリールのドラグに任せる」など独特な“お約束テクニック”があり、一見単調なようで、やり込むと魚が口を使う前の追尾を判別出来たりと奥深く技巧に満ちた妙味がある。その反面、道具がシンプルで初心者でもマダイが釣れるお手軽感もあり、ここから沖釣りデビューをするアングラーも少なくない。

“潮の動き始め”再び…!

日が高くなると海もすっかり凪いで、船長は“ドテラ流し”に切り替えた。この日は正午に潮の下げ止まりがあり、魚からの反応も小休止。デッキの釣り人たちは竿を持つ手を休め、静かな海の上で昼食を取った。巻き上げるタイラバに感じる抵抗が重くなって「潮が動き始めたかな」と感じ始めた頃、再びマダイの時合到来。これまでアタリの少なかった釣り座の竿にグングンと引き込むマダイの魚信が相次いだ。リリースサイズのチャリコ(マダイの幼魚)も上がるが、同じタイミング、同じタナで2.7kgの良型も取り込まれ、集中とドキドキのプライムタイムが14時の沖上がりまで続いた。

船長曰く「タイラバは答え合わせ!」

「例年より数は出てますよね」と、今期の傾向を語る笹倉鉄士船長。タイラバのコツについて尋ねると「よく言われるのはタッチ&ゴーですね。タイラバが着底したらすぐに巻き上げる。これはもう絶対でしょうね。あとはヘッドの形状によってタイラバの動きが違うので、丸形とタイコ型、両方持っておいた方が良いでしょう。ラバーの無い、ネクタイが細くて短いタイプも持って来てください。波動の小さい方が良いのか、渋い時はテキメンですよ」とのこと。是非参考にして欲しい。1年を通じてタイラバでマダイを追い続けている船長は、さすがにこの釣りに対して一家言を持っている。どの釣り座も操舵室から近く、フレンドリーでユーモアたっぷりの船長は質問すれば何でも答えてくれるので、タイラバでこれまで釣果に恵まれなかった人は武者修行にもお薦めだ。

「タイラバ」は釣って楽しく、食べて美味しい!!
「潮の速い所に居るマダイは魚がイイでしょう」と言う船長の言葉通り、この日釣れたマダイは魚体の美しい個体が目立った。更にこの時期のマダイは脂が乗って味も抜群。この日は主に水深50m以浅を攻めたが、当分この水深で楽しめるそうだ。1月にはお土産にホウボウを狙って釣ったり、2月にはサワラとマダイのリレー乗り合いもスタートするなど、四季折々のタイラバゲームが楽しめる『東京湾探釣隊ぼっち』。シンプルで奥深いタイラバの面白さと、冬に磨かれるマダイの味覚を、身近な乗合船で是非お試し頂きたい。

今回利用した釣り船

東京都東葛西『東京湾探釣隊ぼっち』
〒132-0013東京都江戸川区江戸川3-57
TEL:080-5655-9024
定休日:なし 釣果・施設情報 東京湾探釣隊ぼっち ホームページ

出船データ

タイラバ乗合
乗船料金:1万3,000円(氷付き)
駐車場:500円(1日)
貸し竿:2,000円(タイラバは持参のこと)
集合時間:午前5:30(予約時に確認を)
出船時間:午前6:00
     
※記事の掲載内容は公開日時点のものになります。時間経過に伴い、変更が生じる可能性があることをご了承ください。

この記事を書いたライター

川添 法臣
釣りビジョンAPC
6歳から釣りに親しみ、海・川・釣堀・湖のルアー・フライ・餌釣りに節操なくのめり込むツリキチ。2019年JGFA沖釣りサーキット・総合優勝/2010年JGFAオールジャパンゲームフィッシングコンテスト・マダイの部・優勝(10.2kg)…他
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